マンチェスター2日目 | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

いやいやいや。BABYMETAL、凄いとしかいいようがありませんな。

つい先ほど終わったマンチェスター2日目のファンカムが、もう上がっていた。

セトリは、

1.BABYMETAL DEATH、2.META!メタ太郎、3.Catch Me If You Can、4.メギツネ、5.KARATE、6.ギミチョコ

で初日と同じ。実は初日は「メタ太郎」だけじゃなく、大サプライズがあったのだが、それは後ほど。まずは、ファンカムのレビューから。

初日、2日目とも、前座というのにBABYMETAL登場時から会場はパンパンなのがわかる。「BMD」では、単独ライブのように、BABYMETAL登場を待ちかねた観客の興奮=降臨感が備わってきた。まだまだ地蔵は多いが、「BABY!METAL!DEA…TH!」と最後のフレーズで〆た瞬間、観客が大歓声を上げている。

問題の2曲目「メタ太郎」。2日目のファンカムでは、最初のドラム音で「META!」といえているのはやはり最前列だけで、ほとんどの客はやっぱりポカーンという感じになる。だがしかし。ほんとによく声が出ているYUI、MOAも含めて、三人の澄み切った「めーたーたろー、めーたーたろーTogether boys and girl」が響き渡った時から、観客が「ええぞ! ええぞ!」という雰囲気になった。最後の英語がわかったのである。これは新発見。例の挙手のところでは最前列をまねて、キツネサインの形のまま、手を振り始める観客も出る。「ぶっとばせーメタ太郎!」はさすがに合いの手は入らない。

そして、やってました。煽り。東京ドーム方式が進化してます。

SU-:We’ re so happy to be here in Manchester!(ここマンチェスターに来れてとっても幸せ!)

YUI:We want to hear you sing.(あなたたちの歌っているのを聴きたい!)

※ここ、FABMETALさんから教えていただきました。

ぼくは、最初の「We want」が、「In long」に聞こえ、最後の「you sing」が「you see」に聞こえたので、「In long time to you see」めちゃくちゃだけど、「長いこと、みなさんにお会いしたい思てましてん」みたいなことを言ったのかなと思った。それはそれでかわいいけどね。

MOA:Sing loudly with us , Ok?(だと思う。私たちと一緒に大きな声で歌ってね、いい?)

SU-:All right! Get ready to sing after me, Ok?(よっしゃー!私の後について歌う用意はいい?)Woo woo woo woo woo woo woo woo, Sing it!

観客:Woo woo woo woo woo woo woo woo!

シンガロングを4回繰り返したあと、バンドが半音上げて、そのままSU-の♪「君に届いているか仲間の声」につなげた。スムーズだが、観客の置き去り感もある。

バーミンガムで「ド・キ・ド・キ☆モーニング」で受けてしまったのをわざと外して「お前らもっとベビメタ勉強せえよ」と言っているみたいで妙に心地よい。

初日のファンカムだが、「メギツネ」のSU-の煽りはもう女王の風格と安定感抜群。バックもブレイクのところで、ファンク風のオカズを入れて煽っている。やっぱ海外では「メギツネ」最強だよなあ。

続く「KARATE」のハミングは、SU-のアドリブ炸裂。最初の「WOO…」の後、ビブラートをかけてメロディが跳ねる。ブルーノートも入り、「Yeah…Yeah!」で終わる。アンソニーの歌い方をずっと聴いている効果かもしれない。

「ギミチョコ!!」も、大物感が出てきて、レッチリファンが喜々としてSU-に応えている。

いつものように、「Now, It’s time for Red Hot Chili Peppers! See you!」と言って、前座としての役割を終えBABYMETALがステージを去ったのち、本当のサプライズが起こった。

なんと、サポートアクト6日目にして、ついにレッチリのステージにBABYMETALがあの衣装のまま登場し、ステージ上手にMOA、下手にYUI、中央にSU-という布陣で、ダンスでコラボしたのだ。

https://www.youtube.com/watch?v=EIUAwPD_UYs

アンソニーは上半身裸ではなく、ちゃんとTシャツを着用。

もちろん、振り付けではない。ナチュラルなアドリブダンスとでもいうべきものだが、会場は大歓声。上手のMOAは、ツイスト、ペンギンダンス、足ピョンピョン、エアギターをかましてノリノリのダンスを見せている。下手のYUIは、ニコニコして踊っているが、ちょっと恥ずかしそう。そこがカワイイ。中央のSU-は、ベースのフリーとジャンプがシンクロするが、アンソニーとはちょっとタイミングが合わない。だが、全身でぶっ飛んでしまうSU-らしく(MIKIKO評)トランス状態のようなダンスを見せる。観客は大喜び。BABYMETALがレッチリファンに完全に受け入れられた瞬間である。

実は、もうひとつ、ノーマークだったことがあった。

バーミンガムからマンチェスターに移動した12月13日(日本時間14日)、マンチェスター・アリーナでは、Limp BizkitとKORNのダブルヘッドライナーのライブがあり、BABYMETALはVIP席で、Bring Me Horizon のメンバーとともに観戦していたのである。音楽関係者と思しきVIP観客がツイッターで「俺の前にBABYMETALがいる」「俺は隣にBABYMETALがいるぜ、おい」てな感じのツイートを上げていた。

マンチェスター観光もしたとは思うが、夕方はちゃんとメタルのお勉強。BABYMETAL、えらいぞ。

しかし、なんということでしょう、マンチェスター・アリーナ。

月曜日はリンプビズキットとKORN、火曜日、水曜日はレッチリとBABYMETAL。なんか音楽祭でもやっているんですか?日本ではFNS歌謡祭で、欅坂、AKB、ももクロがいろんなコラボをやっている。

そんなこともあって、レッチリも、スペシャルゲスト感を出すために、ステージにBABYMETALを呼び込んだのかもしれない。クリスマス前に、うらやましいぞ、マンチェスター市民。

レッチリのファンカムを見る限り、正直フロントマンであるボーカルのアンソニーは今回のツアーで、どうも調子が悪い感じだった。イヤモニに音が入っていないのか、完全にピッチが外れている曲もあったし、スクリーンのイメージ映像とやんちゃな振る舞いで受けてはいるが、超絶的なBABYMETALの演奏と比べて、高校生レベルに聴こえる瞬間もあった。ツアー後半、年齢からいってバテてきてもいるのだろう。

BABYMETALがステージに出てきた瞬間、自ら呼びこんだとはいえ、レッチリのメンバーに明らかに「気合い」が入るのがわかる。

YouTubeのネット書き込みまとめでは、「高齢者介護メタル」などと皮肉る向きもあったが、いやいやいやいや。BABYMETALは、さまざまな高齢大物ロックバンドの衣鉢を継ぐ、次世代への架け橋なのである。

残すところ、18日(日本時間19日朝)のロンドンTHEO2の追加公演のみとなった。

とりあえずチームベビメタのみなさん、ロンドンの休日をゆっくりお楽しみください。