★今日のベビメタ
本日5月14日は、2015年シカゴ公演@House of Bluesが行われ、2016年にはNorthern Invasionフェスに出演した日DEATH。
THE ONE限定Blu-Ray『METAL RESISTANCE EPISODE Ⅶ-APOCRYPHA-THE CHOSEN SEVEN』の発売が決定しました。Download UK 2018と、Darknight Carnivalの模様に、ニューアルバム収録曲が1曲含まれたCDが1枚付属し、¥8500+税とのこと。詳細は
http://www.babymetal.com/jp/news/?id=68
<2003年>
アニメ73作、特撮5作、合計78番組中、以下22曲(28.2%)がメタル主題歌。
『爆転シュート ベイブレードGレボリューション』
https://www.youtube.com/watch?v=qKlPkLKiHDg
『出撃!マシンロボレスキュー』
https://www.youtube.com/watch?v=c7H3cdiISm8
『超ロボット生命体トランスフォーマー マイクロン伝説』
https://www.youtube.com/watch?v=7JGFuniPf48
『クラッシュギアNitro』→ブラス入りだけど、メタル。
https://www.youtube.com/watch?v=aMLaJ-7wPAA
『D・N・ANGEL』→ちょっとあまいけど。
https://www.youtube.com/watch?v=FKgNPqojzlM
『魔探偵ロキ RAGNAROK』→8ビート+アコースティック=プログレメタル
https://www.youtube.com/watch?v=Kd5RGHN0QtI
『無限戦記ポトリス』
https://www.youtube.com/watch?v=T58CbPn7slA
『アストロボーイ・鉄腕アトム』→とうとう8ビートになった。
https://www.youtube.com/watch?v=YbYmyrWnIzc
『金色のガッシュベル!!』
https://www.youtube.com/watch?v=8I45R7L-arc
『ソニックX』→パンキッシュだけど。
https://www.youtube.com/watch?v=4lyetnZYbcI
『FIRESTORM』
https://www.youtube.com/watch?v=RTb8N5ouck4
『コロッケ!』
https://www.youtube.com/watch?v=Ck8dUv9qLmk
『最遊記RELOAD』→16ビート+ラップ+ヘヴィリフでニューメタル。
https://www.youtube.com/watch?v=OdGIcEin4M4
『ロックマンエグゼAXESS』
https://www.youtube.com/watch?v=7FEhpNk1b3I
『F-ZERO』 ファルコン伝説
https://www.youtube.com/watch?v=h_SxVtf6Nk0
特撮『爆竜戦隊アバレンジャー』
https://www.youtube.com/watch?v=u09RHl0uDHQ
『らいむいろ戦奇譚』(深夜)→和風+メロスピ
https://www.youtube.com/watch?v=NFbOmMo1ZWQ
『.hack//黄昏の腕輪伝説』(深夜)→by ROUND TABLE featuring Nino
https://www.youtube.com/watch?v=7rjCoDFSuaU
『エアマスター』(深夜)→最強女子高生にふさわしい。
https://www.youtube.com/watch?v=qvWOkpJtERw
『ダイバージェンス・イヴ』(深夜)→16ビート+ヘヴィリフ=インダストリアル
https://www.youtube.com/watch?v=mDRDqTDtYVo
『グリーングリーン』(深夜)→パンキッシュだけど。
https://www.youtube.com/watch?v=kJg7iB2ErSI
『PEACE MAKER鐵』(深夜)→ニューメタル。
https://www.youtube.com/watch?v=klEv4JAdf-o
この年の特徴としては、16ビートの打ち込みやラップ入り、あるいはフュージョン風なのに、へヴィなディストーションの利いたギターのリフを合わせる、「ニューメタル」的な楽曲も多かったこと。例えば、『E'S OTHERWISE』や、『冒険遊記プラスターワールド』、『MOUSE』などがそれで、特撮の『仮面ライダー555』はISSAの歌なのに、メタルっぽく、『超星神グランセイザー』もそうした音像だった。
大ヒットした『鋼の錬金術師』第一作のOPも歌・メロディはポップだが、リフやアレンジはメタルに近い。
また、かつてはメタルの宝庫だった深夜帯のアニメが、プライムタイムのものより「メタル性」が薄かったこともあげられる。「大人向け」はジャズやフュージョン、ディスコ、R&B(『Licensed by Royal』byビリー・プレストン)、ダンスポップ(『DEAR BOYS』ヒップホップ、『LAST EXILE』トランス)、シティポップ(『STRATOS 4』『WOLF'S RAIN』)、60年代風(『ワンダバスタイル』byかまやつひろし)、フォーク調(『無人惑星サヴァイヴ』by Kiroro)、70年代プログレ風(『真月譚 月姫』『ガングレイヴ』)にするなど、単純にカッコいい=子どもっぽいメタルを避けるという傾向がみられた。
<2004年>
アニメ90作、特撮9作合計99番組中、メタルと呼べる主題歌は以下の26曲(26.3%)。
『B-伝説! バトルビーダマン』→アコースティックギターと8ビートのHR。
https://www.youtube.com/watch?v=DxkgDcezm0U
『SDガンダムフォース』→16ビートっぽいが音像はメタル。
https://www.youtube.com/watch?v=3NA6MuHJz_E
『トランスフォーマー スーパーリンク』→リズムが16ビート化してきた。
https://www.youtube.com/watch?v=W2oZ2FwkbSA
『絢爛舞踏祭 ザ・マーズ・デイブレイク』→8ビートロック
https://www.youtube.com/watch?v=XfV8pOs20aU
『パンダーゼット THE ROBONIMATION』」JAMプロジェクト影山ヒロノブ
https://www.youtube.com/watch?v=owHtdyhmAeE
『頭文字D Fourth Stage』→シンセストリングスは響くが、かなり重いメタルになった。
https://www.youtube.com/watch?v=fZIDWiDZClk
『デュエル・マスターズ チャージ』→パワーメタル。
https://www.youtube.com/watch?v=tH_CtcBxwu0
『SAMURAI 7』→ボーカルがややアイドルっぽい。
https://www.youtube.com/watch?v=TrccvQSqAV8
『陰陽大戦記』→パンク臭いがメタルに近い。byサザーランド
https://www.youtube.com/watch?v=nFWQUWJCtzU
『ビューティフル ジョー』→メタル+ラップ=ニューメタル。
https://www.youtube.com/watch?v=sS8hxh4b4mE
『流星戦隊ムスメット』→困ったことにメタル。歌はアイドルソングだけど。
https://www.youtube.com/watch?v=Qf0B7q8GH1U
『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』→メタル+ロックンロール~スカ
https://www.youtube.com/watch?v=fRaKT2huOmo
『MAJOR(第1期)』→byロードオブメジャー。メロディ、リズムはポジパンかも。
https://www.youtube.com/watch?v=EKq0QdvBJJo
『ケータイ刑事 銭形泪』(特撮)→確かにシンフォニックメタルなんだよな。
https://www.youtube.com/watch?v=hllxXxiXL8I
『特捜戦隊デカレンジャー』(特撮)→メロスピ。
https://www.youtube.com/watch?v=USDeQpRRF7o
『ウルトラマンネクサス』→主題歌「英雄」はアコースティック+メタル→カッコいいぞ
https://www.youtube.com/watch?v=48t73GkPjdI
『幻星神ジャスティライザー』(特撮)by中島満雄
https://www.youtube.com/watch?v=J96XKTE8FCg
『MEZZO -メゾ-』(深夜)→BARNABYS。これもハードコアっぽい。
https://www.youtube.com/watch?v=WJ_NlfZ8Gac
『超重神グラヴィオンZwei』(深夜)→シンセ~ヘヴィギター~ブラス&ストリングス。
https://www.youtube.com/watch?v=LlFi-eZcdpo
『最遊記RELOAD GUNLOCK』(深夜)→5拍子~8ビートへの切り替えがカッコいい。
https://www.youtube.com/watch?v=2ixHHlrTyvU
『キン肉マンII世 ULTIMATE MUSCLE』(深夜)→メタルロックンロール
https://www.youtube.com/watch?v=vCviJ_X9OpM
『GANTZ(第1期/2期)』(深夜)→ラップ+メタル→メタルコア。
https://www.youtube.com/watch?v=JJYLBzBh4ZI
『お伽草子』(深夜)→ハードコア~インダストリアルメタル。
https://www.youtube.com/watch?v=_KSYhmIW7p8
『サムライガン』(深夜)8ビートR&Bからメタルへ展開
https://www.youtube.com/watch?v=rV2VxDnQoZs
『tactics』(深夜)→笙~メタルイントロ~16ビート~メタル
https://www.youtube.com/watch?v=jpEhbCZe2i0
『BECK』(深夜)→「HIT IN THE USA」by BEAT CRUSADERS。ラモーンズ風。
そりゃバンドの話だから。パンクだけどね。
https://www.youtube.com/watch?v=p1URzwlqOL0
次の4曲は判断に迷う。ディストーションギターのリフで音像はメタルなのだが、リズムは16ビートに近く、曲調が明るすぎ、歌もアイドルソングっぽいのだ。
『今日から(マ)王!(第1期)』→メタルというよりポジティブパンク
https://www.youtube.com/watch?v=VAvtE1vivmc
『ゆめりあ』(深夜)→イントロはメタルだけど、歌はアイドルポップ。
https://www.youtube.com/watch?v=C_5gmPeNQcA
RAGNAROK THE ANIMATION(深夜)→メタルの音像だが、後半は16ビートのポップスになってしまう。
https://www.youtube.com/watch?v=x28y-nNuyPg
グレネーダー 〜ほほえみの閃士〜(深夜)→イントロ、バック演奏はポジティブパンクだが、歌は完全にアイドルソング。
https://www.youtube.com/watch?v=4eWhm9i5t-s
同じように、明らかに16ビートのダンスミュージックあるいは偽8ビート裏拍なのに、ヘヴィなギターのリフが前面に出ている主題歌が多いのだ。
『GIRLSブラボー』(深夜)、『ニニンがシノブ伝』(深夜)、『うた∽かた』(深夜)、『吟遊黙示録マイネリーベ』、『W〜ウィッシュ〜』(深夜)などがそれ。また、明らかに8ビートなんだけど、曲調が明るすぎて、ギターリフがおとなしく、決定的には歌詞や歌い方が、希望に満ちたアイドルソングという主題歌も多かった。『冒険王ビィト』、『BLEACH』、『ブラック・ジャック』、『この醜くも美しい世界』(深夜)、『ギャラクシーエンジェル』(第4期)、『ジパング』(深夜)などがそれ。
要するに、16ビートでも、アイドルソングでも、ヘヴィなギターリフはもはや欠かせない楽器になっているということだろう。
この年も、アニメ・特撮ドラマの主題歌は16ビートのダンスポップ調、安室風(『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』、『エコエコアザラク~眼~』、『神無月の巫女』、『魔法少女リリカルなのは』、『リングにかけろ1』など)、TM-Revolution風(『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』=本人)そして16ビートのシティポップ、アイドルソングが圧倒的に多い。
ただ、「カッコよさ」を表現するのに、サンプリングやラップ、ヒップホップを導入するケースも多かった。『妄想代理人』(小室サウンド+サンプリング)、『ふたりはプリキュア』(渚のシンドバッド+サンプリング)、『天上天下』(深夜、「Bomb A Head」by m.c.A.T)、『爆裂天使』(深夜)、『サムライチャンプルー』、『砂ぼうず』(深夜)などがそれである。
メタルとヒップホップが「カッコよさ」を巡って戦っている感じもある。
それとは一線を画し、クラシック、エスニック、和風といった古典を効果的に使うという路線では、教会音楽を使って、宗教的・哲学的なテーマを表現しているアニメもあった。
『エルフェンリート』のテーマ曲「Lilium」のラテン語歌詞「Kyrie Eleison」(キリエ、エレイソン=主よ憐み給え)は、角を持つ新人類の少女と主人公=旧人類の相克というアニメのテーマそのものを表現しているし、『MONSTER』(深夜)も、聖歌のイントロからアンビエントなシンセのメロディが悲愴なストーリーと連動していた。
21世紀に入って、アニメ・特撮ドラマの主題歌も、ミクスチャーが進み、音楽的にも高度なレベルに達していることがわかった。
当ブログで、もっとも長い連載となってしまった「ヘヴィメタルへの道」。
1954年から2004年まで、のべ850番組の主題歌を調べた。
調査は2004年で一応終了。睡眠不足や体調不良を抱えていても、自宅に居ながらにしてこういうことができるのは、インターネットやYouTubeのおかげだ。
1983年の『銀河漂流バイファム』と『超時空世紀オーガス』が、ブラスもストリングスも入らない初めての真正メタル主題歌で、1980年代後半から1990年代前半にかけて、年に数曲、真正メタルの主題歌が採用されるようになった。
そして、1994年以降はアニメの制作本数が飛躍的に増えたにも関わらず3割程度の主題歌がメタルとなり、中にはインディーズのV系バンドや海外の著名メタルアーティストが主題歌を担当したケースもあった。
バブル期からミレニアムにかけて、フュージョン、シティポップ、小室サウンド、R&B系ダンスポップ、「アイドル」ソングといった表拍の16ビート音楽が日本に定着した。
1950年代から、流行音楽を取り入れるのが子ども向け番組の主題歌の常道だった。
だから、こうした16ビートの主題歌が多かったのも事実である。
だが一方で、「ヘビメタブーム」終了後も、8ビートの激しいメタル音楽は、アニメ・特撮主題歌を通じてお茶の間に流れており、それを聴いた子どもたちは、メタル=「カッコいい」という価値観を育んだ。それはメタルが単なる流行音楽ではなく、その様式でしか表現できない「カッコよさ」を持っている証でもある。
確かにダンサブルで都会的な16ビートは、現在でも日本の大衆音楽の主流である。
だが、BABYMETAL登場前でも、子どもたちの聴く音楽の3割近くはメタルだったのだ。
こういう土壌があったからこそ、「アイドルとメタルの融合」をコンセプトにしたBABYMETALの登場が、幅広い年齢層に受容されたのだと思う。
アニメタルやJAMプロジェクトは、アニメファンとメタルファンの架け橋となった。
SU-METALのこれまで唯一のソロ活動が、2013年11月4日のJAMメタルプロジェクトin松戸出演だった。ここでSU-METALは、「タッチ」(1985年『タッチ』)、「ゆずれない願い」(1994年『魔法騎士レイアース』)、「Cat‘s Eye」(1983年『キャッツアイ』)の3曲を熱唱した。
https://www.youtube.com/watch?v=IXf8g4jTEAs
なお、それよりはるか前、1974年10月に始まった『スーパーロボットマッハバロン』の主題歌「マッハバロン」は、作曲・編曲井上忠夫/歌すぎうらよしひろだったが、ブラスもティンパニーもストリングスもないHR色の強いロックンロールだった。フィンガー5の玉元晃や甲本ヒロト、ROLLYのカバーバージョンがある。見落としていたのをご指摘いただいたhisnosip-metalさん、ありがとうございました。
50年にわたって、子ども向けアニメ・特撮ドラマ主題歌の「メタル性」を検証したことによって、日本人のメタル親和性は、思った以上に高いことがわかった。メタルの音像に慣れ親しんだリスナーは多数派ではないが、卑下するほど希少種でもない。
子どもの頃に「カッコイイ」と思った音楽は、年をとってもカッコイイ。BABYMETALの音楽を聴いて「カッコイイ」と思ったファン層は、名前に”メタル”を冠しているBABYMETALから離れはしない。
6月から国内ライブが始まり、8月は台湾とサマソニ。9月からは初めてとなる全米横断ツアーが始まる。ここまでツアーが本格的なのだから、3rdアルバムのリリースはおそらくツアーの直前、9月初頭なのだろう。
故郷である日本のファンは決して「メタル離れ」などしない。安心して世界と戦ってほしい。
行け、BABYMETAL。戦え、BABYMETAL。
ぼくはいつでも、BABYMETALの味方です。
(この項、終わり)