日暮し三昧

日暮し三昧

趣味の山登りや歴史探訪、好きなジャズの話題を中心に発信したいと思います。

 晩秋の令和7年10月26日壱岐島は遠いことから見合わせていたが磯田道史の「英雄たちの選択」で島が紹介され居ても立っても居られなくなってしまった。

 ここは弥生の遺跡や保存状態の良い古墳が残る島として古代史・古墳マニアにはたまらない場所である。(ウキウキ!)

 

    壱岐島地図

 

 26日の午後15:30発で予約をしておいた博多港~郷ノ浦港のジェットフォイル(往復13,170円)で玄界灘に浮かぶ壱岐島へ向かった。

 

               浮かぶジェットフォイル

 

高速船(時速70km)なのか76kmの距離を約75分で郷ノ浦港へ着くが振動が少なく以外と静かである。

 

【郷ノ浦港】

 16:40に港へ着くとレンタカー会社の人が待っててくれて早速前払いで翌日の5000円を済ませ宿に向かった。島ならではのサービスである。

 

 宿は良く調べないで取ったので安いが不便なところにありサービスもダメだった。あとで調べたら港の近くにいくらでも安くて良いホテルがあった。(焦りは禁物!)

 

 

【原の辻遺跡】

 翌日27日は肌寒いが快晴で8時に宿を出発して東へ8.8kmのところにある弥生の「原の辻遺跡」に着いた。

 範囲100haにもなる広大な多重環濠集落で歩いて回るのにもかなりの時間を要する。

 

   遺跡上空から

 

   遺跡遠景

 

 

   物見櫓

 

   食材倉庫

 

 入り口駐車場のある所には遺跡の案内をする「原の辻ガイダンス施設」があり出土した土器や副葬品が展示され遺跡を巡る前にはここを覗いてからゆこう。(案内用パンフあり)

 

     入口駐車場の案内看板

 

 

 この原の辻遺跡は弥生時代の魏志倭人伝の一支国(いきこく)の中心地として中国大陸からの交易の島の船着き場として栄えた遺跡である。

 

 

                 ガイダンス施設展示物

 

 

 

 

Q1:  弥生遺跡が保存状態が保たれたまま残された理由とは?

 

① 4世紀の古墳時代ヤマト朝廷の頃となると交易ルートが博多から一支国を経由しないで対馬経由に変わった。

 

②千5百年近くも開発から取り残されて一支国の弥生遺跡は自然に保たれた。

 


 

【壱岐市立一支国博物館】

 

 もう一つ紹介したいのは原の辻遺跡の出土品が本格的に展示されている「壱岐市立一支国博物館」が隣接しているので是非立ち寄ってほしい。

 しかし今日は月曜で休館日だったので代わりにネット情報から案内します。

 

           壱岐市立一支国博物館

 

           展示された土器類

 

   

   船着き場の日常

 

    船着き場

 

     人面石

 国内唯一の人面石(凝灰岩)も展示されていて偶像崇拝の祭器として使用されたものか?

 

 このような原の辻遺跡の歴史や復元模型をはじめとして多くの出土品が展示されているので必見の価値あり。

 

 

【壱岐古墳群】

 原の辻遺跡を見終わって9時20分頃には次の壱岐古墳群まで北東へ8kmほど11分ぐらいで着いた。

 

        壱岐古墳群地図

 

 島の中央部に位置する壱岐古墳群は日本遺産に認定された鬼の窟(いわや)古墳、兵瀬(ひょうぜ)古墳、双六(そうろく)古墳、掛木(かけぎ)古墳、笹塚古墳の5古墳が該当する。

 

 壱岐の古墳は全体では280基もあるそうでとても見切れないので地図にある6古墳は比較的まとまった場所にあるので訪れたい。

 

 この古墳群の地図を見ると全て舗装道路の周辺に古墳があるように見えるがこれは古墳をシンボライズした地図で特に兵瀬古墳と笹塚古墳は要注意で普通では見つかりません。

 

 

【鬼の窟古墳】

 最初に県道172号線沿いの分かりやすい場所にある鬼の窟古墳に着いた。

 

         古墳入り口

 

 

     横穴式石室入り口

 

     玄室内(謎の石仏)

 

 横穴式石室は17mと長崎県最長であり驚いたことに玄室の中だけライトアップされていて謎の小さい石仏が祭ってあった。

 

【兵瀬古墳】

 鬼の窟古墳からすぐのこの古墳はGPSで近くのはずの場所へ着いても民家があるだけで古墳の案内看板もなく見当たらない。

 近くの民家のおばちゃんのお教えでようやく民家の奥にある兵瀬(ひょうぜ)古墳の入り口にたどり着いた。

 

   兵瀬古墳石室

 

 直径54mを誇る九州最大の円墳なのでかなりの有力者のお墓だと考えられているが、これだけ立派な古墳なら案内看板や駐車場も1~2台分くらいは用意しておいてほしい。

 

 

【掛木古墳】

 鬼の窟古墳から西へ県道を走り国道352号線との交差点の亀石を北上して右折すると分かりやすい所に掛木(かけぎ)古墳の案内看板と駐車場が見えてくる。

 

 

   掛木古墳

 

 6世紀後半に造られた円墳で直径30mと推定され、県内唯一のくりぬき式家形石棺が置かれた古墳である。

 

 

     石室入り口

 

 

    くりぬき式家形石棺

 

 

【百合畑古墳群】

 古墳地図では掛木古墳の近くで容易に行けそうであるがスマホのGPSを頼りに何度も道なき道を走り狭くて枝が迫る道を抜けてようやく百合畑(ゆりはた)古墳群の駐車場に辿り着いた。

(20分も要した)

 

 

 

 

     百合畑古墳群の一つ

 

 

                 石室への通路のあるお墓

 

 百合畑古墳群には23基の小規模な古墳が集中していて見る人を楽しませてくれる。

 

 

【笹塚古墳】

 この古墳も地図では百合畑古墳群のすぐ南のように見えるがGPSで巡っても全く分からない。

それもそのはずで古墳の入り口の案内看板や駐車場が全くなかった。

 

 あらためて亀石から県道に出て道沿いの空き地に車を止めて歩いて探すことにした。

 10分ほど歩くと笹塚古墳の案内標識がありさらに行くとようやく右側に笹塚古墳の石室入り口が見つかった。

 

 

   笹塚古墳案内看板

 

 ここは直径40mもの二段構造の円墳で石室からは世界でただ一つの亀形の金属製品が出土しておりそのうち162点が重要文化財に指定されている。(日本遺産)

 

 

    笹塚古墳石室入り口

 

 こんな立派な古墳の案内看板が車では見落としそうな場所にあったり駐車場が全くないのは驚きしかない。折角訪れた人のために是非とも看板や駐車場の設置を願います。

 

 

【双六古墳】

 今日巡る予定の最後は古墳群の一番南にあり全長91mを誇る県下最大の前方後円墳で6世紀に造られたとされる双六(そうろく)古墳ですぐ分かる場所にあった。

 

 

 

           双六古墳案内看板

 

   前方後円墳(奥が前方部)

 

 

   石室内(入口施錠)

 

 久々に見る前方後円墳のあちらこちらに登って姿を確かめたのち石室の入り口で石室内の写真を収めた。(入口で施錠され進入は不可)

 

Q :  壱岐島にはなぜ280基もの古墳が手つかずの状態で残っているのか?

 

①海上交易で栄えた豪族が巨石を使った古墳を築くことで力を見せつけた。

 

②千年以上にわたり開発で大きく荒らされることが少なかったため古墳が良好な状態で残った。

 

③全国では古墳が衰退していくが壱岐では6世紀後半から7世紀前半まで古墳が造られ続けた。

 

 今回の目的でもある古墳の探索を無事終えて満喫したので、午後のジェット船に乗る前に西側にある海岸の名勝を訪ねることにした。

 

【猿 岩】

 双六古墳から西へ車で15分ほどの所にある猿岩へと向かった。海岸線を走ると玄界灘の風とともに風光明媚な磯の景色が続いてのどかで気持ちがよい。

 

 

    猿 岩  

 

  猿岩の駐車場へ着くと家族連れが猿岩手前の岬で戯れる姿が見られる。なるほど猿の姿に見えて面白いが周りは猛烈な風が容赦なく吹き付けている。

 

  折角来たからにはと猿岩の手前の岬まで登ってみた。案の定凄い風ではあるが眼下に広がる白波の押し寄せる海岸はすごい迫力で圧倒される。まことに雄大である!

 

 

   猿岩手前の岬から海岸線を見る

 

 

【芦辺港】

 

 芦辺港へは12時30分頃に着いたが食堂が見つからずグルグル回ってやっと海鮮料理の食べられるお店を見つけた。

 海鮮定食の大を頼みゆっくりとのどかな雰囲気で美味しい刺身を堪能した。

 

 

    芦辺港ジェット船乗り場

 

 芦辺港からのジェットフォイルは13時40分発であったが早めにレンタカーを返して壱岐島をあとにした。

 

【あとがき】

 

 この小さな島に魏志倭人伝に登場する一支国(いきこく)があったという証明となる弥生時代の「原の辻遺跡」と古墳時代に造られた280基もの古墳が残されていて古代史・古墳マニアの自分は大いに感動できました。

 

 弥生遺跡や古墳好きの皆さんがいたら是非、壱岐島まで足を運んでください。博多から行く長崎県の島で少し遠いですが行く価値は充分あります。

 

 やはり行くにはもう少し日程を長くして(2~3泊)、遺跡を巡る時間や古墳を見る時間にも余裕を持って回るべきでした。

 

 さらに壱岐島での新鮮なケンサキイカ、石鯛、牡蠣、ウニや壱岐牛そして壱岐焼酎(麦)をもっと堪能するべきでした。(今後の反省)