キツネ様降臨数(6) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日12月5日は、2016年、Red Hot Chili Peppers UKツアーのSpecial Guestとして、ロンドンThe O2アリーナに出演(初日)した日DEATH。

●2019年…日本14回、海外3か国23回
YUIMETALの不在~脱退をDarksideの外典神話とCHOSEN SEVENで乗り切ったBABYMETAL。
1月1日には、公式サイトに正八面体が宇宙空間を飛翔する画像が掲載された。


だが、次の展開がなかなかアナウンスされず、メイトたちは長いベビメタロスに苦しむことになった。
ようやく情報が出てきたのは2月1日。
2020年は東京オリンピックによるお休みのため、2019年は3日開催となるサマーソニック2019への出演決定が発表された。
その2か月後の4月2日(UK時間ではFOXDAYの4月1日)、喜びは不意にやってきた。2019年中に3rdアルバムがリリースされることと、BABYMETAL AWAKENS THE SUN ALSO RISES@横浜アリーナとBEYOND THE MOON Legend-M-@ポートメッセなごやの開催が発表されたのだ。
AWAKENとは「覚醒する」という意味であり、BABYMETALがDarksideを脱し、いよいよ再び立ち上がるのだという思いが感じられた。年初めてのライブが日本国内で開催されるのは2015年以来であり、メイトたちは歓喜した。
4月11日、『ぴあMUSIC COMPLEX(PMC)Vol.13』が発売され、2018年の状況について、SU-とMOAのインタビューが掲載された。3rdアルバムに関する言及はほとんどなかったが、二人とも、危機を乗り越えたことで、絆がさらに深まったと発言していたのが印象的だった。
4月23日、ロサンゼルスThe Forum公演とAfter Shockへの出演が発表され、「Elevator Girl」の配信が発表された。さらに翌24日には、UK・ロンドンO2アカデミーブリクストン公演が発表され、30日には台湾・超犀利趴10出演も発表された。
矢継ぎ早のスケジュール発表は5月も続き、5月10日、「Elevator Girl」の配信とともに、BABYMETAL史上最長となる全米横断ツアーが発表され、5月29日には、UK最大の音楽フェスであるグラストンベリーフェスへの初出演が発表された。横アリとPMなごやの日程を考えると、とんでもない強行軍である。
この時点で3rdアルバムのタイトルや発売日は未発表だったが、2019年はキツネ様が大攻勢に打って出ることがわかってきた。
いよいよ6月28日。数日前には、配信された新曲「PAPAYA!!」がBD『THE CHOSEN SEVEN』に同梱されて届き、前日にはシングル配信されていた。
ライブ会場の客席に張り出した島舞台には、黒い正八面体が鎮座していた。
オープニング。
全編英語でSU-が語る「紙芝居」のタイトルは「Memory of 2012」。
聖書の『ヨハネの福音書』に擬した「はじめ、Fox GodはBABYMETALを創った。」「キツネ様がTHE ONEあれと言うと、THE ONE があった。」(Jaytc意訳)といったナレーションに続き、壮大なオーケストラの中、かつてのBABYMETALを思わせる三人の少女が花道を進んでくる。
正八面体が真っ赤に燃え上がったかと思うと、少女たちは消え、蝶のようなBABYMETALのロゴがふわりと浮かび上がり、その背面に2012年のサマソニ、Legend”I””D””Z”、2014年ソニスフィア、2016年東京ドームなど、過去の名場面が映し出された。
「…10年の光輝く伝説を残して、BABYMETALはLand of Rising Sunから新たな戦いを始める(同)」というナレーションに続いて、日本武道館黒い夜「召喚の儀」のように、「Vocal and Dance、SU-METAL」「Scream and Dance MOAMETAL」と呼び上げられると、それぞれがスポットライトの中に立っていた。
「紙芝居」は男性の声に代わり、「二人の戦いを支えるため、三人のアベンジャーが参戦する。だが、その日誰が選ばれるかはOnly The Fox God Knows(同)」と告げ、全く知らない曲が始まった。
これが『METAL GALAXY』でも、The Forum・SSA・大阪城でもフィニッシュ曲となった新アンセム「Arkadia」だった。
横アリは、過去と決別し、再生、再出発する舞台だったのだ。
そして、新生BABYMETALが求めた「新三人組」フォーマットの三人目=「アベンジャー」の一番手は、2018年のCHOSEN SEVENのメンバーではなく、元モーニング娘。のエース鞘師里保だった。これがいかに衝撃的かは、このブログの「RIHOMETALへの道」で詳しく述べた。
神バンドはISAO神、BOH神、青山神、Leda神といういつものメンバーだったが、全員黒いコスチュームとドレッドヘアー付きのプレデター風マスクをつけていた。


新曲は「Arkadia」「PAPAYA!!」のほかに、ビデオのみの「FUTURE METAL」、インド風の「Shanti Shanti Shanti」の4曲がドロップされた。
終焉後の「紙芝居」で、3rdアルバム『METAL GALAXY』が10月11日に発売されること、11月にSSAと大阪城ホールでジャパンツアーが行われること、さらに2020年2月3日~3月1日まで、これも長期にわたるヨーロッパツアーが行われることが発表され、最後に2020年10月10日の文字が浮かび上がった。
壮大な『METAL GALAXY』の旅。これが新生BABYMETALのテーマだった。
翌29日の横アリ二日目、二番手の「アベンジャー」は、さくら学院の現「生徒会長」藤平華乃だった。
SU-METALこと中元すず香は2012年度生徒会長、MOAMETALこと菊地最愛は2014年度生徒会長。生徒会長のそろい踏みに、さくら学院以来の父兄メイトは歓喜の声をあげた。
のちに『PMC Vol.15』などのインタビューで明らかになるが、チームベビメタは二日目の終演後に日本を飛び立ち、UKへ向かった。
現地時間6月30日午後、BABYMETALは、初めてGlastonbury Festivalのステージに立った。同行したアベンジャーは海外留学経験のある鞘師里保で、新生BABYMETALの様子は、BBCが全世界に配信した。


現地時間7月2日は、2014年に追加公演を行ったO2アカデミーブリクストンで単独ライブを行った。OAは3月にDownload Japan@幕張メッセで来日したトリプルボーカルのメタルバンド、AMARANTHE。ぼくはこの時、ちゃっかりベビTを着てサイン&握手会に参加していた。それだけのことだけど。(^^♪
帰国したBABYMTALは、7月5日、Legend-M-@ポートメッセなごやに臨んだ。
MOAMETALの20歳の聖誕祭。当たり前と言えば当たり前だが、広島グリーンアリーナで感じた「あと1年半すればMOAも女神様になるのだな」という感慨が、その通りになったわけだ。だが、もしかしたら、6月の横アリはYUIMETAL聖誕祭のために、前から確保していたのかもしれないと思うと、ちょっと寂しい思いもする。
オープニング。
横アリと同じように、正八面体が鎮座していたが、そこから飛び立ったのは、BABYMETALのロゴではなく、それを翼にしたMOA本人だった。
初日のアベンジャーは鞘師里保。二日目のアベンジャーは藤平華乃。
ここまでの構成は横アリと同じだったが、セトリはやや異なっていた。
横アリでは1曲目が「Arkadia」だったが、PMなごやでは「Road of Resistance」だった。
2曲目の「メギツネ」から11曲目の「KARATE」までは共通だが、横アリでは12曲「FUTURE METAL」~13曲目「THE ONE Unfinished Ver.」~14曲目「Road of Resistance」となるところを、PMなごやでは、Legend -M-らしく、12曲目に「ヘドバンギャー!!」が置かれ、MOAが「ヘドバン、ヘドバン」のところで、SU-からマイクを受け取り、「♪ハータチのよーるを忘れはしない~」と歌い、感動を呼んだ。
13曲目に「FUTURE METAL」をはさんで、明転した舞台中央に黒いアコースティックギターが置かれ、MOAが新曲「Shine」のイントロのコードストロークを披露した。


この時の様子は「解題メタル銀河(14)」で詳しくのべたが、広島以来、二人だけで歌い踊るSU-とMOAのステージは、見ていてこみ上げるものがあった。
フィニッシュ曲は新アンセム「Arkadia」で、おぼろげながら『METAL GALAXY』のテーマがわかった気がした。
8月に入ってもBABYMETALの進撃は続く。
8月4日、台湾の超犀利趴10(スーパースリッパ)に出演。この時に初めて登場したのが、岡崎百々子だった。
これでアベンジャー三人が出そろったことになる。
8月16-17日はサマーソニック2019に出演。舞洲・幕張ともアベンジャーは鞘師里保が務めた。幕張では二日目のマウンテンステージのトリという位置で、「前々前世はこっちじゃないぞ」という「紙芝居」に盛り上がっていた。
9月。いよいよBABYMETAL史上最長の「全米横断ツアー」が始まった。
それまでは東海岸、中西部、西海岸と、アメリカの一部地域のみ回っていたのが、今年は文字通り広大なアメリカ全土を横断するツアーなので、ぼくが勝手にそう名付けたのだ。
アベンジャーは鞘師里保と岡崎百々子が交代で務めたこと、さらに神バンドが、下手ギターDark Vader(Chris Kelly)神、ベースImperial Guard(Clint Tustin)神、ドラムスAnthony Barone神、上手ギターShadow Trooper(CJ Masciantonio) 神というGalactic Empire主体のメンバーになっていたことが大きな特徴だった。
9月4日フロリダ州オーランド(鞘師)、9月6日ジョージア州アトランタ(鞘師)、9月8日ワシントンDC(百々子)、9月11日マサチューセッツ州ボストン(百々子)、9月13日ペンシルベニア州フィラデルフィア(百々子)、9月15日ニューヨーク州ニューヨーク(鞘師)、9月18日ミシガン州デトロイト(百々子)、9月20日イリノイ州シカゴ(鞘師)、9月21日ミネソタ州セントポール(百々子)、9月23日ミズーリ州カンザスシティー(鞘師)、9月24日テキサス州ダラス(百々子)、9月27日コロラド州デンバー(鞘師)、9月28日ユタ州ソルトレイクシティ(百々子)、9月30日ネバダ州ラスベガス(鞘師)、10月1日アリゾナ州テンピ(百々子)、10月4日カリフォルニア州サンフランシスコ(鞘師)、10月11日カリフォルニア州ロサンゼルスThe Forum(鞘師&百々子)、10月13日カリフォルニア州サクラメント “Aftershock 2019”(百々子)、 10月15日オレゴン州ポートランド(鞘師)、10月16日ワシントン州シアトル(百々子)
The ForumとAftershock 2019を除いて、これらの会場は平均3,000人ほどの収容人数で、そのほとんどがSold Outした。サンフランシスコ公演までは、ノルウェー出身のシアトリカルメタルバンドAVATARが、ポートランドとシアトルではモンゴル出身のThe HUがOAを務めた。
The Forum公演は、『METAL GALAXY』リリース当日に当たり、日本からもJTBツアーが組まれた。もちろんSold Outであり、「FUTURE METAL」が「紙芝居」代わりになり、初披露の「DADADANCE」から始まり、「PAPAYA!!」「Shanti Shanti Shanti」で盛り上がり、「Shine」「Arkadia」で終わるセトリは、アメリカでもおなじみの「ギミチョコ!!」「メギツネ」「KARATE」といった従来の楽曲に新たな魅力を付け加え、観客を熱狂させた。


同時刻に日本で行われたライブ・ビューイングは、台風19号のため、東海、関東、東北の一部では中止となり、11月12日にディレイ・ビューイングが行われた。
10月21日、『METAL GALAXY』のビルボード200のランキングが発表された。
「全米横断ツアー」のライブチケットには、CDが付属するということだったので、入場者数約7万人を計算に入れると全米1位も夢じゃないとぼくは考えていたが、ライブ客のCD送付手続き率が低かったためか、13位という結果だった。それでも『BABYMETAL』の187位、『Metal Resistance』の39位から大幅アップであり、56年ぶりに坂本九の記録を更新する大躍進だった。
そして、11月15-16日、『METAL GALAXY』リリース以降初のライブがさいたまスーパーアリーナで行われた。アベンジャーは岡崎百々子だった。
セトリは、「ギミチョコ!!」「メギツネ」「Distortion」などの順番が変わり、「Elevator Girl」が日本語版になったこと、「Kagerou」で神バンドのソロがなかったこと、「ヘドバンギャー!!!」が省かれていたことが大きな違いだったが、アンコールで「Shine」から「Arkadia」で締める構成は、やはり感動的だった。


11月20-21日は、大阪城ホールで同じセトリのライブが行われたが、ここでは鞘師里保がアベンジャーを務めた。
さて、ここまでがすでに終了したライブだが、2019年には12月16-17日は、THE ONE限定のApocrypha Another Galaxy @Zepp Divercityが行われ、12月27日には、『ミュージックステーションウルトラSUPERLIVE』@幕張メッセイベントホールに出演する。これは2016年以来の地上波放送となる(テレビ朝日)。
さらに翌28日には、Countdown Japan 19/20@幕張メッセ1-11ホールにも出演する。
これで、2019年、キツネ様は日本国内で14回、海外はUK、台湾、アメリカの3か国23回降臨することになる。ヘッドライナー予定だった香港のClockenflapフェスは、残念ながら中止になってしまったが、合計では2015年の41回、2017年の39回に次ぐ37回だし、うち23回は、海外では過去最多の降臨数である。
ちなみに2020年は、すでに6月までで国内2回、海外26回合計28回の公演が決まっている。夏以降のスケジュールは決まっていないので、おそらく過去最多の公演数、いや降臨数となるだろう。
2018年に危機に瀕したかに見えたBABYMETAL=キツネ様の「世界征服」の夢は、より強く、よりはるか遠くの地平を目指して、再び始まっている。

<キツネ様降臨数まとめ>
2010年…日本2回
2011年…日本9回
2012年…日本22回、海外1回=23回
2013年…日本29回、海外2か国計3回=32回
2014年…日本16回、海外6か国計14回=30回
2015年…日本25回、海外9か国16回=41回
2016年…日本14回、海外7か国21回=35回
2017年…日本21回、海外2か国18回=39回
2018年…日本5回、海外7か国18回=23回
2019年…日本14回、海外3か国23回=37回
(この項終わり)