こんにちは。じぇいです。
今回は前回の続きです。
(前回: ADHDを強みに変える、実は簡単な方法。)
前回は、ADHDを強みに変えるためには、諦めることが大事だということを書きました。
しかし、どんな諦め方をすべきかはその人が置かれている状況によって変わってきます。
今回はADHDに困っている方に向けて、ADHDに困らなくなり、自信を回復するための方法をお伝えします。まずはADHDに困らないようにならないと、強みどころではないからです。
ADHDが社会の中で生活しつつ、自分なりの生き方をみつけて強みに集中するためには、一定の時間と気力を自分に残す必要があります。今回は、その中でも気力を残すことが中心のお話なります。
さっそく行ってみましょう。
ADHDを抱えていて、一般社会の中で生きていくと、苦しいことが多いです。なぜなら、学校も会社もADHD向けに設計されていないので、ADHDが自分の性質そのままを出して物事を進めようとすると、ミスをする阻害要因がたくさんあるからです。
なので、一般社会で生きていいくためにはどうしても適応する必要が出てきます。ですが、ADHDがこの適応というか、自分なりの生き方を見つけるのは結構難しい。
特に、日本社会には「みんな同じ」「言わなくととも考えろ」「空気読め」的な言葉が存在するように、同質のバックグラウンドを持つ人たちの間で、受信者責任がより問われるコミュニケーションが行われます。そのため、他の人とは内面世界が全く違い、言われないとわからないADHDにとってはハードモードの社会であると思います。
(参考:コミュニケーションの受信者責任について https://at-jinji.jp/blog/12159/ 出典:@人事Online)
この環境下で、ADHDが自分なりに生き方をみつけるのには、結構パワーが要ります。
周りから言われる通り、できないことができるようになるために、頑張っていろんな本を読んだり、やり方を工夫したりして自分を変えようとした方も多いでしょう。
僕もそうでした。いろいろ頑張りましたがそれでも、変わることができずに困り果てていました。
これを読んでくださいっている方々の中にも、疲れはてて自分を責めている方々もいらっしゃると思います。
でもそんな方に一言だけ言わせてください。
自分を責める必要はないんです。
その代わり、ちょっとだけ自分に向ける言葉を変えましょう。
もしあなたが会社や学校で頑張っていても苦しい状態から抜け出せないのなら、まず頑張って自分を変えることを諦めることをオススメします。
自分を変えようとすると、しんどいからです。変えられない自分を責めることになります。自分を変えることは諦めて、環境と道具を変えるようにする。僕は全てはそこから始まると考えています
でも、諦めろと言われても、自分を責めてしまいますよね。そんな方のために、なんで僕らが苦しみ続けるのかについて考えさせてください。
僕なりにその答えを考えていくと、次の3つに集約されると考えています。
1.ワーキングメモリが少なく「普通のことが普通にできない」ために苦しいから
2.周囲に理解されず環境を改善しにくいため、苦しさが持続しやすいから
3.自分のADHDにどう対処すれば良いのかわからず、苦しさの改善努力をしても成果が出にくいから
ネットで情報が溢れている現代、ADHDに関する情報をちょっとでも検索した人なら思い当たるところがある方も多いのではないでしょうか。
特に1.ワーキングメモリが少なく「普通のことが普通にできない」ことの苦しみはある種の絶望感を伴うかもしれません。
ワーキングメモリが少ないということはどういうことか。僕は「脳内の一度に処理できる情報を載せられるテーブルの面積が、他の人より少ないこと」だと思っています。
ここでADHDによるどんな弊害が今まであったのか思い出してください。
・仕事などでケアレスミスをする
・忘れ物、なくし物が多い
・仕事や作業を順序だてて行うことが苦手
・時間管理が苦手(興味のあることには集中しすぎてしまい切り替えが難しい)
メジャーなのはこんなところかと思います。
こんな時、具体的にどんなことが頭の中で起こっているか。
まず、僕らは”やりたい!”と思ったら最後、衝動的に行動してしまう。そして、やりたいと思ったことには熱中し続けます。
そして、やっている途中に”これ本当はやったらダメかも”とか、"あ、そろそろ時間やばいかも"的な思考が頭をよぎりますが、「やばいかも」程度の優先度では集中的に処理される脳のテーブルの真ん中には乗せられません。
真ん中には、優先度MAXのやりたいことがドーンと牛耳っているので、テーブルの隅に一瞬だけ置かれてすぐにどこかへ押し出されてしまうからです。
「これマジでやばい。怒られる」という完全アウトの状況になってからようやく机の真ん中に持ってきて、「やばいやばい」と焦り始める。
やりたいことだけを処理する分のテーブル面積しか脳になくて、本当に痛みを伴う段階にならないと対処できない。
実感を持って、そんな脳になっている気がします。
おそらく、処理するスピード自体は人と変わらないか、もしかしたら早いくらいだと思います。しかし、なかなか処理されない。パソコン用語で言えば、CPUは普通だけどメモリが少ないので処理が偏る感じでしょうか。
つまり、色々考えてはいるけど、欲しい処理結果が得られず、パソコン画面の前の人(=他人)からみたらフリーズしているような状態が多発する、それが僕らADHDの脳だと思います。
一般的な社会生活を送る上では残念な脳です。上の様なミスが続けばどこかで怒られが発生します。それが続くと自分のことが嫌いになり、自分を責める様になるのは普通のことです。
ですが。
「なんでこんなにダメなんだろう」
「なぜ自分だけ周りとこんなに違うんだろう」
「このままではダメだ。なんとかしなきゃ」
「自分は怠けている。他の人より働けていないから、もっと頑張らないとダメだ」
という自分責め思考は、一見前向きで、努力する要因にもなる思考である様に見えますが、精神状態が落ち込んでいる場合は全く役に立ちません。
自分のためにならないどころか、毒です。自分のできないことにしか目が向いていないので、気力がわきません。
自分責めは自分のエネルギーを使って、自分を叩いている状態です。とんでもなく疲れていきます。
社会生活の場で叩かれているのに、更にエネルギーを回復するはずの安全な自宅ですら、自分で自分を消耗させる危険な内面世界になっています。これでは強みどころではありません。
特に、自分のことを無意味(と感じるくらい)に叩かれる環境下にあり、それを「あの人の期待の裏返し」などと周囲から好意的な意味付けをする様に促されされている場合だと最悪です。自己肯定感を下げる要因にしかなりません。
そうでなくて、「やれないことはやれないでしょうがない。その代わり、自分にできることはなんだろう。」と、できることに焦点をあてて考えることが大事になるのですが、最初はなかなかそうも考えられません。
自分のことを長く責めている時はある種、一定の洗脳状態にあるとも言えると思います。自分の悪いところを探してばかりの状態は習慣性がありますが、ここから抜けださないとラクにはなれません。
では、どうするか。
実は、結構かんたんです。
自分を客観視することができればいいんです。毎日、30秒でも良いので、自分のよいところを見てあげることを続けると、自信が回復できます。
客観視するために良い方法は人の認知タイプによっていろいろあるのでまた紹介したいと思いますが、僕はその日に自分がやったことをポケット手帳に書いて行くこと、そして、それを褒めてあげることをやっていました。
こういう方法をとったのは、僕は視覚重視の人間で、紙の上に自分のやった事実を連ねる方法が最も客観視しやすかったためです。
これは一見、無意味にも見えるかもしれませんが、こうすると自分の「できたこと」に目が向きやすくなります。会社で叩かれている時の価値観から離れられる様になり、自分なりの良いところが見つかりやすいです。
これは、自分の自信を回復することが目的なので、人から褒められることでなくても構いません。”怒られたけどじっと我慢できた。でも”嫌だったけど会社に行けた”でも、”嫌だったけど、会社に行こうと思った”でも良いのです。自分軸で全然OK。自分が良いと思ったらそれで良いのです。他人の評価はどちらかというと不要。その方が、自分の自信を回復する目的に対して効率的です。
自分がやったことに対して、
「人から見たらつまらないことかもしれないけど〇〇ができた」
「やりたくないことがあって嫌だったけど、〇〇ができた」
「よくやった」
「よく耐えた」
「えらいぞ、私」
などとこれまで自分が言われて嬉しかった言葉をかけてあげてください。
周りが褒めてくれないなら、自分しか自分を褒めてくれません。こうして、少しずつ自分のできることを認めてあげられる様になると、気力がだんだんと湧く様になり、少しずつ自信が回復してきます。
("効果的な自分の褒め方"については色々あります。これも機会があればまた書きたいと思います。)
自分褒め、一日30秒で良いです。
自分に合った方法で試してみてください。
そうすれば、強みに集中できるようになります。
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いかがでしたでしょうか。
今回はADHDに困っている人が、困らなくなり、気力が残しつつ自信を回復する方法について書きました。
繰り返しになりますが、自分を変えようとして、出来ないことを無理にできるようにするのは諦めて、出来たことに目を向けて自信を回復してください。
次回は「2.周囲に理解されず環境を改善しにくいため、苦しさが持続しやすい」ことをどう諦めるかについて書きます。
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余談ですが、脳内のテーブル面積を広げる唯一の対処療法はコンサータだと思います。僕なりに色んな対処を試しましたが、トレーニングではなんとかなりません。(これも薬というところで抵抗がある方もいますし、実際、試して見るまでは僕もそうでした。コンサータに関しては見方も色々あると思うので、別に書きたいと思います。)