他の誰でもない、あなたが叫んでいるのを、

私は知っていた、見ていた、聞いていた、

けど

 

何を叫んでいるのか、さっぱりだった

くるしいの、うれしいの、かなしいの、どうしようもないの、

 

これ以上は出せないくらい張り上げた声で

私は唄うことにした、目隠しをキツクした

目の前はまっくらで、あなたの声はきこえなくなった

 

安心した

 

叫ぶあなたに、これで近寄らなくて済む

苦しみも、喜びも、悲しみも、私には重すぎて背負えないから

見て見ぬふり、

 

ああだけど、それでも、私が知っている事実だけはどうにもならない

 

苦しかったの、嬉しかったの、悲しかったの、どうしたの、

 

 

ふと、唄うのをやめて、目隠しをはずした

 

あなたの声はしなくなっていた

 



これも初めから、知っていた事実だけれど、

 

 

私は鏡の前に立っていた

 

 

目を逸らしたかったの、たくさんの重いものから

 

唄うのをやめて、鏡を見たとき、私の顔は、私は、