あ | ハロー人生!!

ハロー人生!!

いつまでも成長期の負けず嫌いな末っ子のノンフィクションサクセスストーリー。

私はいつまでたっても私を知らないままこの世を去っていくのだろう。


私は東京の都民として過ごしている。私は以前から偏っていた人種であることは知っていた。だからこそ田舎にはいたくない気持ちが強かった。同時にそれは田舎特有の人間関係になじめていない自分の居場所を探すためでもあった。

そんなわけで高校を卒業した後上京して大学生活を送っていた。特になにになりたいとか、野望があったわけでもない。ただ、本当の自分がいるのはもしかしたら家族がいない、誰一人として自分を知らない都会にいるのかもしれないと思ったからだ。

だが、そんなこと百人いたら半数近くはそう思っていて、実際本当の自分などどこにも居やしないのだ。結局自分自身、アイデンティティなど日に日に変わっていく。一秒ごとに自分という存在は変わっていくものだ。そうカタをつけないと永久にこの難題を壊すことはできない。ベルリンの壁のように長い間多くの人間が抱えてきた物質的問題ではない、また、解決するのは本人しかいないのだから、ましてや大変なのだと思う。。。

気が遠くなってきた、そんな時私はたいていハイライトに火をつけて煙とともに吐き出してしまう。そうやってこの難題から逃げてきた。

明日は近場の川沿いをサイクリングしよう。灰皿に吸い半端のタバコを押しつけてベットに寝そべった。。。


翌朝、私のいつも見慣れているはずの部屋ではなかった。

きちんと整頓されているはずの衣服類は散らかっており、貴重品を入れている棚の中は何一つ存在していなかった。TVも無ければ、金目のものは何一つ残されていなかった。

私は夢だと思いほっぺをつねってみた。

そこにはあってほしくない感情が芽生えた。



いたい



私はこういうときアニメのワンシーンのような悲鳴を上げたりなどはしない。何故なら?叫んだところで駆けつけてくるのは役に立たない野次馬ばかりだからだ。

とにかくおそらく私の知らない「誰か」が散らかしていった衣服の中から一番心を静めてくれそうな色合いをしたインディゴブルーのシャツと茶色のカーゴパンツをはく。

とりあえずこの状況をどうするべきか。よりによってなんで一階のアパートに住んでしまったのか、よりによってなんで鍵をかけ忘れたのか、そしてなぜ起きれなかったのか。

実家に電話をかけようにも携帯電話すらない。この事態を犯した「誰か」は連絡先まで断とうと考えるほど巧妙な屋からなのだろうか?関心すらしてくる。

次に思いついたのはとりあえず警察に行くしかないということだった。何かしらの処置は取ってくれるだろう。

幸い自転車に関しては柱に鎖で繋いでおいたのでどこかに売りさばかれるようなことはなかった。今から向かえば十分はかからないだろう。


自転車をこいで警察に向かっているときに思ったのは、今着ている服や持っていた財布、アクセサリー、一眼レフのカメラそれぞれが私のアイデンティティの一部だったのだと感じた。そんな今までの難題に少しだけ向き合えた。そんなところで私は今何も持っていないたった一人の人間でしかないことを実感した。そう思うと少しだけ目頭が熱くなった。どうやってこの状況を説明すればいいのか、これが本当に夢だったら良いのに。

それから数日後私は入院生活を送っている。

実はというと警察署に向かう途中意識を失ってしまったらしい。まったく意識の外のことだからわからないものだと思う。

その際に頭を打って、幸い支障はなかったのだが一応念を押しての入院だったらしい。私の部屋に入って荒すだけ荒した犯人は翌日に捕まったらしい。まったくお粗末なやつだと思った。全ての貴重品は戻ってきた。私の中のアイデンティティ。。。の一部。


それからは私は地元に戻って家族と暮らしている。大学は中退した。私はいつまで経っても私などわからない。だが、それすらどうでもよくなるのがアイデンティティではないだろうか。



久しぶりに短編書いてみたけど、中身がない(笑)