厳島神社とキツネ様 | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

本日11月30日は、2013年、SKULLMANNIA@新木場Studio Coastに出演した日DEATH。

 

2018年5月18~20日、Rock on the Range 2018@オハイオ州・コロンバスへの出演、さらにRichard さんが言っていたとおり、2018年6月8~10日は、ダウンロードフェス2018@レスター州ドニントンパークに出演することが決定しました。

おそらくこの前後には単独ライブも行われるはずで、5月アメリカ、6月イギリスというワールドツアー2018の枠組みがおぼろげながら見えてきましたね。

 

さくら学院時代、タワレコでのトークイベントで、「夏といえば…」というお題でSU-が語ったのは、家族で花火を見に行った宮島の思い出だった。人が多くて、お菓子を落としちゃったのがショックだったというような話だったと思う。

安芸の宮島は通称で、厳島(いつくしま)というのが正式名称とのこと。

この名前は、祭神である市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)の名前から来ている。

古事記によると、市杵島姫命は、田心姫命(たごりひめのみこと)、湍津姫命(たぎつひめのみこと)とともに、素戔嗚尊と天照大神の誓約(うけひ)によって生まれた宗像三女神(むなかたさんじょしん)のひとり。

御神体は「島」そのものであるが、航海や旅行の安全を司る「道」の神という。

ん?素戔嗚の娘?三姉妹?

キツネ様こと宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)も素戔嗚尊の娘で、別名三狐(みけつ)の神と呼ばれ、稲荷神社には必ず対になった狐像が立っている。

以前書いたように、キツネ様のお母さんは神大市比売(かみおおいちひめ)で、若い頃はアメノウズメという芸名で、天照大神を岩戸から引っ張り出すために歌い踊った希代のアーティストだった。その美しさから、ヤマタノオロチから救った櫛名田比売という奥さんがいた素戔嗚尊の二番目の妻になり、市場を司った。つまり穀物と流通の神、宇迦之御魂神が、へヴィメタルの神キツネ様であるのは、音楽と市場の神から生まれたのだから、当然なのである。

素戔嗚の最初の奥さん、櫛名田比売にも、あまり知られてない息子がいる。八島士奴美神(やしまじぬみのかみ)というのだが、この神の子孫が大国主命となる。

つまり、天照大神が天孫族として日本の表舞台を統べる天皇家の祖神であるのに対して、その弟の素戔嗚尊は、天照大神との間に市杵島姫命ら宗像三女神(「道」の神)を生み、キツネ様(穀物と商売とへヴィメタルの神)その弟の大歳神(市場の神)を生み、そして最終的には天孫族に「国譲り」をすることになる大国主命へと連なる系譜を生んだということになる。

たぶん時間がなくて、原爆ドームと稲荷神社くらいしか見られないと思うが、観光サイトを見ていたら厳島の項があった。これまでは平家の守護神というイメージが強くて、神社の由来まで調べなかったのだが、今回市杵島姫命が素戔嗚尊の娘だと知り、なおかつ“三人娘”だったので、ビックリした。「航海」「旅行」「道」の神であるとは、まさにBABYMETALの海外ツアーを暗示しているではないか。

日本神話は史実ではなく、日本列島各地に流れ着き、割拠していた部族集団の古伝や伝承を「神」の系譜体系に作り替えたものなのだろう。

そして日本にはおそらく2系統の「神」があったということなのだろう。それが最高神とされる天照大神とその弟の素戔嗚尊の不可解な物語である。

純朴かつ荒々しい性格で、“姉”と誓約によって子をなしておきながら“高天原”を追放され、出雲の地に降りてヤマタノオロチを退治して櫛名田比売を娶り、次いでなんでそこにいたのかわからないが、元アメノウズメ=神大市比売を娶り、キツネ様を生んだ素戔嗚尊に、ぼくはなぜか惹かれる。

天照大神はドSの女王様で、“天孫”たちに“降臨”を命じ、派遣された者たちが、時にはだまし討ちをして、結果的に先行して王国を築いていた素戔嗚の子孫の系譜=大国主の一族から「国譲り」を受けるというのだから、なんとなく憎たらしい。

DNAというのは不思議なもので、以前、レジティメ―ションのために、外国人の妻との間に生まれた娘のDNA検査をしたことがあった。その時、遠く離れた国に生まれたぼくと前妻のDNAが非常に似ていて、だがいくつかは違っていて、その違っているどちらかの因子が必ず娘にあるので、娘がぼくと前妻の子どもでない確率はゼロに近いということであった。

人間はこうして男女の交接によって子孫を作っていくのであって、一人の人間の系譜は、DNAによってホモ・サピエンスとネアンデルタール人、デニソワ人との交配のところまで証拠づけられる。

現代日本人のDNAを調べていくと、朝鮮半島や中国の人間集団にはなく、アジア内陸部やインド洋の島に残存する集団にある遺伝子が存在するという。日本人には、アジア大陸に現存する人間集団とは無関係な人がかなりの比率でいるということだ。また、どうもネアンデルタール人の遺伝子は、現代日本人には比較的多く引き継がれているらしい。

つまり、かつていわれていたように、日本人の始祖は中国南部や朝鮮半島を経由して日本列島に住み着いた人たちだけではないらしく、現代の中国人や朝鮮人が、現在の居住地に住み着くより前に、黒潮に乗ってきた南方系のグループや、ユーラシア大陸最東端からカラフトを経て北海道へ入ったグループや、朝鮮半島を経由してきたグループなど、さまざまな集団が日本列島に混住していたということだ。そして、最終的には天皇の一族が各地の有力豪族と戦ったり縁組したりしながら統一していった。その過程を物語化したのが日本神話なのだろう。

その中で、素戔嗚の一族は、天皇一族にとって、西日本最大かつ最強の部族だったということではないか。

もちろん、素戔嗚の一族、出雲大社に祀られた大国主命や、その息子で最後まで天孫族に抗い、諏訪大社に祀られた建御名方も、今はもう、日本神話の中の「神」として融合されている。だからぼくら現代の日本人が、ふだんの生活でそういう日本列島の支配を巡る古代の生々しい闘争の記憶を蘇らせることはない。

だが、その系譜は神社の由来という形で、脈々と伝えられているのだ。そして今、幾千年の時を超えて、古代の敗者の系譜が、へヴィメタルの神=キツネ様という形で蘇っているのではないか。

1945年8月6日に落とされた原子爆弾の爆風と高熱に耐えた「お守り狐」で知られる稲荷神社が鎮座まします広島市で、SU-は生まれ育った。

幼い頃、SU-は素戔嗚尊の娘で、「航海」「旅行」「道」の神である市杵島姫命を祀った厳島神社に行っており、なぜか強烈な印象を受けて、トークショーでそのことをファンに語っていた。

1971年9月27日、広島県立体育館、現広島グリーンアリーナで、全盛期のレッドツェッペリンが被爆者のための「愛と平和」チャリティコンサートを開いた。以降、矢沢永吉、西城秀樹、よしだたくろう、世良公則、奥田民生、吉川晃司、森友嵐士(T-BOLAN)、奥居香らロック色の強いアーティストが広島から生まれた。

Perfumeを輩出したASHを経て可憐Girlsのメンバーとなった中元すず香は、2010年、さくら学院に加入する。KOBAMETALにメロイックサインを教わったさくら学院重音部=BABYMETALの三人は、それをなぜか「影絵のキツネさん」だと思い込み、以降、BABYMETALの公式サインは、「♪メーロイックじゃないキツネさん」(ウ・キ・ウ・キ★ミッドナイト)となり、へヴィメタルの神はキツネ様ということになった。キツネ様をギミックにしたメタルバンドは、今まで日本にも、もちろん世界にもなかった。(と思う。アマチュアバンドではあったかもしれないが)

偶然とはいえ、BABYMETALには、キツネ様=三狐神-素戔嗚尊+アメノウズメ-へヴィメタル-厳島-市杵島姫命-海外ツアー-BABYMETAL「道」-広島-原爆-お守り狐-レッドツェッペリン-Monsters of Rock~ダウンロードフェスティバル-レスターシャー州-レスターシティFC-ロゴがキツネ…と、さまざまな局面で、キツネ様・荒ぶる素戔嗚・へヴィメタルとのつながりが現出する。

おそらく、KOBAMETALはここまで偶然が重なるとは想定していなかったはずである。

これはもはや、現代の奇跡、素戔嗚尊の娘、キツネ様のお導き=BABYMETAL神話といってよいのではないか。

そしてその神話の新たな1ページに、Legend S-洗礼の儀-@広島グリーンアリーナが加わる。ぼくらは、神話の目撃者となるのだ。