★今日のベビメタ
本日12月11日は、2016年、Red Hot Chili Peppers UKツアーのSpecial Guestとして、バーミガム、GENTING ARENA(2日目)に出演した日DEATH。
なぜ、シンガポール、Good Thingsフェスの45分のセットリストに、コミカルな「META!メタ太郎」を入れたのだろう。
今年前半に出演したフェス、Rock on the Range、Rock am Ring、Rock im Park、Download UKの7曲の中にはもちろん、USツアー、EUツアーの単独公演11曲のセトリにも「メタ太郎」はなかった。
YUIMETALの脱退が判明し、Chosen 7の「新体制」となった10月のJapanツアー、幕張、神戸では、新曲「Starlight」が入った分、「Tattoo」がなくなったが、いずれにしても「META!メタ太郎」は演奏されなかった。
今年初めて「メタ太郎」が演奏されたのは、Japanツアー半ばの10月28日、Darknight Carnival@SSA、SABATONのヨアキムとGALACTIC EMPIREのダークベイダーを招き入れ、三角ステージの上で共演したときが初めてだった。
それが、シンガポール、Good Thingsフェスは、「In the Name of」ではなく、「メギツネ」始まりとなり、7曲のど真ん中、4曲目に「メタ太郎」が置かれた。
普通、フェスでは、プロモーションのために最新曲がフィーチャーされる。
しかし、今回「Starlight」はセットリストから外れた。そこまでして「メタ太郎」を入れたのはなぜなのか。
―引用―
「META!メタ太郎」(作詞K×B×METAL・RYU-METAL)
メタ太郎 メタ太郎 君はヒーローさー
メタルの ハートで 生まれ変わるのさー
メタ太郎 メタ太郎 Together boys and girls
みんなの ヒーロー META !メタ太郎
(M!E!T!A!)
ずっと昔、もっと昔、遥か彼方
銀河系の澄んだ星で生まれました
時は戦国、勝てば天国、負けっぱなしなぼくらは地獄
そんな日々はここでサラバイ、さあ立ち上がろうよ
Woo Woo Woo Woo…
君に聞こえているか心の声
君に届いているか仲間の声
(ぶっ飛ばせー!メタ太郎!)
―引用終わり―
アルバム「Metal Resistance」リリース直後、SU-は、小学生でもライブで一緒に歌える歌として、この曲が一番好きと公言していた。
ぼくらは、この曲を初めて聴いた時、あまりのコミカルさにぶっとび、「ヴァイキングメタル」に挑戦したのだという説明を読んでも、冗談にしか思えなかった。曲調というかリズムとコード進行は「水戸黄門」(♪人生楽ありゃ苦もあるさ~)であり、そのくせ、メロディが頭にこびりついて、ぼくは通勤途中の駅構内で行進している自分に気づいたほどだった。
2016年のヨーロッパツアーでは、敬礼振りが、「ドイツ語圏ではナチスを思わせるからやめた方がいい」というネットの声もあったが、そんなことはなく、BABYMETALらしいコミカルなヴァイキングメタルとして定着していった。
東京ドーム2日目では、3番目のサビに入る前、「♪Woo Woo Woo Woo…」のシンガロングパートで、SU-が「Sing!」と観客を煽り、5万5千人が大合唱する光景が展開された。
2017年の巨大キツネ祭り@SSAでは、両日とも「メタ太郎」が演奏され、2万人が一糸乱れず敬礼振りをしていた。
その頃、この曲は「♪メタルが響けばぼくらは友達さー」という歌詞に見られる通り、メタルを通じて、あるいはBABYMETALを通じて、世界各地から、老若男女問わず、会場に集まったファンの一体感=THE ONEの心情をテーマにした曲だと解釈されていた。
「メタ太郎」はD#で始まり、シンガロングパートのあと半音上がってEになって終わる。そのEから「THE ONE」のイントロが始まる。そのことからも、ぼくは「メタ太郎」は「THE ONE」をわかりやすく表現した曲だと思っていたのである。
ちなみに「THE ONE」は、Eから始まり、最後はC#で終わる。それをマイナーにしたC#mは「イジメ、ダメ、ゼッタイ」や「メギツネ」登場時のコードである。BABYMETALの楽曲は、ウロボロスのごとく、頭としっぽがつながり、チェーンをなしているのだ。
それはともかく、「メタ太郎」は、メタルの楽しさやメイトの一体感を表現した曲だとぼくは思っていたのである。
しかし、SSA、シンガポール、Good Things3日間のセトリに入った「メタ太郎」には、きっと違う意味がある。それを考え続けていて、ハッとした。
歌詞を見てほしい。
「メタ太郎 メタ太郎 君はヒーローさー」「メタルの ハートで 生まれ変わるのさー」
ヒーローであるメタ太郎とは誰か。
それは、BABYMETAL自身ではないか。
「ずっと昔、もっと昔、遥か彼方」「銀河系の澄んだ星で生まれました」
かつてYUIとMOAが歌っていたこのパートの意味は、メタルギャラクシーの彼方、「澄んだ星」=日本、あるいは純真なアイドルとして生まれたBABYMETALを表しているのではないか。
「時は戦国、勝てば天国、負けっぱなしなぼくらは地獄」
これは「アイドル界」のことだけではない。アーティストは毎日過酷な競争にさらされている。この1年、BABYMETALが置かれた状況は、まさに「負けっぱなし」な「地獄」だったではないか。
だが、BABYMETALは「みんなのヒーロー」である。
デビュー以来、BABYMETALはメタルで世界を一つにするために、メタル界の、ファンたちの希望を担うヒーローだったではないか。
だから、それに気づいたSU-が歌う「そんな日々はここでサラバイ、さあ立ち上がろうよ」とは、BABYMETALが絶望のどん底から立ち上がり、再び前進を始める、その宣言ではないか。
それに観客が答える。
「♪Woo Woo Woo Woo…Woo Woo Woo…」
それは、ステージ上にいるMOA、ダンサーたち、神バンドのメンバーの心にも響く。もちろん観客の心にも。
だからSU-は「君に聞こえているか心の声」「君に届いているか仲間の声」と歌い上げるのだ。
そして、観客は一斉に叫ぶ。
「ぶっ飛ばせー!メタ太郎!」と。
この曲は、SSAからセトリに入った。
YUIMETAL脱退という最大の危機の中で、SABATONとGALACTIC EMPIREを招いた初のベビメタ主催フェスDarknight Carnivalは、BABYMETALの新たな出発の希望を垣間見せるお祭りであり、今年唯一といっていい明るい話題だった。
そこでの「メタ太郎」は、「メタルのパワーで生まれ変わる」BABYMETALの再生を意味していた。
だからこそ、シンガポール、Good Thingsフェスの7曲45分という限られたセットリストの中で、この曲をど真ん中に持ってきたのだ。
Good Thingsに来場した大男のオージーメタラーさんたちは、この曲で、土煙舞い上がる中、ニコニコ笑いながらヴァイキングモッシュに興じた。これこそ、荒くれ男たちによる乱闘に近いモッシュ地獄に対して、楽しいモッシュッシュを提唱する本来のBABYMETALの姿だった。
キツネ様の天敵、戌年の2018年。
苦しみ抜いたBABYMETAL。
だが、「そんな日々はここでサラバイ」と言って、メタルヒーローBABYMETALは立ち上がった。
来年は、きっといい年になるよ。

