ヘヴィメタルへの道(15) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ
本日5月8日は、2014年、World Tour 2014 Trailer公開。初ワールドツアーの日程が発表され、2016年には、米ノースカロライナ州Charlotte Speedway で行われたCarolina Rebellionに出演し、2017年には、フィルムフェスツアー名古屋@ミッドランドスクエアシネマがスタート。そして2018年、「Distortion」MVがいきなり公開され、ミズーリ州カンサスシティ@Uptown TheaterWorld公演が行われたが、YUIMETALの姿がなかった日DEATH。

<1996年>
調べたのは、ギャグ、ラブコメ・学園青春、探偵ものを除くアニメ23作、特撮ドラマ3作合計26番組中、メタルといえるのは5曲(19.2%)。前年より占有率はガクンと落ちている。
『勇者指令ダグオン』
https://www.youtube.com/watch?v=BY8Wv7tiPf8
リズムも音像も歌唱もギターもメタルだが、メロディラインとシンセのバッキングがちょっと演歌的に聴こえる。
『地獄先生ぬ〜べ〜』
https://www.youtube.com/watch?v=Yl_SNMdzQOE
ベートーベン風のコーラスがイントロだが、バックは8ビートのメタルである。
『逮捕しちゃうぞ』
https://www.youtube.com/watch?v=0pEtx_cN1tw
クイーンっぽい8ビートのバラード。作編曲は初代イカ天グランドキングのFLYINGKIDS。
『ビーファイター・カブト』
https://www.youtube.com/watch?v=jp0eN3mIkXE
ヘヴィなギターのアームダウン、タッピングのイントロから、裏拍8ビートのヴァンヘイレン風メタルへ。間奏部のソロも弾きまくり。
『ウルトラマンティガ』
https://www.youtube.com/watch?v=_SztaLlTXqk


正確には全拍8ビート=16ビートだが、ヘヴィメタルでいい。作詞作曲、演奏はマイケル・ジャクソンのバックも務めたアメリカの女性超絶ギタリストジェニファー・バトンなのだから。歌はジャニーズ事務所のV6。初代『ウルトラマン』から30年。やってくれましたよ、円谷プロ。
『爆走兄弟レッツ&ゴー!!(国内編)』の「ウイニングラン」は、山形ユキオの歌で、LAメタルっぽいが、ブラスの入るのが惜しい。
『美少女戦士セーラームーン セーラースターズ』も、「PPPF」付きではあるがLAメタル風8ビート全拍になった。
『激走戦隊カーレンジャー』は、ブラスこそ入るが表拍は感じられず、裏拍8ビートになっている。
このように、アニメ主題歌のメタル楽曲が少なくなり、特撮ドラマがメタル化したのがこの年である。
その一方、表拍を残して16ビートっぽくなった主題歌もある。
『ドラゴンボールGT』、『VS騎士ラムネ&40炎』、『少年サンタの大冒険! 』、『B'T X』、 
『超者ライディーン』がそれである。
さらに表拍を前面に出し、「小室サウンド」に近づいた楽曲もある。
ROMANTIC-MODEの『機動新世紀ガンダムX』はオリコン10位になったし、『スレイヤーズNEXT』はヘヴィなギターを残しつつ16ビートの小室サウンドになっている。『エルフを狩る者たち』(深夜)はディスコ調。
その他は、16ビートのシティポップだが、毛色の変わった主題歌もあった。
アコースティックギターの弾き語りだが、メロディラインやコード進行が不思議ちゃん的で、それまでにない主題歌だったのが『るろうに剣心』の川本真琴「1/2」。
『天空のエスカフローネ』は、BABYMETAL「悪夢の輪舞曲」とも共通する6/8拍子系のリズム。ディストーションはないので、メタルっぽくは全然ない。
『快傑ゾロ』はスパニッシュという新機軸。ポルノグラフィティ「サウダージ」みたいだ。
『魔法少女プリティサミー』はサンバ。エスニックがトレンドだったのか。

<1997年>
SU-METALが生まれた1997年。アニメの制作本数はさらに増える。この年、主題歌を調べたのはアニメ32作、特撮ドラマ3作の合計35番組。
このうち、ダンサブルな16ビート、日本語のアクセントに合わせた和風のメロディ、転調の多い小室サウンドの影響が強い主題歌は以下の7曲(20%)。
『ポケットモンスター』(初代OP)、『少女革命ウテナ』、『スーパーフィッシング グランダー武蔵』(ギターはヘヴィだがリズム・メロディ・転調が小室スタイル)、『HAUNTEDじゃんくしょん』(深夜、歌:仲間由紀恵)、『スレイヤーズTRY』(イントロはスパニッシュだが歌に入ると小室スタイル)、『CLAMP学園探偵団』(打ち込みが小室っぽい)、『マスターモスキートン'99』(アイドルソングっぽいが)、『超魔神英雄伝ワタル』(16ビートのダンス音楽)。
一方、小室サウンドの増殖に対抗するため、「メタル三条件」からシンセブラスだけ許容することにすると、メタル楽曲は9曲(25.7%)で優勢である。ただし、そのうち7曲は深夜アニメだった。
『爆走兄弟レッツ&ゴー!! (WGP編)』
https://www.youtube.com/watch?v=zPINLduJbnQ
影山ヒロノブの歌で、よりLAメタル色が強まっている。
『勇者王ガオガイガー』
https://www.youtube.com/watch?v=mEg-YLJcybU
遠藤正明の出世作。リズム、音像は紛れもなくメタルだが、サビに男声コーラスが入る。
『EAT-MAN』(深夜)
https://www.youtube.com/watch?v=onLED25c0YM


by筋肉少女帯。メタルそのものである。
『MAZE☆爆熱時空』(深夜)
https://www.youtube.com/watch?v=RZ0sdeC9qoM
ブラスのファンファーレから、ツインギターのリフによるイントロ。歌に入ると8ビート裏拍のメタル。歌は本田義博。最後にハイトーンシャウトがある。
『はいぱーぽりす』(深夜)
https://www.youtube.com/watch?v=_lth9xa4elk
イントロからヘヴィなギターのリフ。ブラスやサックスが入るけど、これはメタルの音像である。歌は野沢あや。
『HARELUYA II BØY』(深夜)
https://www.youtube.com/watch?v=l_lw9cNYYAU
ヘヴィギターの咆哮から始まる8ビート裏拍の真正メタル。ブラスも入らない。
『深海伝説MEREMANOID』(深夜) 
https://www.youtube.com/watch?v=7YGPaEpDzTw
リズム、ギターサウンド、編成ともメタル以外の何物でもない。
『ネクスト戦記EHRGEIZ』(深夜)
https://www.youtube.com/watch?v=v_6vW3oxMVk
リズム、ドライブのかかったギターのリフ、歌唱とも真正メタル。歌と演奏は、メタルバンドHUMMING BIRD。
『VIRUS -VIRUS BUSTER SERGE-』(深夜)
https://www.youtube.com/watch?v=2Rtt4MnKJYY
by Dragon Ash。裏拍、音像はメタルだが、歌唱はラップっぽく、ニューメタルである。
この他、『烈火の炎』は8ビートのロックンロールだが、あまりにオーセンティックなのでメタルとはいわない。
『剣風伝奇ベルセルク』(深夜)は裏拍の8ビートだが、音像はパンク~グランジ。
『ドクタースランプ』の最初期OP「あいつは顔デカーイ」はポップなロックンロール、2つ目のOP「HELLO,I LOVE YOU.」はサンプラザ中野によるもので、これもNYパンクっぽいロックンロールだった。
『バトルアスリーテス 大運動会』は、ヘヴィなギターによるイントロや、ビートはメタルだが、歌詞、メロディ、歌唱法はアイドルソングだった。
8ビートに聴こえるが実は16ビートの「偽8ビート裏拍」のリズムはしぶとく、ブラスが入った楽曲も多かった。
ブラス主体のアレンジで16ビートのダンス音楽となった『キューティーハニーF』、やはりブラスが入る『超特急ヒカリアン』、『マッハGoGoGo(第2作)』、『電磁戦隊メガレンジャー』『ビーロボ・カブタック』『ウルトラマンダイナ』などがそれである。
ちなみに、『中華一番! 』は、ビーイング所属の大黒摩季「空」(第1話 - 第18話)、ZARD「息もできない」(第19話 - 第36話)、DEEN「君さえいれば」(第37話 - 第52話)の3曲がOPとなった。この中で、もっともメタル性が高いのはZARDである。
https://www.youtube.com/watch?v=cDlYrWaRfhE


この曲を聴くだけであの時代を思い出して涙してしまう人もいるだろう。坂井泉水の命日は5月27日である。
(つづく)