沼津便り2月号
トヨタのOBに「兵站線が伸びきっている」という表現を教えて貰った。兵站とは軍事用語で、食 糧、弾薬、医療品などの物資を調達し、前線へ届けることである。 それが伸びきるとは戦争の時に前線を急拡大すると補給路が伸びてしまう⇒補給路が狙われやす い⇒前線に物資が届かず戦闘を続けられなくなると言う事になる。トヨタ自動車では、2005 年 頃から経営トップ陣 が頻繁に「兵站線が伸びきっている」という表現を用いるようになってい る。世界中 に多数の拠点を抱えたことで、末端の拠点まで支援の手が届きにくくなったり、本国 拠点の負荷が過重になるなどして、グローバル組織の円滑な運営に支障をきたすよう になってい るのである。僕の知り合いの会社でもこの兵站の事を良く考えず海外に拠点を作り失敗した会社 がある。これに加えて地政学的リスクを加味しながら海外に拠点を作る必要がある。最近ではロ シアに拠点を作ったものの戦争が始まったせいで、この拠点を放棄する事になってしまった多く の企業の事が取り上げられている。日本人の特性としてまずは海外に出て行き、それから考えれ
ば良いと言う発想があるが、これからはそ うは行かない時代に入っているのだと思 う。ホンダでは「歩きながら考える」と言 う社内用語がある。しかしこの言葉もやが て死後になるのかもしれない。お陰様でサ ウンドファンのミライスピーカーは国内だけ でも20万台がお客様の元へと送り出され た。また最近発売したステレオも好評を頂 いている。ステレオに関してはアメリカが ターゲットで既にアメリカのお客様のご自 宅へと届けられている。サウンドファンは まだまだ小さい会社であるが、製品は海外 で作られているし、お客様は全世界へと広
がりつつ。だから今兵站線を真剣に考える時なのだと思う。さて今でも広州汽車の研究院のメン バーとWe chatでやり取りがある。一緒に仕事をした李さんからも広州に来るように連絡を頂い ている。「李さんその時は宜しくお願いします。」李さんは僕の机の前に席を置き、良き相談相
手でもあった。一緒にプロジェクトも推進さ せて頂いた。彼女は電気関連のエキスパー トで学校の先生を経験して広州汽車の研究 院で品質の仕事をしている。今も同じ部署 で頑張っていると聞く。また3月には一緒 に仕事をしていた若手が日本に来ると連絡 があった。3月には横浜あたりで会いたい と計画中である。 2月になりと春節が始まるので、中国で仕 事をしている日本人の多くは一時帰省す る。僕は運が悪く広州にいる時はコロナの 時で一度も日本に戻る事が出来なかった。 2月に日本に帰省するメンバーからも連絡
2024年1月28日 編集 松本 徹
  
 を頂いている。今年は一度中国に行きたいと考えているが、ビザの問題もあり少し躊躇してい る。コロナ前なら15日間はビザなしで中国に行けたのに、2年ですっかり事情が変わってし まった。日本と中国の関係がこれ以上悪くならない事を祈っている。 さて今月は月間ココア共和国に「居酒屋」と言う詩の掲載が決まった。居酒屋で男と女が詩の事 について話をしている。たまたま僕はカウンターの隣の席に座ることになり、その男女の話を聞
                  く事になる。男は酔った勢いで詩を熱く語り、女は少し冷
                  めた目で男の話を聞く。そんな内容のの詩を書かせて頂い
                  た。ココア共和国には月一回だけ作品が投稿出来る。良い
                  作品は本に掲載される。佳作は電子版のみの掲載になるが
                  それでも掲載が決まるとモチベーションが上がる。来月は
                  平凡をテーマに書きたいと今準備をしている。
                  そろそろ河津桜が綺麗に咲き始める頃だ。
                  伊豆の春はもうそこまで来ている。