深夜11時頃か、疲れた体を引きずって蒲田温泉に来た。

黒湯に浸かって疲れを癒やしたかった、トランペットの重さを支える左腕が悲鳴をあげている。

平日の遅い時間だけあって人は多くない、髪と身体を洗い熱めの黒湯に浸かっていると、隣の中年男性と目が合い、自然と「良い湯ですね」の一言から会話が始まる。


なんでも彼は大工さんでリフォームの仕事の時に時折出る廃材が蒲田温泉のお湯を沸かしているという、その縁で初めて蒲田温泉に来たというのだ。


この熱い黒湯に自分が少しでも貢献してるのが嬉しいと言う彼は職人の良い顔をしていた。


僕は極端な人見知りで、知らない人とは殆ど喋らないのだけど、銭湯の湯船ではたまにこういう事がある。

良い湯に浸かって心が良い意味で緩くなってるんだろうな。


余談ですが蒲田温泉はよく冷えたスーパードライが¥300なのが嬉しい。