開店して早くも4年目に入ったジャズ喫茶&バー “PLAYER'S BAR R”。 
東京メトロ千代田線の千駄木駅から歩いて5~6分。足腰の丈夫な方なら根津のジャズバー “LaCuji” や白山のジャズ喫茶 “映画館”、“Ella &Louis” も徒歩でハシゴ出来る。

2階へ上がる階段のところから既に音が漏れ聴こえて来るが、二重ドアを開けて店内に入るとまさに大音量。
レイアウト的にスピーカーが席から近い距離なので音圧を正面からまともに浴びる。 
基本的にはモダンジャズ中心で、1960年代およびその前後の時期のアルバムがかかる。 
元々ジャズバーの常連客だった方が始められた店でもあり、客目線に沿った店の運営というかリクエストもOKだし、かかっているアルバムやミュージシャンについての適度な会話も可、と客の自由度が高い。
もちろん店主はジャズそのもの、そして盤による違いなど物凄く詳しいので、派生した話から思わぬ知見を得ることも多い。充実したリクエスト・ノートも用意してある。 






オリジナル盤やオリジナルに準じる盤も多く、また店で長年かけ続けたわけではない店主の個人蔵のアルバムなので盤質も良い。 
オリジナル盤と言っても、自分の耳ではすべてのレーベルのアルバムが格段に良いとは感じ取れないけど、その中でBLUE NOTE盤のサックスやトランペット入りの演奏はイメージ通りのゴリゴリ・ヒリヒリする音で、この店のシステムで聴くとこのレーベルの特異な音作りの魅力・威力が分かりやすい。 

 で、(居合わせたお客さんの様子を気にしながら)なかなか聴く機会のないオリジナル盤を聴かせてもらうわけだが、一日に何枚も聴くと耳が慣れてしまうのか最初に受けたガツンとした衝撃が徐々に薄れてしまうのが悲しいところではある。 




オリジナル盤でなくても、やたら音質の良いレコードはある。Eric Dolphyの “Last Date”は1973年発売の日本フォノグラム盤。ジャケットの裏面に日本語で解説が書いてある廉価盤だが、マスターテープに近いものを取り寄せてプレスしたのか、あまりに鮮烈な音に驚く。Fontana盤もLimelight盤も聴いたことないので比較は出来ないけど、この音には仰天する。
1970年代前半の日本フォノグラムやトリオなどの国内盤には、他にもこうしたとびきりの音を刻んだレコードがあるみたいだし、中古レコード屋さんのエサ箱に案外安価で転がっているのかもしれない。




女性ヴォーカルのアルバムもいろいろある。
ヴォーカルが聴ける店は少ないし、聴けるとしても音量を抑えてBGM的に流すケースが多いので、歌手の声は聞こえてもバックの演奏は分からない。
こちらの店では、さすがに大音量ではなくやや音量を抑えてという形になるが、バックの演奏もしっかり聴きとれる。名盤と言われるようなアルバムは歌手だけでなくバックの演奏も凄いものだということがよく分かる。

 2022年6/16 開店。 
客の気楽な立場からは順調な3年超だったと感じるが、思いがけず急遽店を始められることになった経緯もあり、また(おそらく)飲食業は不慣れだった店主お二人にとってお店の運営はたいへんだったと思う。 
令和の世にこうした昭和の時代のような本格的な “ジャズ喫茶”が新たに登場したことに驚くが、この店のようにいい音で真正面からまともにジャズが聴ける店は数少なくなった。 
レコード・ブームなのかこの日は若いカップルのお客さんもいらしたが、コアなジャズファンだけでなくアナログ再生の音の威力を体験するためにも若い世代の方の来店がもっと増えればいいと思う。 

現在は週に3日、金土日のみの営業。 
定期的にライブやテーマを決めたレコード・コンサートあり。