言えなかった言葉は砂
口の中にいつも砂
きみは空に吐き出した
口には到底入りきらない砂を空に
だからあんなにも空はざらついて
言えなかった言葉は砂
降る雨は誰かの悪意 誰かの願い 誰かの慕情
言えなかった言葉は砂
降る雨はかつてのきみ
だから私は時々雨のなかを傘もささずに歩くのだ
きみの言えなかった悪意も願いも慕情も吸い取ってみたくて
雨のなか出来る限り舌を伸ばすのだ
それでも雨の味は分からなかった
きみの気持ちなんて なおさらだ
言えなかった言葉は砂
空はざらついている
私は空を舐めるふりをする
ふりをする
本当は空がざらついているなんて私の妄想なのだ
きみの気持ちを知れないか
砂を空に隠したのは私だ