戦士のいない国(2) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

May the FOXGOD be with You―

★今日のベビメタ

本日815日は、2015年、サマソニ2015幕張@幕張メッセMountain Stageに出演した日DEATH

 

本日午後3時から、10月のBABYMETAL World Tour in Japan幕張メッセ&神戸ワールド記念ホールのTHE ONEチケット申し込みが始まりました。

今回は、超Mosh’shピット、Mosh’shピットがTHE ONE限定、Mosh’shシート指定席およびMosh’shピット後方エリアが一般向けとなっています。今年最初の国内公演であり、倍率は高くなると思いますが、4公演×4席種がエントリーできるので、なんとかみんな当選するといいDEATHね。

 

73回目の終戦記念日を迎えた。

1945726日、アメリカ合衆国トルーマン大統領、中華民国国民政府蒋介石主席、大英帝国チャーチル首相の連名による『Proclamation Defining Terms for Japanese Surrender』(Wikipedia訳:日本の降伏のための定義および規約)、通称「ポツダム宣言」が発表された。内容は以下の通り。

―引用―

1.我々合衆国大統領、中華民国政府主席、及び英国総理大臣は、我々の数億の国民を代表し協議の上、日本国に対し戦争を終結する機会を与えることで一致した。

23ヶ国の軍隊は増強を受け、日本に最後の打撃を加える用意を既に整えた。この軍事力は、日本国の抵抗が止まるまで、同国に対する戦争を遂行する一切の連合国の決意により支持され且つ鼓舞される。

3.世界の自由な人民に支持されたこの軍事力行使は、ナチス・ドイツに対して適用された場合にドイツとドイツ軍に完全に破壊をもたらしたことが示すように、日本と日本軍が完全に壊滅することを意味する。

4.日本が、無分別な打算により自国を滅亡の淵に追い詰めた軍国主義者の指導を引き続き受けるか、それとも理性の道を歩むかを選ぶべき時が到来したのだ。

5.我々の条件は以下の条文で示すとおりであり、これについては譲歩せず、我々がここから外れることも又ない。執行の遅れは認めない。

6.日本国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた勢力を永久に除去する。無責任な軍国主義が世界から駆逐されるまでは、平和と安全と正義の新秩序も現れ得ないからである。

7.第6条の新秩序が確立され、戦争能力が失われたことが確認される時までは、我々の指示する基本的目的の達成を確保するため、日本国領域内の諸地点は占領されるべきものとする。

8.カイロ宣言の条項は履行されるべきであり、又日本国の主権は本州、北海道、九州及び四国ならびに我々の決定する諸小島に限られなければならない。

9.日本軍は武装解除された後、各自の家庭に帰り平和・生産的に生活出来る機会を与えられる。

10.我々の意志は日本人を民族として奴隷化しまた日本国民を滅亡させようとするものではないが、日本における捕虜虐待を含む一切の戦争犯罪人は処罰されるべきである。日本政府は日本国国民における民主主義的傾向の復活を強化し、これを妨げるあらゆる障碍は排除するべきであり、言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は確立されるべきである。

11.日本は経済復興し、課された賠償の義務を履行するための生産手段、戦争と再軍備に関わらないものが保有出来る。また将来的には国際貿易に復帰が許可される。

12.日本国国民が自由に表明した意志による平和的傾向の責任ある政府の樹立を求める。この項目並びにすでに記載した条件が達成された場合に占領軍は撤退するべきである。

13.我々は日本政府が全日本軍の即時無条件降伏を宣言し、またその行動について日本政府が十分に保障することを求める。これ以外の選択肢は迅速且つ完全なる壊滅があるのみである。

―引用終わり―

この年33日、フィリピン・マニラが米軍に奪還され、310日からは東京、名古屋、大阪、神戸、横浜、静岡、千葉、仙台、宇都宮、北海道、平塚、青森など、7月までに全国60都市が空爆された。連合軍は41日未明に沖縄に上陸し、日本側戦没者188136人(うち県外軍人65908人、県内軍人28228人、民間人94000人)という大きな犠牲のうちに、623日、全島を占領した。

430日、同盟国ナチス・ドイツのヒトラー総統が自殺し、52日にベルリンが陥落した。

86日広島にガンバレル式ウラニウム型、89日長崎にインプロ―ジョン式プルトニウム型原子爆弾が投下され、88日には、ソ連が日ソ不可侵条約を破棄して日本に宣戦布告し、満州と南樺太に侵攻してきた。

日本政府は814日、御前会議にてポツダム宣言受諾を決議して、連合国に通告し、815日、全国民に向けて「終戦の詔」を放送した。

同日、天皇が発した武装解除命令に従って全日本軍は戦闘行為を停止したが、ソ連軍はポツダム宣言の署名国でないことを理由に一方的な攻撃を続け、818日には千島列島の占守島に侵攻した。

92日に日本が東京湾に浮かぶ戦艦ミズーリ上で降伏文書に署名した後の95日になって、ソ連軍はようやく停戦したが、その時点で満州、北朝鮮、千島列島、南樺太は占領されていた。

ソ連軍は満州、北朝鮮に残された57万人以上の日本軍民をシベリアへ強制連行して使役し、5万5千人以上が現地で亡くなった。ソ連崩壊後の1993年、ロシアのエリツィン大統領は訪日した際、ポツダム宣言違反のこの蛮行を謝罪している。

さて、ポツダム宣言は1条から5条までと13条は「これ以上戦争を続けるならぶっ潰すぞ」という脅し文句で、6条から12条までが、戦後の日本の扱いに関する条件である。

これを今読んでどう思うか。

日本の領土は本州、四国、九州、北海道と周辺の諸小島に限られ、一定期間、占領軍が統治する。「日本国民を欺いて世界征服に乗り出す過ちを犯させた軍国主義」を追放し、「平和的な傾向のある政府」を樹立し、「民主主義的傾向の復活」、「言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重」を確立すれば、「戦争と再軍備に関わらない生産手段の保有」と「国際貿易による経済復興」を保証する。そしてこれらが成し遂げられたら占領軍は撤退する…。

これがポツダム宣言の「降伏の定義」である。

19458月、ヨーロッパ最強だったはずの同盟国ドイツはすでに降伏し、日本は沖縄を奪われ、全国の都市が空爆され、広島・長崎には一瞬で数十万人の非戦闘員を殺傷する新型爆弾が落とされて大きな被害を蒙っており、不可侵条約を結んでいたソ連も参戦した。明らかな“負け戦”だった。

もし武装解除されたとしても、ポツダム宣言第10条には、「我々の意志は日本人を民族として奴隷化しまた日本国民を滅亡させようとするものではない」と明記してある。

戦って散った方々には申し訳ないが、これさえ守られるなら、武装解除に応じよう。

これが昭和天皇と、当時の政府の決断だったのだと思う。

ポツダム宣言は「日本の無条件降伏」を定めたものだといわれることがあるが、そうではなく、ここには「戦後の日本国の扱いに関する連合国の約束」と、その条件として「日本軍の即時無条件降伏」が記されているだけだ。

その約束のおかげで、ぼくらは今こうして平和と繁栄を享受している。

日本を守るために戦没した方々と、断腸の思いで終戦を決めた方々に心から感謝したい。

だが、連合国が記したポツダム宣言のうち、肝心の第10条が守られたとはいいがたい。

1945829日、横浜港にポツダム宣言を実行する連合国進駐軍の第一陣となる米兵150名が到着し、翌30日には、厚木飛行場に米陸軍マッカーサー元帥が飛来、連合国による日本の統治が始まった。

連合国総司令部(General Head Quarters)は東京丸の内の第一生命ビルに置かれた。

マッカーサーが連合国最高司令官(SCAPSupreme Commander for the Allied Powers)だっため、以後GHQによる指令はすべてSCAP〇〇号と呼ばれることになる。

占領開始から2週間後の1945915日、朝日新聞に次のような記事が載った。

“正義は力なり”を標榜する米国である以上、原子爆弾の使用や無辜の国民殺傷が病院船攻撃や毒ガス使用以上の国際法違反、戦争犯罪であることを否むことは出来ぬであらう(鳩山一郎談話)。

また、917日には、「求めたい軍の釈明・“比島の暴行”発表へ国民の声」という見出しで、「ほとんど全部の日本人が異口同音にいってゐる事は、かかる暴虐は信じられないといふ言葉である」という記事が載った。フィリピン占領期間中に、日本軍が現地人に対して残虐な行為を行ったという連合軍の発表に対する疑問である。

この2つの記事について、918日、GHQは朝日新聞社に2日間の業務停止命令 (SCAPIN-34)を発した。記事が米軍批判だとされたのである。

「原子爆弾の使用や無辜の国民殺傷」は、ハーグ陸戦条約違反であり、当然戦争犯罪である。

また、当時フィリピンでは、米軍が日本軍のBC級戦犯を探索しており、日本軍の協力者だったことが露見するのを恐れるフィリピン人に密告され、ありもしない罪で死刑宣告された日本人軍民が多数いた。その不条理な史実は『モンテンルパの夜明け』(新井恵美子、光人社NF文庫)に詳しい。つまりこの2つの記事は、真っ当な記事であった。

しかしこれがGHQによる検閲、言論統制の始まりであった。

翌日919日に、SCAPIN-33(最高司令官指令第33)Press Code For Japan(日本に与うる新聞遵則)」が発布された。条文は以下の通り。

―引用―

1.報道は絶対に真実に即すること

2.直接又は間接に公安を害するようなものを掲載してはならない

3.連合国に関し虚偽的又は破壊的批評を加えてはならない

4.連合国進駐軍に関し破壊的に批評したり、又は軍に対し不信又は憤激を招くような記事は一切掲載してはならない

5.連合軍軍隊の動向に関し、公式に発表解禁となるまでその事項を掲載し又は論議してはならない

6.報道記事は事実に即し、筆者の意見は一切加えてはならない

7.報道記事は宣伝目的の色を着けてはならない

8.宣伝の強化拡大のために報道記事中の些細な事項を強調してはならない

9.報道記事は関係事項や細目を省略する事で内容を歪曲してはならない

10.新聞の編輯(編集;引用者註)に当り、何らかの宣伝方針を確立し若しくは発展させる為の目的で、記事を不当に軽く扱ってはならない

―引用終わり―

1678910.といった項目は、ごく当たり前の内容で、むしろ現代のマスコミに守らせたいようなジャーナリズムの基本だ。しかし、2345.の内容はそれとは真逆の「言論統制」そのものである。

さらに、このプレスコードにはより詳細な具体例(カテゴリー)があった。それが、アメリカ国立公文書館分室にある資料番号RG331,Box No.8568A Brief Explanation of the Categories of Deletions and Suppressions, dated 25 November,1946」である。

―引用―

1SCAP(連合国軍最高司令官もしくは総司令部)に対する批判

2.極東国際軍事裁判批判

3GHQが日本国憲法を起草したことの言及と成立での役割の批判

4.検閲制度への言及

5.アメリカ合衆国への批判

6.ロシア(ソ連邦)への批判

7.英国への批判

8.朝鮮人への批判

9.中国への批判

10.その他の連合国への批判

11.連合国一般への批判(国を特定しなくとも)

12.満州における日本人取り扱いについての批判

13.連合国の戦前の政策に対する批判

14.第三次世界大戦への言及

15.冷戦に関する言及

16.戦争擁護の宣伝

17.神国日本の宣伝

18.軍国主義の宣伝

19.ナショナリズムの宣伝

20.大東亜共栄圏の宣伝

21.その他の宣伝

22.戦争犯罪人の正当化および擁護

23.占領軍兵士と日本女性との交渉

24.闇市の状況

25.占領軍軍隊に対する批判

26.飢餓の誇張

27.暴力と不穏の行動の煽動

28.虚偽の報道

29GHQまたは地方軍政部に対する不適切な言及

30.解禁されていない報道の公表

―引用終わり―

あまりに「書いてはならぬこと」が多い。しかもこの内容はどうだろう。

「ポツダム宣言」に明記された「言論の自由」とは、真逆ではないか。

事実に即すること、筆者の意見を交えてはならない、宣伝目的で脚色したり、不当に軽く扱ったりしてはいけない、というのは統制でもなんでもなく、ジャーナリズムの基本だ。

百歩譲って、日本は占領されているのだから、為政者である連合国への批判は許さない、戦前の「軍国主義」の復活は許さないというのも理解できる。

しかし、「2.極東国際軍事裁判批判」「3GHQが日本国憲法を起草したことの言及と成立での役割の批判」「4.検閲制度への言及」「12.満州における日本人取り扱いについての批判」「13.連合国の戦前の政策に対する批判」「23.占領軍兵士と日本女性との交渉」「24.闇市の状況」といった、当時起こっていた占領行政の“暗部”について、一切書いてはならないというのはジャーナリズムへの死刑宣告ではないか。

もし、進駐軍が本当に「正義と平和のための解放者」なら、事実に基づいた批判は受け入れ、改善すべきではないか。それを一切封じてしまうのは、逆に進駐軍の統治の正当性を失わせる。

日本人が事実を事実として報じ、自分の頭で考えた意見を述べることを禁じたプレスコードこそ、ポツダム宣言の「日本人を民族として奴隷化しまた日本国民を滅亡させようとするものではない」という条項を反故にするものであった。

にもかかわらず、2日間の業務停止命令に震え上がった朝日新聞は、それ以降このプレスコードに従順に従うことを方針化する。

1952年に日本がサンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約に調印して独立を回復したのちも、朝日新聞をはじめとするマスコミ各社はこのプレスコードを見直そうとはしなかった。

だから、2000年に森首相「神の国」発言騒動が起こったのだ。

現在でもなお、「2.極東国際軍事裁判」、「3GHQが日本国憲法を起草したこと」「4.(朝日新聞がGHQに受けた)検閲制度」「5.アメリカ合衆国への批判」「6.ロシア(ソ連邦)への批判)7.英国への批判」「8.朝鮮人への批判」「9.中国への批判」「12.満州における日本人取り扱いについての批判」「13.連合国の戦前の政策に対する批判」「19.ナショナリズム」「20.大東亜共栄圏」「22.戦争犯罪人の正当化および擁護」について真正面から取り上げるマスコミは少なく、タブーのような雰囲気が残っている。

しかし、これらのことを事実に基づいて議論しなければ、あの戦争が何であったのか、なぜ日本人は戦わざるを得なかったのかといった、本当に日本人が総括すべき地平に到達できないのではないか。憲法9条の議論の前に、あの戦争について、ぼくらはプレスコードによって、議論を封じられてきたのだという事実を確認しなければならない。

(つづく)