沼津便り9月号
沼津便り2026 年 9 月号残暑お見舞い申し上げます。いつも「沼津便り」をお読みいただき、ありがとうございます。今号は皆様に二つのお知らせと、今後についてのご報告をさせていただきます。■ 配信方法変更のお知らせこれまで「沼津便り」はメールにて約 50 名の皆様にお届けしてまいりましたが、今後は松本徹商店のブログに掲載する形に切り替えさせていただくことになりました。長らくメールでお付き合いいただいた皆様には、形は変わってもこれまでと同じように沼津の近況や仕事にまつわる話題をお届けしてまいりますので、ぜひブログの更新をチェックしていただければ幸いです。移行にあたっては、しばらくの間ご案内を重ねてお送りし、皆様が迷わ ず 新 し い 場 所 に た ど り 着 け る よ う 努 め て ま い り ま す 。 https://matsumoto-shoten.jazzweb0314.workers.dev/■ お世話になった皆様への勉強会について9 月は、これまで大変お世話になった会社の皆様を対象に、無償で技術勉強会を実施させていただくことになりました。長年のお付き合いの中で学ばせていただいたことへの、ささやかな恩返しの機会にできればと考えております。当日は現場で役立つ技術的なポイントを中心に、実践的な内容をお伝えする予定です。リクエストがありましたら松本徹商店サイトからどの様な勉強会を希望されるかお聞かせ下さい。■ 今後についてこうした活動と並行して、私は今後、個人として技術的なアドバイスを行う仕事にも力を入れていきたいと考えています。一つの会社に属して働くことにも多くの学びがありましたが、これからは特定の会社の枠にとらわれず、これまでのご縁を活かしながら、より多くの現場の皆様のお役に立てる関わり方をしていきたいと思うようになりました。今回の勉強会も、そうした新しい歩みの第一歩として、まずは感謝をお伝えする場にできればと考えています。至らないところも多いかと思いますが、これまでと変わらぬご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。■ 今月の視点ここ数年、大手企業の品質問題が相次いでニュースで報じられています。モーター会社で発覚した 1000 件を超える品質不正は、顧客の承認を得ないまま部材や工程、設計を変更していたことが主な内容でした。自動車業界でも、型式指定に関わる不正な試験やデータ改ざんが複数のメーカーで発覚し、世間を騒がせました。達成困難な業績目標が現場を追い詰め、手続きを守る時間さえ「コスト」とみなされる企業風土があったと報じられています。なぜこうした問題が繰り返されるのか。長年品質に携わってきた実感として、共通する構造は「経営目標」と「現場の実力」の乖離だと感じています。目標達成の期限だけが先に決まり、そこに至るまでの承認・検証・記録といった手続きが後回しにされる。一つひとつの逸脱は小さくても、「今回だけは」という例外が積み重なり、いつしか組織全体の当たり前になってしまう――これが不正の芽だと思います。これは本田宗一郎が貫いた「現場・現物・現実主義」の対極にあるように思います。本田は机上の判断を許さず、必ず自らの目で現場を確かめ、数字より先に現実を見ることを徹底しました。品質は、現場から目を離した瞬間から崩れ始めるのかもしれません。長年品質に携わってきた者として、身の引き締まる出来事でした。■ 中国駐在は「罰ゲーム」? 品質屋がみた 10 年の変化「中国駐在を経験しないと社長になれない」と言われていたのは、ほんの 10 年前のことです。それが今では「中国に行かされる」と、まるで罰ゲームのように語られることもあります。投資額は減り、コストメリットも薄れ、視線はすっかりインドに移りました。この先、中国から撤退する企業はさらに増えるだろうと言われています。ただ、長城汽車や広汽研究院で品質の現場に身を置いた者として言えるのは、この 10 年の中国の「現場力」を軽く見る人ほど、実際の現場を知らないということです。追い上げの速さ、数字への執着、失敗から学ぶスピードは、日本の比ではありませんでした。撤退か進出かの二択ではなく、そこで鍛えられた目をどうインド展開や国内の現場に持ち帰るか。それが今、問われている戦略だと思います。■ 編集後記暑さもまだ続きますが、皆様どうぞご自愛ください。ブログでの新しい「沼津便り」も、どうぞよろしくお願いいたします。松本徹商店 松本徹