アニメになります | 私、BABYMETALの味方です。

私、BABYMETALの味方です。

アイドルとメタルの弁証法
-May the FOXGOD be with You-

なるほど、なるほど。わかったぞ。

アミューズUSAが米ワーナーブラザースと提携して、BABYMETALの短編アニメシリーズが作られることになった。制作は傘下のBlue Ribbon Content。ワーナーブラザース公式サイトでは、KOBAMETALがプロデューサーとして参加すること、ワーナーブラザースアニメーションの責任者Sam Register氏が、三人を信じがたい才能を持った10代のスターと称賛し、ポップヴォーカルと振付とメタルのコンビネーション-BABYMETAL現象をアメリカに紹介する手助けができるのを嬉しく思っていることなどが述べられ、東京ドーム公演で11万人が集まったことや、数々の受賞歴などを丁寧に紹介している。

http://www.warnerbros.com/studio/news/blue-ribbon-content-and-amuse-group-usa-collaborating-new-shortform-animated-adventure

公開時期や詳細なストーリーは発表されていないが、へヴィメタル音楽のマジカルワールドが外部から攻撃を受け、孤独な神Kitsuneが、戦士バンドとしてBABYMETALを召喚する。実写のSU-METAL、YUIMETAL、 MOAMETALが力を合わせ、秘密のポータルを通ってアニメの世界へと入り込むという設定で、究極的には音楽のジャンルを統一する大冒険活劇となるらしい。いいね!

直ちに想起されたのが、東京ドーム「黒い夜」の「おねだり大作戦」紙芝居である。その昔神が封印した“獣”がA-KIBAの魔力によって再び解き放たれ、ブラックベビーメタルが復活した、とか何とか言っていた。となると、へヴィメタルのマジカルワールドを攻撃してきたという敵はA-KIBA!日本武道館「黒い夜」で、A-KIBAと和解したはずだったのに、再び仇役として登場したのには、こういうわけがあったのだ。

BABYMETALには、2ndアルバムにも収録されなかった「君とアニメが見たい」という曲(キバオブアキバとのスプリットシングル、2012年1月リリース)がある。仮想の恋人とアニメを見る妄想だったのが、ついには、自らがアニメになってしまうのだ。

2011年のテレビ東京「月刊Melodix!」の「さくら学院成長株グランプリ」で、佐藤日向は、堀内まり菜がアニメにハマっていることに関して、「ひなたちって3次元にいるんですか?4次元とか5次元とか」と発言し、それに対して山里亮太は「それはドラえもんのポケットの中でしょ」と応じた。自分たちが何次元にいるのかもわからないというニュアンスにスタジオは爆笑したが、よく考えればドラえもんだって2次元の存在だ。

もちろん、ぼくらは3次元世界に生きているわけだが、TVやパソコンやスマホのモニター画面で見る限り、アイドルという職業は生身がなく、2次元の存在なのだということもできる。

BABYMETALはアイドルという日本のサブカルチャー文化の産物であるが、秋葉原=パソコン、アイドル、マンガ、アニメ、プロレスは等しく“オタク”を主要な顧客としており、ジャンルの親和性が高い。2つないし3つのジャンルにまたがっているオタクは普通だろう。メタルもまたその一つで、プロレスとメタル、プロレスとももクロ、ももクロとマーティ・フリードマン、キッスという具合に、融合が進んでいた。

メタルキングこと伊藤政則は、2014年のインタビューで、メタルファンは世界中にいて、BABYMETALの“アイドルとメタルの融合”はずばりハマるだろう、と予言していた。その通りになったわけだが、そうやって虜になったメタルエリートたちは、BABYMETALが“メタルである”と思い込もうとしていたので、今回のアニメ化ニュースには、かなりショックを受けているようだ。

BABYMETALは日本のサブカルチャーをバックグラウンドとした”アイドルとメタルの融合“という世界商品である、とぼくは思っている。AKB型の半素人”アイドル“ではない。だが、BABYMETALはメジャーを目指さないシリアスなメタルバンドだ、などとは一度も言っていない。

”BABYMETAL道“の主戦場は世界のメインストリーム音楽=ポップなのである。本物だと確信させるヴォーカル、ダンス、演奏のスキルを持ちつつ、日本のアイドルプロデュースのさまざまな技法を世界市場に応用している”商品“なのだ。

だから、アニメ化はちっとも不思議ではない。というか、アメリカでBABYMETALをメジャーにするには、最も効果的かもしれない。その意味では、BABYMETALのプロモーションとして、正常な戦略だ。

ぼくは、このブログの「終章」で、アメリカでは“メタルを追求する少女アイドル”として、お茶の間の人気者になり、イジメ撲滅の社会派アーティストとして認知してもらいたいと書いている。結局没にしたのだが、その方法として、アリアナ・グランデがそうであったように、ハイスクールコメディに、日本から来た留学生として、すぐにチョコレートを欲しがるギャグをかましながら、「重音部」を結成し、いじめ問題に立ち向かうため、チャリティコンサートをやるというストーリーを考えた。

今回のアニメ化は、さすがにその上を行くアイデアである。おそらく、言葉の問題で、実写ドラマは難しい。アニメならば、「紙芝居」の延長で、BABYMETALが“戦士”として、メタルレジスタンスを戦う荒唐無稽なストーリーが受け入れられやすい。

ワーナーのアニメと言えば、「トムとジェリー」「トゥイーティー」「チキチキマシーン猛レース」…。ギャグとスピード感あふれる子ども向けカートゥーンのイメージ。そこに「Road of Resistance」「KARATE」「The One」「イジメ、ダメ、ゼッタイ」「紅月-アカツキ-」などがどう絡むのか。ギャグとしての「紙芝居」「キツネ様」の設定がどう受け入れられるのか。「セーラームーン」「プリキュア」のような美少女戦士もののテイストが入るのか。

妄想は膨らむばかりである。