Patti Austinの横でギターを弾けるということ | さすらいギターin LA

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LA在住ギタリスト・森孝人の音楽あれやこれやブログ

地道に一生懸命頑張っているとたまにこういうご褒美がある。

今回急にPatti Austinのバンドでギターを弾くことになった。

 

Pattiは、もう説明もいらないくらいの、アメリカ音楽全体を代表するようなシンガーの1人だ。

その歌の技術の高さからバックグラウンドシンガーとしての需要も多かったので、知名度としてはあまり高くはないのかもしれないけれど、間違いなく歴史的なシンガーの1人。

4歳でアポロシアターでダイナワシントンのライブに飛び入りしてデビュー。すぐにサミーデイビスJrや、クインシージョーンズの目にとまり、プロとしてのキャリアを歩き始める。

ちなみにアポロシアターのデビュー話は非常に面白くて、冗談で歌ってみたらと言われて「歌う」と返し、曲名とキーまで指定。

バックのフルバンドの指揮者も顔色が変わったという。

しかも手違いで別のキーでイントロが始まったのを、「キーが違う」とステージ上で演奏を止めてしまったという。4歳の子が!

その後仕切り直して、歌うとスタンディングオベーション。

ステージ脇で両手を広げて「今度僕のクラブに歌いに来て欲しい!」とラブコールを送ったのがサミーデイビスJr。

 

彼女は本当に素晴らしいシンガーだけど、バックステージではずっと喋ってる。笑

しかも、全ての話しが興味深く、面白い!

着替えとお色直しに個室に戻ることはあるけど、それ以外はずっとバンドと一緒にいて喋っている。

あと、全然偉ぶったところがない。

新入りの僕にも目をみてちゃんと話してくれる。

こういう人だと、もうなんとかして良い演奏で応えたいと思う。

 

ステージでは、お客さんにも沢山話をして楽しませつつ、圧倒的な歌唱力でソウルフルにバンドをリードしていく。

しかも、様々な顔をみせていく。優しく、細やかに、太く、突き刺さるような表現にと、変幻自在だ。

バンドも、しっとりと、ダイナミクスも豊かに、ソウルフルにもファンキーにもなり、それをサポート。

僕のギターもメローなものからファンクなもの。ソウルフルなものから、ロックなギターまで。持てるものは皆出した感じ。

 

Say You Love MeでPattiの歌を聴きながら、オブリ入れたり、ソウルフルなギターソロを弾いたりしてて、ウルッと来る瞬間が沢山あった。

自分の大好きな音楽を信じてやってきたものを、ここで出すことができて、それをPattiが聴いて反応してくれて。

こんな幸せな瞬間があるとは、正直思ってなかった。

 

音楽の神様に感謝。。。

 

ブルーノートでの8回のステージの後、アメリカでもボルチモアの野外フェスでの演奏をした。

あと、来週にはコロラドのアスペンでのフェスティバルにて2度演奏の予定。

最後まで楽しんで頑張ります!