待ちに待ったデートの日

会えるのは夜の12時半。

私はいつも以上にニヤニヤしていた。

新しい服。時間をかけすぎたメイク。

自分はもう完璧だった。


11時…12時…

刻々と時間が過ぎていった。

私は待ち合わせの時、自分が着いても連絡しない女。

1時…

連絡が来ない。

みかねて連絡をすると

「エマー○○の前にいるよ~」

本当は怒るところ。

なぜなら待ち合わせ場所はクラブの中。

でも怒れない。久しぶりに会えるうれしさでその場に走った。


「エマ~」

彼は嬉しそうに私を抱きしめた。

近くには彼の男友達が何人かいた。

二人して恥ずかしいねぇとか言いながら。

そして彼は「はい」とネックレスを渡してきた。

「昨日Rのもの何か欲しいって言ってたでしょ?持ってきたよ」

失神寸前。嬉しすぎる。

「つけてつけて~」と言いながら二人で写メを撮ったりもした。


そして手をつなぎながらクラブへ入った。

いつものソファでキスしたりイチャイチャしていた。

幸せでしょうがなかった。

ずっとこの時が続けばいいなと本気で思った。

朝が来るなんて考えたくなかった。

Rが私の事をもっと好きになってくれるといいなと思った。


でもこの日クラブのクーラーが壊れていた。

もうみんな汗だく。だんだんRの機嫌も悪くなってきたのが分かった。


するとRは突然「今日友達が来てるから会ってきていい?」と聞いてきた。

私は「ん~いいよ~」と言った。


そしてRは少し離れたダンスフロア(死語?)に向かった。

しばらく見ていると一人の女の子と仲良くし始めた。

二人で楽しそうに耳打ちしている。

私はカナリ焦った。

焦りすぎてRの周りをウロウロしていた。

まるでかまってちゃん状態。

私が目の前にいてもその女の子を見つめている。

そしてさっき会ったRの友達に悲しそうな顔で訴えてみた。

「誰なのあの子?」

「友達だよ」

と彼らは答えた。これは本当だった。

ただ私は許せなかった。

「今日は私と過ごす日でしょ?誰なのあの女?私より全然可愛くないじゃない」

悲しそうな顔を見ると彼らはRの近くに行き私を指さし何か言ってくれた。


けどRはまるで嫌なものを見るかのように私を見た。


私の思考は止まった。


そして又女の子に耳打ちするRを見て私は…叫んでいた


悲しくて悲しくてしょうがなかった。

プライドもズタズタ。

「彼氏に目の前で浮気された女」

そんな言葉が浮かんできた時,

ふと目の前を通ったのはRに初めて会った日に私の事を「かわいい」

と言った男だった。


...to be continued

たった1日会っただけで付き合うことになった私とR

Rはすごく曖昧な男だった。

私が「花火見に行こう!」と言っても

「ヤンキーがいるからやだよー」とか


「日曜日は空いてるの?」

「サミットみたいなのがあるから」


「家に行きたいな」

「友達と住んでるんだ」


とまあこんな感じ。

電話をかけるのはいつも私。

ただ私の事をいつも

「好きだよー愛してるーチュッ」と言ってくれた。

それだけで私は満足だった。

その時は恋の魔法にどっぷり浸かって心地よかった。

今思えば絶対ヘン!と思うはずなのにそんなのも気づかなかった。

むしろ気づかないフリをしていた。

Rはコブクロが好きらしくいつも電話口で歌っていた。

そして私に「この手が離れても心は離れないこの目が見えなくなっても…」

と私に言ってくれた。

なんだか本当に愛されている感じがして私は有頂天だった。

ネパール語の辞書を買いに行き電話で話していたりしていた。


とはいってもRは結構なイケメン。

心配するのが女

「他の女の子と食事行ったりしないで~」

やら

「実は結婚してるんでしょ?」

とやたらウザい言葉をRに投げかけていたのだ。

今思い出してもウザイと自分で思う。

それでもRは優しくて

「エマは心配しすぎだよ~」と言ってくれた。

私は2日に1回ぐらいRに電話していた。

そのうち「何日エマ休みなんだよね?いつものクラブで会おうよデート!」

と言ってくれた。

私もサービス業なので土日休みは珍しい。

天にも昇る気持ちでOKした。

日が近づいてくるとRも「後何日で会えるね~」と言ってくれた。


そしてデート予定日の前の日

私はいつものようにRに電話した。

するとRは人が変わったようだった。

今まで自分の事をあんまり話したがらなかったのに

「実は居酒屋で働いてるんだ。でもスタイリストになりたい。」

「国の親にお金送ってるよ。」

と今まで何度聞いても教えてくれなかった事を喋り始めたのだった。

私は心が開いたと思った。

「エマは本当にRの事好きなんだね」

と分かってくれたみたいだった。


そして運命の日


...to be continued

私はその日某バンドのボーカルとのドライブのつまらなさに嫌気がさして

「六本木行きたい気分なの」

といって一人で車を降りた。

そしていきつけのクラブに足を運んだ。


そこでという男に会った。

最初日本人かと思って遠くで見ていた。

顔も結構タイプで、好みの芸能人に似ていた。

でもなんだかムシャクシャしていた私はなんとなく彼に近づいた。

彼に近づくと彼は私を見つめキスをしてきた。

クラブなんかでは当たり前

目をずっと見つめていれば私はあなたに興味がありますよドキドキのサイン

私は内心「ひっかかった~」とウキウキしながらしばらくイチャイチャしていた。

彼はネパール人でRと名乗った。

私はビックリしながら彼に寄り添っていた。

でも私の一番の悪い所は飽きっぽい所。

他にいい男がいないか探してしまうのである。


そのうちRの友達の男が来た。

私はRに手を取られたまんま彼を見つめると彼は

「かわいい」と私に向かって言った。

なんだかそれが嬉かった

むしろRを捨ててその人の元に走りたかった汗

(又これが後々大変なコトになるんだけど…)

とにかくRが離してくれないのでその日は一晩Rと一緒にいた。

携帯番号を交換して「またね」と言って別れた気がする。


その後私もRの存在を忘れたまんま仕事をしていた。

でもたまたまその日携帯のメモリーを添削していたときふとRの番号が目に入った。

無意識にかけてみると普通に出てくれた。

二人して「覚えてるよー」という感じだった。

(ちなみに彼は日本語OK)

彼との電話はとっても楽しかった。

ふとした瞬間「エマRのコト好きなの?」と聞いてきた。

私はいたずらっぽく「好きだよ恋の矢」と言った。

「じゃあ彼女だね」

はいカップルいっちょあがりー

となった。

一晩しか会ってないとかそんなの関係なかった。

私はしばらく男がいない感覚から抜け出したかった。


ただ単に「彼氏」という存在が欲しかっただけだった。


...to be continued