ジャズピアノ初心者が悩む「演奏の理想と現実のギャップ」
こんにちは。池袋のジャズピアノレッスン講師のヨッシー佐藤です。
自分で作った曲をピアノで弾いてみたら上手く弾けなかった・・・
アドリブソロの譜面を作って弾いてみたら、上手く弾けなかった・・・
ソロのレコーディングをしたら上手くいかず、時間ばかり過ぎてしまった・・・
こうした理想と現実のギャップを体験された方いらっしゃいませんか?
家では自分はこのくらいはできたのに・・・
でもレッスンで実際やってみたら上手くいかない・・・
といった悩みは、ピアノのレッスンでもよく起こります。
本当はジャズピアノを楽しみたいのに、上手く弾けない・・・になってしまったら、楽しもうにも楽しめなくなりますね。
そこで、今回はジャズピアノ初心者によくありがちな演奏技術に対する誤解についてご紹介していきたいと思います。
僕自身、誤解を先輩に指摘されてから、マインドがかなり自由になり、ジャズピアノを楽しめるようになりました。
ぜひ参考にしていただけたら幸いです。
プロの世界では常識!ファーストテイクの法則
昔、まだ駆け出しだった頃、レコーディングのお仕事をしたときのお話です。
色々な音色でレコーディングしましたが、たまたま4小節間をアナログシンセのフレーズを入れた時のことです。
何回かアドリブフレーズを入れましたが、プロデューサーから中々OKサインがもらえませんでした。
たった4小節のレコーディングなのに、結局1時間以上も時間がかかってしまいました。
あまりのプロデューサーの厳しさに、さすがに周りで見ていたバンドメンバーも、僕をかわいそうと思ったらしく、珍しく励ましてくれたくらいです。
その時にプロデューサーから言われたのが、「レコーディングはファーストテイクが命だからな。」という一言でした。
レコーディングの世界では、今以上の自分も今以下の自分でもない、今の自分しか表現することができないという意味です。
なので、「ファーストテイクは慎重に、集中して行いなさい。」というのがファーストテイクの法則です。
今思い出してみたら、その時はファーストテイクの大切さを理解しておらず、いい加減な演奏をしていたように思います。
また、まだまだ自分は行ける!と思い込んで、何度も録音を繰り返せば繰り返すほど上手くいかなくなる「負のスパイラル」に陥ってしまっていたと思います。
プロデューサーが、あえて貴重な時間を使って、たった4小節のレコーディングに厳しかったのは、おそらくファーストテイクの大切さを伝えたかったのだと思います。
また、今の自分を「冷静に客観的に見れる力の大切さ」を伝えたかったんだと思います。
「難しいことができる」≠「価値」の法則
ピアノという楽器は、ピアノ以外の楽器と比べると、かなり特殊な楽器と言えます。
1人で演奏しても音楽が成立します。
また、一般的なレッスンでは、音符がたくさん書かれている難しい曲を演奏できるようになることが価値とされています。
なので、「難しいことができるようになる」=「評価される」とないがちです。
ところが、この「難しいことができるようになる」=「評価される」が、作曲やアドリブソロをするときにマイナスに働くことがあります。
そのマイナスが、自分でも弾けないくらいのオリジナル曲のピアノアレンジやアドリブソロを書いてしまうことです。
長い間、「難しいことができるようになる」=「評価される」が考え方に習慣化されてしまうと、作曲やピアノアレンジを作る時に、無意識に「難しくしてしまう。」力が働いてしまいます。
その結果、いざピアノで演奏しようと思った時に上手く弾けなかったり、リズムがずれてしまうのです。
僕も昔は「難しい」=「価値」と思っていましたが、先輩ミュージシャンから、「難しいことに挑戦してライブで失敗するより、今確実にできることで演奏したほうがお客さんによろこばれるよ!」と言われ、大切なことに気づかされました。
よく考えたら、難しいフレーズで失敗した自分の姿を見て、喜んでくださるお客さんなんていないですよね。
確実にできることで、リズムも合って、ミュージシャンたちが一緒に盛り上がっていった方が、お客さんたちは喜んでくださいます。
「雄弁は銀。沈黙は金。」の法則
「難しいことができる」≠「価値」の法則から派生する内容ですが、「音数の多さ」≠「価値」という理解も大切になります。
ジャズピアノ初心者ほど、音数をたくさん弾こうとします。
また、アンサンブルに慣れていないピアニストも、とにかく音符をたくさん弾こうとする傾向があります。
ところが、プロほど、休符と白玉(ロングトーン)に忠実になろうとします。
必要な時にピアノを弾いて、必要ないところは、あえてピアノを弾かないのです。
これが「雄弁は銀。沈黙は金。」の法則です。