KORN USサポートツアー最終日 | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

★今日のベビメタ

本日6月27日は、過去BABYMETAL関連で大きなイベントのなかった日DEATH。

 

現地時間PST 6/25(日)19:00過ぎ(日本時間JST 6/26(月)11:00過ぎ)、アイダホ州ナンパFord Idaho Center(12,280人収容)で、KORN USツアー6日目が行われた。この日でBABYMETALは最終日だが、KORNは、Stone Sour、Rammsteinなどと28日からもツアーを続け、7月半ばにはRock USA、Chicago Open Airなどのフェスにも出演する。いよいよ夏のフェスシーズンの幕開けなのだ。

会場は、ナンパ唯一のイベント会場で、バスケなどに使われる室内アリーナと野外アンフィシアターがあるが、今回は野外だった。収容人数は今回のツアーで最も少なく、盛り上がりが心配されたが、レッチリサポートツアーと同様、大ハッピーの千秋楽となった。

<セトリ>

1.BABYMETAL DEATH

2.YAVA!

3.神バンドインプロ~Catch Me If You Can

4.メギツネ

5.KATRATE

6.ギミチョコ

セットリストは結局、ツアー通して不動だった。

またしても西日が直接射し込む暑そうなステージにナレーションだけの「紙芝居」が響く。

オープニングのIslandersは、サウスカロライナ州出身の、ボーカルがぴょんぴょん飛び跳ねるヒップホップ調ニューメタル。続くYelawolfはアラバマ州生まれのラッパー。今回のツアーでは赤いオープンカーを模したDJステーションがトレードマークになっている。どちらのバンドもダークネスやへヴィ感は薄い。だから「A long time ago, in a heavy metal galaxy far, far away…」と始まるBABYMETALのギミックは、へヴィメタルらしく、重く暗く感じる。

しかし登場してくるのは、まだ10代の日本のKawaii少女たちである。

「へヴィメタルの精霊、キツネ様の魔法陣に召喚されたBABYMETALは国を超え、言葉の壁を越え、世代の壁を越え、数々の伝説を作ってきた。諸君、準備はいいか?今こそMetal Resistanceの時。BABYMETALとともに…」と告げるナレーションを、初見のアメリカ人たちは半ば信じてくれるのか、それとも馬鹿にするのか、いずれにせよ面白がってくれているようで興味深い。

観客は「B、A、B、Y」の体操シークエンスに入る三人の少女たちを見つめ続ける。上手MOAのトランスジャンプから、超絶のギターソロが響く中、三人の少女たちは舞台狭しと駆け回る。「DEATH! DEATH! DEATH!....」と繰り返すBABYMETALの熱量の高さは、圧倒的な演奏力と肉体を酷使したダンスの分だけ客席へダイレクトに届く。

続く「YAVA!」は、今日が最後ということもあってか、ものすごいダイナミックさとキレである。こんなダンスを見せつけられたら、日本語がわからなくても惹きつけられる。早くもクラウドサーフが発生している。ブレイクの神バンドの演奏も、弦のスクラッチ(ギュワオ!)やピッキングハーモニクス(キュイーン!)を入れまくり、この上もなくえげつないダークネスを醸し出す。

そしてフレットハーモニクス(ヒョーン!)からドラムのリズムに乗って神ソロが始まる。

上手大村神の煽りが凄い。BOH神に指さされた藤岡師匠のソロは飛ばしまくり。観客の目を小柄な体にくぎ付けにする。キュイーンと高音で引き継いだ大村神は、速弾きでフレーズを空中に描き出し、さらに上昇シークエンスはしゃがみこんで客と対話しつつ顔で圧倒し、反応を引き出す。BOH神も今回は顔芸を見せつける。お得意の「あれ、指が勝手に動いちゃう」的な演技に大歓声があがる。そして青山神。何小節でも聴いていたくなる、とんでもない手数と技の引き出しによるソロを見せつけ、やった、やりました、立ちました。客席の大歓声を受けて、さらにスプラッシュシンバルを入れた裏系のリズムでソロを終えると、間髪を入れず「ハイハイハイ…」とBABYMETALが入ってまいります。そのダンスの遠くまで届くこと。「ウォーウォーぐるぐるかくれんぼ」のところで再びクラウドサーフ発生。

いいなあ。ホント凄いなあ。実力で、観客をねじ伏せてしまう。

いったん舞台からハケた三人が「さくらさくら」のメロディに乗って再登場すると、熱狂の“第二部”のスタート。わずか6曲のセトリだが、きわめて充実度が高い。

ぴたりと決まったYUI、MOAの阿吽キツネポーズから、「ソレ!ソレ!ソレ!ソレ」と踊りが始まると、ステージ前の観客席が揺れる。

「On the count of three, jump up with Fox God」から、客席のボルテージは一段と上がり、狂乱のJapanese祭りに。

ぼくは、「メギツネ」MVが撮影された阿佐ヶ谷神明宮に何回か行ったことがある。駅から近いので営業途中で寄るのに便利なのだ。お祭りの際には能舞台の扉が解放され、あの金屏風を身近に見ることが出来る。今回のPalladium出発前にもお参りをしてきた。

稲荷社ではなく、伊勢神宮勧請社なので、いわば日本を代表する神社である。ここの名物は八難除けと、神結びという巫女さん手作りの紐。霊験あらたかであり、BABYMETALもぼく自身も今のところ大厄災には遭遇していない。どころか、ここで撮影された「メギツネ」は、日本を代表するファンクメタルとして、アメリカ人を熱狂させ続けている。

ぼくはカトリックなので世界各地の教会巡りが好きなのだが、神社も好きで、今年に入ってからも地元の一宮、会社近くの豊栄稲荷、赤坂豊川稲荷、靖国神社、阿佐ヶ谷神明宮と、ほぼ毎月どこかの神社に行っている。

そんなことはどうでもいい。(Copyright©楽園管理人様)

大熱狂の「メギツネ」から、静かなSEが入り「KARATE」が始まる。

「How you feeling?How your feeling tonight, Nampa?」

もうこの煽りもしばらく聞けないなあ。

「It is really hot, today. Are you OK? 」と酷暑に耐えている観客へのシンパシーの一言で一体感が生まれる。演説・スピーチの肝である。SU-はこれをどこで覚えたのか?しかも英語。

「We’re so happy to be here on tour with KORN! I thank to KORN for having us!」で、三人はまたもや深々とお辞儀。

観客はヤンヤの大喝采。そしておそらくSU-の本音でもあるだろう「We want to have  amazing time with you more! Get ready to sing after me, OK? Are you ready?」からのハミング&「Woo…woo…woo」に、初見でありながら観客席はシンガロングで応える。

「I can’t hear you!」「You’re guys amazing!」見事な煽りもこれが最後と思うと泣けてくる。

曲終わりに大歓声が沸き起こる。

そして最終曲でそのハプニングは起こった。

「ギミチョコ!」。2番が終わって、ギターソロの間に、コープスペイントをしたギタリスト2人が乱入してきた。下手のMOA側に回ったのはIbanez 7弦を持ったKORNのギタリスト、ヘッドことブライアン・フィリップ・ウェルチ。

上手のYUI側にいたもう一人は、去年まで藤岡神が使っていたE-ⅡHorizon FR7を持っている。Ibanez7弦を使うKORNのもう一人のギタリスト、マンキーではない。

彼の名はDonV。KORNに帯同している写真家兼ボディガード兼フィジカルトレーナーとのこと。@mrdonv名義のインスタグラムに彼自身がアップした喜びの共演写真が掲載されていた。(追記:6月27日現在、削除された模様)

レッチリ最終日マイアミのトランぺッターと同様、帯同スタッフがBABYMETALとの共演を熱望したのだろう。その気持ちは痛いほどよくわかる。

「We have really special guest today. We’re so happy to be here on tour with KORN. Thank you very much!」SU-のコメントも当意即妙だ。

どちらからアプローチしたのかわからないが、レッチリといい、KORNといい、一緒にツアーするとBABYMETALはどうしても愛されてしまうようだ。

短い共演時間が終わり、「We’re?」「BABYMETAL!」のC&Rのあと、「3、2、1!」お立ち台からのジャンプ。大歓声。

「See you!」と言って、BABYMETALはステージを去った。見事な千秋楽だった。

ちなみに「ギミチョコ!」は、ソロ以外は7弦ギターさえあれば、簡単に弾ける。7弦がなくても、6弦開放のE音をジクジク弾くだけなら、お子様でもOK。「チョコレート、チョコレート」のところは、

 

となる。最初の「C!I!O!」のところはダウンピッキングで1弦の音を出さないように、ほかは1弦から4弦へアップピッキングする。

白い○のところは、シンガロングさせるとき、クリーンな音でプリングオン/オフするところ。

「ギミチョコ!」は「YouTuber’s Reactions」で、全米の話題をかっさらっただけでなく、簡単にセッション出来る曲でもあるのだ。

ヘッドメタルと、DonVメタルが参加したことによって、BABYMETALはDragon Force、ジューダス・プリースト(ロブ・ハルフォード)、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、KORNと世界の名だたるロックバンドと共演した唯一無二の日本人アーティストとなった。

曲終わり、観客は大喝采で、BABYMETALおよびKORNを讃えた。

KORN USサポートツアー終了。

(藤岡神の左がDonV神、大神の上がヘッド神)

BABYMETALは日本に帰り、YUI、MOAは世を忍ぶ仮の姿に戻って期末テストのお勉強。

SU-は、また語学研修かな?

夏休みに入れば、7月18-20日は赤坂Blitz(黒、赤、金)、7月25-26日はZepp Diver City Tokyo(銀、白)、8月8-9日はZepp Nagoya2日間(銀、白)。

8月19日Summer Sonic大阪舞洲・Oceanステージ、8月20日Summer Sonic幕張・マリンステージ、8月29日-30日はZepp Osaka Bayside(銀、白)という怒涛の国内ツアーに入る。

さらに秋には巨大キツネ祭りが4本控えている。

今回もITCHIE-METALさん、PAPIMETALさんほか帯同していた日本人メイトの皆さん、お疲れ様でした。ぼくは初日だけでしたが、12日間も仕事を放り出して大人げない、もとい、情熱を注いだ“従軍”、貴重な情報をありがとうございました。!(^^)!

BABYMETALのお三方、神バンドの方々、チームベビメタの皆さま、毎日、感動をありがとうございました。とにかく、今は帰国してゆっくりとお風呂にでも浸かり、家族と過ごし、心と体を癒してください。

ぼくはいつでも、いつまでもBABYMETALの味方です。