紅白歌合戦のBABYMETAL | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日12月31日は、2020年、NHK紅白歌合戦に初出場した日DEATH。

 


一種の「フェス」であるNHK『紅白歌合戦』は、18歳以下のメンバーの関係で、ジャニーズ系や「アイドル」の多い前半の第1部(19:30~)と、アーティストの多い後半の第2部(21:00~)に分かれている。
今年は、日向坂46「アザトカワイイ」は第1部の5番目、櫻坂46「Nobody‘s fault」は6番目、乃木坂46「Route246」は17番目と坂道3グループが揃い踏みしたが、AKB48は“落選”し、連続出場記録は11回で途切れた。
BABYMETALの出番は、9時のニュースを挟んだ第2部のNiziU「Make you happy」、瑛人「香水」、Perfume「Perfume Medley 2020」に続く4番目(通算25番目)の出場。
紅組はその後、JUJU「やさしさで溢れるように」、LiSA「鬼滅の刃メドレー」、YOASOBI「夜に駆ける」、東京事変「うるうるうるう~能動的閏〆篇~」、あいみょん「裸の心」、Superfly 「愛をこめて花束を」とJ-POPの女性アーティストが続き、石川さゆり「天城越え」、松田聖子「瑠璃色の地球 2020」、松任谷由実「守ってあげたい」と演歌・アイドル・J-POP各ジャンルのチャンピオン級がラインナップされ、大トリはMISIA「アイノカタチ」だった。
先日の『Mステスーパーライブ」(テレビ朝日)では、BABYMETALは5時台のラスト、日向坂46の次だったが、『紅白歌合戦』では、アイドル扱いではなく、「若手アーティスト」という扱いだったわけだ。

<セットリスト>
1.    イジメ、ダメ、ゼッタイ(Short Ver.)
メンバー:SU-METAL、MOAMETAL
アベンジャー:岡崎百々子
神バンド:Leda(G)、BOH(B)、青山秀樹(D)、大村孝佳(G)

3人および神バンドのコスチュームは「普段通り」。スタジオでの無観客ライブだが、パイロが10本近く設置され、それなりに凝った造りになっていた。
登場前の「全米ロックチャートで1位」「結成10年目にして、ここNHKスタジオに来てくれました」等の盛り上げがゴージャスだった。
「イジメ、ダメ、ゼッタイ」は、「♪ルルルールルルー…」というハミングから入り、1番の後、すぐに転調して長調の上昇コード進行になるShort.Ver。
偽闘やギターの超絶ツインソロはなく、わかっていたとはいえ、物足りなさが残った。
SU-の歌はさすが。ピッチの乱れや裏返りもなく、MOAはダンスのキレと「ダメ!」のScreamのKawaiさが際立っていた。岡崎百々子も気合の入った目つきでダイナミックなダンスを見せた。
バックの演奏はあまりにもクリアで、神バンドが実際に演奏していたかどうかわからない。
まあ、こんなものなのだろう。
ビックリしたのは、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」が終わった後、すぐに郷ひろみの「筒美京平トリビュートメドレー」が始まり、「♪君たち女の子Go!Go!ぼくたち男の子Go!Go!」という「アイドル」→「ファンの合いの手」の元祖が披露されたことである。
このブログでは、以前、故・筒美京平が日本のアイドル歌謡曲の父であり、様々な世界の音楽を「融合」する職人芸がBABYMETALにも受け継がれていると書いたのだが、まさにその歴史を見た思いだった。
あいみょんとSuperflyの間には、白組の「特別企画」として、YOSHIKIと海外アーティストのコラボによる「ENDLESS RAIN」が演奏された。
最初にボーカルをとったのはSU-METALで、第1部に出演したmiletやサラ・ブライトマン、ロジャー・テイラー(Queen)が歌い継ぎ、ギターソロはブライアン・メイ(Queen)がとった。
サビの合唱シーンでは、MOAMETALが歌う姿がアップになった。
最初のYOSHIKIのメッセージはクサかったが、いわゆる「紅白ならでは」の感動的シーンだった。

昨年2019年の後半戦の視聴率は37.8%と歴代最低だったが、それでもビデオリサーチ社の「推計全国番組視聴人数」では5800万人、「平均視聴人数」では3800万人が「見た」ことになるという。
今年の視聴率の詳細はまだわからないが、かつて2014年のNHK特番「BABYMETAL現象」や、2016年の「BABYMETAL革命」よりはるかに多い方が、BABYMETALを「見た」わけである。
以前も書いたが、ぼくが普段接している高齢者の方々は、いわゆる「団塊の世代」に属する世代であって、日本の人口比率では一番多い。
彼らは青春時代にはGSやカレッジフォークや70年代歌謡曲に親しんでいた方々である。老人=演歌しか聞かないなんて思い込むのは、かなり時代錯誤的な感覚だ。
ただし、彼らは90年代の小室ブーム・Beingブーム以降のJ-POPには全くなじみがない。
紅組終盤の石川さゆり、松田聖子、松任谷由実まではよく知っているが、MISIAは知らない。現在の「アイドル」については、AKB48、乃木坂46の名前はかろうじて知っているが、欅坂→櫻坂46、日向坂46は全然知らない。もちろん、HR/HMには「うるさい音楽」という印象しかない。X-Japanや聖飢魔Ⅱが凄いのは、そういう彼らでも「ヘビメタ」という一種のパフォーマーとして知られていることだろう。
NHK紅白歌合戦は、基本的にこういう視聴者を対象とした「国民的音楽フェス」なのである。
そこへ「アイドルとメタルの融合」BABYMETALが登場した。
彼らの目に、覆面を被った超絶技巧の神バンドの演奏に乗って、「♪イジメ!」(ダメ!)、「♪キツネ!」(飛べ!)と歌い踊るBABYMETALはどう映ったのか。
年明け、彼らに会ったら聞いてみることにしよう。