A,Bフォームの練習はいかがでしたでしょうか。いやになる人も多いと思います。ただ、「これが3度で・・えーと」っていちいち考えなくても、コードネーム見ただけでスパッと弾けるようになるから、このA,Bフォームの練習は実はとても効率が良いのです。
「なんちゃって」とかいいつつ、こういう
基礎練習もガンガン紹介して、宿題のごとく積んでいく講座です。ごめんなさい。
で、
A,Bフォームできるようになったぜ、早速使わせろよ、という人のために、今回は#21,#22のA,Bフォームだけで演奏できる曲として "
Satin Doll" を紹介してみようと思います。
その前に「
え? #21,#22のA,Bフォームだけじゃ弾けない曲あるの?」という疑問もあるかと思います。
あります。まず、「マイナー7th(♭5)」とか「マイナー6th」とかが絡むフォームを練習していませんから、すでにやったAutumn Leavesさえまだ出来ませんね。あと「オルタード系7th」もやってませんから、すでにやったF BluesのD7(6度7thAlt)もできませんね。実は、
#21と#22のA,Bフォームの練習"だけ"で出来る曲はそう多くないのです。ガックリせずに少しずつ練習しましょうね。
さて、Satin Dollですが、相変わらずメロ譜は著作権の関係で載せられません。すんません。本屋さんとか探してみてくださいませ。ネット上にもあるかもしれないなー。
"Satin Doll"的なコード譜を以下に示します。ええい、言いにくい。まあ、行間読んでくださいw
はい。さて、基本的なアナライズ(分析)をしていきましょうか。この曲は、聴いてもわかるようにかなり古い曲で、Duke Ellingtonの曲です。Be-bopや、それ以降のモダンジャズ以前に完成されたヒットチューンという認識でよいかと思います。
キーは C Major。 Dm7-G7 は two-five ですね。さっそく、Aフォームです。次がEm7-A7。これも two-fiveの関係にあります。アナライズにもよるのですが、これは全音上に臨時転調している、という演奏が一般的かと思います。以下、ウンチク。
key:Cの IIIm7-VI7 という解釈も可能ですが、その次がD7なので A7はセカンダリードミナントで、そう考えるとEm7はkey:DのIIm7。故に、9thがテンションとして使われていると考えます。Dm7-G7からみればEm7は解決先としてはTonic代理への偽終止になるのですが、ここは全音で転調していると考えるほうが演奏上も自然になるはずです。で、C△7のあと Em7-Eb7 となってますが、これはいわゆる「ターンアラウンド」なので人によっていろんなコードをあてます。ポイントとしては、その次が"Dm7"なので、Dへ解決するようなものを構築する、ということ。他のバリエーションとしては、「C△7-F7-Em7-A7」とか「C△7-B7-Bb7-A7」などもあります。Eb7は A7の裏コードですから、これもまた使えます。故に、 CM7-..-Em7-Eb7 は比較的妥当なコードですね。以下、ウンチク。
ナチュラル系7thでここを構築しようと思うと、Dm7へ解決するA7はHmp5th↓あたりが採用されてしまうため使えず、その裏コードであるEb7を使うのが妥当ということになります。Eb7ではLydian♭7thで、9th,13thをsupplyできますからA,Bフォームで演奏するにはうってつけ。Gm7-C7-F からサビです。これは key:F に転調していて、two-fiveと考えましょう。 key:Cのトーナリティーをトコトン重視したい人は、 F△7のコードで G音ではなく F音を弾きましょう(理由は分析上は今はどうでもいいことなので割愛)。
で、またまた全音上に転調したかのように、Am7-D7-...そして、 G7です。面白いですね。G△7を連想させつつ、G7というドミナントコードで引っ掛けます。本来、次がふたたびDm7なので、手前にA7とか置きたくなりますし、そういう演奏も多いですが、簡単化するために G7で2小節引っ張っても問題ありません。
あとは一緒。AフォームとBフォームで学んだコードの押さえ方だけで弾けるってわけです。
さて、アドリブの練習も少しずつ始めましょう。まずは お決まりの「コードトーンのみの練習」です。1-3-5-7、3-5-7-1、と、全転回形を練習していきましょう。
今回の演奏例はこんな感じ。コードトーンの練習も最初のフォームだけ入れておきますね。