沼津便り3月号
2024年2月24日 編集 松本徹
中国で仕事を始めてからこの便りを書き始めた。先輩からはこの便りをまとめて一冊の本にした
らと勧められているが気恥ずかしいので今の所その予定はない。
さて去年の年末に車をヤリスに買い替えた。当初ノッキン グ現象が出ていたが一ヶ月点検の時にエンジンソフトを アップデートして頂きこの問題は解消した。ヤリスの前は CHRに乗っていたが、ヤリスの装備もなかなかのもで CHRに決してひけを取っていない。とても気に入って沼津 の街を軽やかに走っている。そんな矢先トヨタ自動車より リコールの案内が届いた。何事かと思い内容を確認すると 前輪ロアアームのボールジョイン取り付け部においてサビ が発生し亀裂が生じる恐れがあると書かれていた。サビの 研究はホンダ時代メインの仕事としてやっていたので、こ
の内容を読んで少々がっかりした。自動車業界においてサビ 対策は1980年から始まり特に冬季塩を散布する北米で深刻な問題となった。僕もカナダに出向き
その実態を調査に行った。ホンダに入社してすぐ当時の担当常務に部屋に来るように言われマ ネージャーと僕と望月の3名で常務の部屋にドキドキしながら行った事を今でも良く覚えてる。 常務は当時CB750に乗っており、常務のバイクのサビの発生状況を調査して欲しいと言う依頼を 受けた。また全部品対象にチェックして欲しいと指示されたので、まずはチェックシートの作成 から始めた。管理室に行きパーツリストを借りて来て、全部品コピーしてチェックシートに貼り付 け部品名を記入した。これだけでも大変な作業だったが次の報告日を2週間先に決められていたの で、必死でこの仕事に取り組んだ。チェックシートが出来ると早速駐車場に行き、CB750のサビ
のチェックに取り掛かった。エンジンカバーを締め付け るボルト1本1本まで細かくチェックし常務に報告した。 常務は我々の報告を聞くとすぐに生産しているメーカー に連絡して対策する様に指示を出した。次の報告は一ヶ 月後と約束されたので今度は調達に行き対象部品の生産 メーカーを徹底的に調べてはメーカーに電話をして打ち 合わせに来るようにお願いした。毎日多い時は4社と打 ち合わせを実施した。結局この仕事は半年続き入社まも ない僕はバイクの部品名とそれを生産しているメーカー を一気に覚える事が出来た。その後自動車を開発してい
る栃木の研究所に転勤すると直ぐにカナダに行くように指示が出た。転勤して直ぐなので、自動 車の部品名も良く分からないままカナダに行ったが、カナダで毎日仕事をする事で自動車の構 造、部品名を覚える事が出来た。自動車のサビ対策はこの当時どこの会社でも実施しており、各 社2000年までにはサビに関する対策内容をまとめて図面に反映し、サビのクレームは減少して いった。日本国内に関してはサビのクレームが少ない事とオーバークオリティーになるとコストが 上がるので、塩害地区とその他で設計仕様を層別してマニュアルを作成した。この時点でサビの対 策は終了し後はこのマニュアルを守れば良い様にPRした。その様な背景の中で今回このリコール の案内が届いたので、この真因を調べたくなってしまったのだ。(職業病なのだと思う)
  
 さて小説「遥か向こうにはいつも夢が見えていた」三部作を多くの人に読んで頂いた。また多くの 図書館にも置いて頂き感謝している。いよいよ完結編は今年9月までの発売となってしまった。
                    (まだ購入していない人は早めに購入して頂ければ
                    助かります。)
                    この小説は中国にいる時一気に書き上げた。日本に
                    帰るとなかなか筆が進まないで困っている。やはり
                    強い刺激がないと文章は書けないと言う事なのだと
                    つくづく思っている所だ。
                    だから次の小説を書く時は又海外に行って新しい生
                    活を始める時かもしれないと密かに海外脱出を計画 している。
 現在沼津では詩を書くことに集中しており、詩は定
期的に思うような詩が書けている。さて3月は僕の誕生日月で14日で66歳となるがまだまだ新 しい出会いを求めて挑戦を続けいたいと考えている。やり残した事はまだまだ一杯あるし、悔い のない人生をこれからを歩みたいと願っている。そういえば先週春一番が吹き、いよいよ伊豆も 春本番を向かえる。今年は中国に行く予定も入り気合を入れ直して頑張りたいと考えている所だ。