下北沢は音楽の店の激戦区。ジャズ、ロック、ポピュラー、ノンジャンルなど知ってるだけで10数店あるので、実際にはどれだけの店数があるのか分からない。
各店が個性を競い、それぞれ良さがあってうまく棲み分けしているが、その中でもこちらの店はあまりに独創的。冬に初めて行った際、そのコンセプトの斬新さに驚いた。

・令和の世らしい、また若者の街 下北沢らしいすっきりした洒落たカフェ 
・立ち食い蕎麦 
・蕎麦はヴィーガン 
・店名(Albert Aylerから) 
・かなり大きな音量でフリージャズ……客がフリージャズファンだけ(?)の時は大音量になる
・スピーカーは1958年製JBL Harkness 
・蓄音機は1928年製Credenza 

こうした組み合わせの店は(おそらく)日本初のことであるだろうし、同時に世界初であるかもしれない。 
情報量が多すぎて目眩がしそうだが、本当に驚くのはこれら多彩な要素が一つの店の中で違和感なく調和していること。 






しかし、マスターが蕎麦を茹でる後ろ姿を眺めながらフリージャズを聴くというのはなかなか不思議な光景ではある。 
撮らせてもらった写真を後で見返しても、フリージャズのレコードとヴィーガン蕎麦が並んでる絵柄は今まで見たことがないものだし。 

 ーー ー 最初からこうしたお店にしようと思われたのでしょうか? 
『自分の好きな音楽をかけるカフェにしようと思ってました』 
『でも、カフェでドリンクだけではたいへんかと思って蕎麦をやることにしました』 
『どうせなら元々興味のあったヴィーガンにしました』 
ーー ー カフェですとパスタやカレーをメニューに加える店が多いですね。 
『カレーそのものはありませんが、カレー蕎麦はあります』 
ーー ー え?  
ー ー ー 確かにカレーうどんはごくポピュラーな食べ物だし、カレー蕎麦があっても不思議ではない (自分は食べたことないけど) 
『新メニューで天婦羅カレー蕎麦もあります』
ーー ー !
ー ー ー 確かに天婦羅(かき揚げ)蕎麦は既にメニューにあるわけだし、そこにカレーを加えるだけでよい。
しかし、カレー屋さんで天婦羅をトッピングしてる客というのは見たことないなぁ。 






マスターはとても気持ちのいい屈託のない方で、物事にあまり制約を設けない(大切なこと以外にはこだわらない)感じなので、こうした自由な発想が出来るのだろう。 
独創的な発想というか、もはや発明の域のように思える。 

お店のSNSを見てると、イベント等では臨時に “長浜ラーメン”、さらには“岡山カレーうどん”まで登場するらしい。 ここまで来ると当初感じた不思議なという感覚も薄れてしまう。

真冬や真夏などエアコンが必要な時季以外は店のドアは全開。店の前の歩道とお店が直接繋がっているようになるので、店の中と店の外の境界が無いような不思議な感覚になる。
雨の日ならカウンターで蕎麦を食べながら雨粒を“生”で見れるし。 
店の前は井の頭通り(今も延々と工事中)。車の往来の音や生活音も聞こえて来るけど、それもこの店の在り方の自由さによく合ってると思った。




営業日などはお店のインスタグラムを参照。
カフェなのでもちろんドリンクのみでもOK。