★今日のベビメタ
本日11月21日は、過去BABYMETAL関連で大きなイベントのなかった日DEATH。
来月、BABYMETALは、初のオーストラリア大陸でのフェス、Good Thingsフェスティバルに臨むことになるが、YUIMETAL脱退後の「新体制」がオーストラリアの観客にどう映るか、気になるところである。このフェス自体、初めて開かれるフェスなので、会場の大きさや集客、雰囲気なども未知である。
そこで、これまで出演してきたフェスの足跡をたどり、あらためてBABYMETALがフェスでどんな戦いをしてきたのかを確認してみたい。
●東京アイドルフェスティバル(TIF)
2010年8月7-8日、品川ステラボールほかで行われた第1回は、さくら学院としての出演で、まだ重音部BABYMETALは結成されていない。だが、このとき、最年少小学校5年生の水野由結と菊地最愛が「転入」してお披露目された。「アイドル」のアンダーカバー修行が始まったわけだ。
2011年、会場をフジテレビ湾岸スタジオ周辺に移して行われた第2回では、さくら学院は8月27日のフジテレビ本社前 「みちのく合衆国ステージ」に出演した。さくら学院の7曲のセトリの中で、3.帰宅部の「メダカの兄妹」に続いて、4.重音部BABYMETALの「ド・キ・ド・キ☆モーニング」が披露された。
翌日8月28日はフジテレビ湾岸スタジオ内DOLL FACTORYにおいて、重音部BABYMETAL単独で、1.「ド・キ・ド・キ☆モーニング」、2.「イジメ、ダメ、ゼッタイ」が披露された。
この時、SU-は中学校2年生、YUI、MOAは小学校6年生である。この頃から、必ずしも全員がファンとは限らないフェスのアウェイな環境で、観客を魅了するパフォーマンスを行っていたのだ。
2012年の第3回は、SU-METALの最終学年で、8月4日に同じフジテレビ湾岸スタジオ内DOLL FACTORYで、1.「ド・キ・ド・キ☆モーニング」+「いいね!」メドレー、2.「イジメ、ダメ、ゼッタイ」、3.「BABYMETAL DEATH Short Ver.」が初披露された。
2013年の第4回もさくら学院は出演したが、BABYMETALは中元すず香の卒業とともに「課外活動」となっていたため、水野由結、菊地最愛は、田口華とともにクッキング部ミニパティとしての出演だった。
2014年の第5回もさくら学院は出演したが、BABYMETALは、レディ・ガガのサポートアクトとして渡米中で、生徒会長の菊地最愛、パフォーマンス委員長の水野由結は出演できなかった。
●WOMEN'S POWER 20th Anniversary
2012年1月9日、渋谷O-WESTで行われたこのイベントは、アマチュアも含む女性バンド/アーティストのイベントである。
例年3月のひな祭りの時期に行われていたが、この時は20周年ということで「成人式」に行われ、プロのバンド5組が招待された。ラインナップは、SHOW-YA、Aldious、DESTROSE、Be-B(和泉容)、そして BABYMETAL。
セトリは1.ド・キ・ド・キ☆モーニング、2.いいね!、3.イジメ、ダメ、ゼッタイの3曲で、BGMには未発表の「紅月-アカツキ-」が流れていた。Be-B はアコースティックギターだが、「ハードロック流し」とも呼ばれ、マキ&OZの「私は風」を定番曲にしていた。それはトリのSHOW-YAの「私は嵐」と呼応する。つまり70年代HR~80年代HMを経て現代へつながる、日本の女性ロックの歴史を垣間見るようなラインナップだったのだ。
そして、この錚々たる先輩HR/HMバンドに伍し、その歴史を引き継ぐものとしてBABYMETALはステージに立った。
Legend “I” の10か月も前で、2011年度の3学期だからSU-METALは14歳の中学2年生、YUI、MOAは12歳の小学6年生である。その後、BABYMETALが日本を代表するメタルアーティストとなったことを考えると、主催者は相当の目利きだったといえる。
●アジアアニメフェスティバル(AFA)
2012年11月10日。
Legend “I” から1か月、BABYMETALは初めての海外公演となるAFA Singapore 2012 に臨んだ。会場はSingapore Expo Halls 7&8で、収容人員は約3,000人。Legend “I”の渋谷O-EASTが1,300人だから、メンバーにとっては初めて立つ大会場だった。
バックバンドは予算上、海外帯同できなかったので、骨バンドの当てぶりによるカラオケだった。
セットリストは、1.「ド・キ・ド・キ☆モーニング」、2.「いいね!」、3.「ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト」、4.「ヘドバンギャー!!」、5.「イジメ、ダメ、ゼッタイ」の5曲。残っている動画を見ると、後半、メンバーが相当バテているのがわかる。終演後、YUIかMOAのどちらかが倒れてしまったという話もある。
初めての海外で緊張もあったろうし、ステージ幅が40メートル近くあったので、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」の全力疾走で体力を使い果たしてしまったのかもしれない。だが、Legend ”I”が単独公演の原型だとすれば、AFAシンガポール2012はフェス出演の原型となった。
翌年、2013年9月7日は、インドネシア・ジャカルタで行われたAFA Indonesia 2013@Jakarta Convention Center(収容2000人)に出演し、1.「メギツネ」、2.「いいね!」、3.「Catch me if you can」、4.「ド・キ・ド・キ☆モーニング」、5.「ヘドバンギャー!!」、6.「イジメ、ダメ、ゼッタイ」というセトリを披露した。
新曲「メギツネ」を冒頭に持ってきて、フィニッシュ曲「イジメ、ダメ、ゼッタイ」で締めるという構成。これで演奏が神バンドで、オープニングが「BMD」なら、完全に2014年フェス仕様である。
11月9日には、シンガポールのAFA Singapore 2013@サンテック・シンガポール国際会議展示場に出演したが、セトリは1.「メギツネ」、2.「イジメ、ダメ、ゼッタイ」の2曲だけだった。これは12月28日に、初の海外単独公演となるLive in Singaporeを控えていたためである。
日本のアニメやサブカルチャーを紹介するフェスに、日本の「アイドル」が招待されるという流れは現在でもあり、マスコミやファンはそれを海外進出!と言いたがる。
しかし、「アイドル」としてのBABYMETALのAFAへの出演は2年で終わった。それは、神バンドを帯同した本格的なメタルアーティストとして、欧米市場に挑戦することを視野に入れていたためだろう。思えば2011年度のTIF単独出演や2012年1月のWomen's Powerへの出演、2012年サマソニ出演から、「アイドル」を止揚することは、キツネ様の既定路線だったのだ。
(つづく)