沼津便り9月ー2号
「あきらめない」が翼になる ― 大阪工業大学、鳥人間コンテスト悲願の初優 勝2026年9月2日残暑もようやく落ち着き、朝夕に秋の気配を感じる季節になりました。皆様、いかがお過ご しでしょうか。今回の沼津便りは、少し嬉しいニュースからお届けしたいと思います。 私の母校である大阪工業大学の人力飛行機プロジェクトが、2026年9月2日に放送された 「第48回鳥人間コンテスト2026」で24,671.48メートルを飛び、大会史上ついに優勝を 果たしました。 工大の挑戦は、今回が最初ではありません。振り返れば2012年に導入した「1枚ブレード プロペラ」は、当初1キロにも満たない記録しか出せませんでした。そこから2023年には 8,566.72メートル、2025年の第47回大会では11,804.81メートルを飛んで工大史上初 めて旋回点を通過し2位に入賞、そして2026年、ついに悲願の頂点に立ちました。実に 14年越しの挑戦の末の優勝です。 大阪工業大学 人力飛行機プロジェクトの機体(ご本人提供) 工場の改善活動も、これと同じだと私は常々感じています。現場・現物に向き合って初めて、 改善すべき点が見えてくる。しかし改善は、思うようには進みません。協力してくれない人、 あるいは反対する勢力が必ずと言っていいほど現れます。それでも、その壁を一つひとつ乗 り越えながら、改善は少しずつ前に進んでいきます。 大切なのは、成功するまで諦めずに続けることです。諦めた瞬間、それまで積み上げてきた ノウハウはすべて消え、努力は水の泡になってしまいます。だからこそ、こうした挑戦を長 い目で支え続ける大学や会社の経営者の哲学が、非常に重要になってくるのです。 私自身、長年にわたり自動車部品の品質改善に携わってきた中で、同じような場面を数えき れないほど見てきました。新しい検査基準や作業手順を導入しても、最初はうまくいかない ことがほとんどです。現場から戸惑いの声や、時には反発の声が上がることもあります。そ れでも一つひとつ丁寧に理由を説明し、小さな成功体験を積み重ねていくことで、次第に現 場の意識が変わっていく。工大の14年間の挑戦は、まさにこの『積み重ね』の尊さを、改 めて教えてくれるものでした。 松本徹(ご本人提供) 『すぐに結果が出ないから』とそこでやめてしまえば、改善はそこで終わってしまいます。 しかし、続けていれば必ずどこかで芽が出る。今回の優勝は、そのことの何よりの証明だと 思います。皆様の現場でも、今取り組んでいる改善が『まだ結果が出ない』と感じることが あるかもしれません。そんな時こそ、この母校の快挙を思い出していただければ幸いです。 大阪工業大学の14年間の挑戦は、まさにその哲学が実を結んだ結果だと思います。ものづ くりの現場でも、諦めずに改善を積み重ねる姿勢こそが、いつか大きな成果につながる。母 校の快挙が、そのことを改めて教えてくれました。 季節の変わり目、どうぞご自愛のうえお過ごしください。次号の沼津便りもどうぞお楽しみ に。 松本徹商店 松本 徹 参考: 大阪工業大学 人力飛行機プロジェクト特設サイト、大阪工業大学ニュース(鳥人間コンテスト2025・2026関連記事)