キングオブコント2016 | インスタントジョンソン じゃいオフィシャルブログ『マルいアタマをぐちゃぐちゃにする』powered by Ameba

キングオブコント2016

ご要望があったので、今年も性懲りも無くキングオブコントの感想を。

あたしゃ、もう9年連続で準決勝止まり。


正直、決勝を観るときは多少複雑な気持ちにもなってしまう。

その気持ちを押し殺して、冷静かつ楽しんで観ることに。

①しずる
しずるらしい、ハードボイルドなシチュエーションを崩すコント。終始格好よく演じているのが、誰もいないという仕掛けが笑いに変えて行く。この形のコントは最初の犯人が捕まったというところが1番の笑いどころになりがちで、その後の展開に苦労するのだが、しずるは飽きさせず笑いどころを作っていた。禁煙の振りが最後の曲が入るところで凄く効いていて、面白格好いいオチを生み出していた。順番は運だが、後半の出番なら決勝行けたんじゃないかな?個人的には15ネタ観た中でも上位にくるネタでした。

②ラブレターズ
このネタで1番良かったと思ったのが2人の動き。観ていて凄く気持ちがいいんだよね。あのコントをやる上で、最高の演出が施されている。正直、歌ネタ感が強すぎちゃって、2人のからみ、感情、人間模様が欲しいなとは感じたけど、絶対ウケるネタなのは間違いない。細かいけど、個人的には最初の演説無しで歌から入った方がずっと2面だったのが1面になるオチのジャンケンが生きるかなと。

③かもめんたる
1本目のネタは相当素晴らしいネタだと思う。設定もいいし、『逆にそっちで意識朦朧としないで』『指示待ちみたいになってる』『お互いにとってマイナスだよ』などのセリフが絶妙。自我が芽生える展開とかもいいし、理想的なコント。2本目も含め、かもめんたるの猟奇的で笑えるコントはもうブランド。

④かまいたち
個人的に以前から面白いと思っていたコンビ。山内さんはボケもツッコミも出来るし、演技もいいし、本当器用だなと思う。1本目は首が落ちるという1つのことを色んなパーターンでボケて、ツッコむという割と単純な形を監禁という設定で見やすく重みをつけているのも素晴らしい。2本目は好きなネタで、初めて観たのは結構前だが、衝撃的だった。名作と言っても過言じゃないネタ。

⑤ななまがり
切れっ切れの変化球コント。このネタに対してどうこう言うことも出来ないほどの世界観。場所や空気によってメッチャ跳ねる可能性は高いと思う。何回観ても面白いだろう。なんなら気付いたらふと観たくなってしまうくらいの中毒性もある。『ナスを持ち上げるときだけ左利きだよー』はついつい言いたくなる。初瀬さんがチラチラ袖を観るのがちょっとだけ気になってしまった。

⑥ジャングルポケット
1本目のコントは素晴らしかった。日常である間違ってドアを開けてしまうというスタートから、閉めないというツカみ。更に中に入る、もう1人来るという起承転がしっかりしている。うんちも安易にうんちという単語で笑わせるのではなく。そのシチュエーションの中に自然に出てくる『うんちあるんだよ』だから面白い。欲を言えば、オチっていうオチが欲しかったかな。
2本目は、余命ボケで、多分長いでも短いでも両方イケるとは思うけど、短いにすることによってテンポ感が出る。コントが4分だから余命3分は丁度いい。スピード感があって面白かった。
個人的には1本目の方が好きでした。

⑦だーりんず
まあ童貞をテーマにしてる分、内容を求められてしまうのは仕方ないところ。あとは最初の『父さん童貞?』の入りも入口としてはいいんだけど、裏切り度的にはそこまでのものではないので、内容や展開で笑いを取っていかないといけなくなってしまう。その中で『順番が違う』のくだりは設定にピッタリハマる最高のボケだった。全体的にもっとあのクオリティのボケやセリフがあるともっと爆発してたと思う。オチはあれはあれで深いとは思うけど、もっと分かりやすいとか、もっと裏切るオチだともっと良かったかな。

⑧タイムマシーン3号
唯一同じ事務所の芸人。まあこいつらはウケる。自分が思ってる以上にウケる。ズルしてるんじゃないかくらいウケる。コツを教えて欲しいくらいだ。1本目はタイムマシーン3号のネタの中で一番好きなネタ。カツアゲという設定からまさかのSFへ。世界観が茨城県からニューヨークみたいな感じで、小銭も円からドルに思えるくらいの展開は素晴らしい。ボケも小銭を使った色んなパターンで畳み掛けてくる。2本目は関の芸達者ぶりが存分に発揮されてたなぁ。1本目と違ってこの設定なら、歓声や果実の非現実的な世界より現実の中で収めて欲しかった感はあるかなぁ。

⑨ジグザクジギー
ジグザクジギーらしく、絶妙なところをついてくる。しずるのネタ同様、最初の『汚い』からの展開が重要になってくるが、これも色んなパターンで攻めてきて、『おかずに手を付けない』『ワントライ一口』みたいな展開が飽きさせない。後半は完全にクレイジーゾーンに突入。あの感じも、どハマりする時とついて行けない時と別れるので、なかなか難しいところ。宮澤さんの達人のメイクが良かったです。

⑩ライス
これもいいコントでした。とにかく設定を崩すスピードが素晴らしい。通常の設定から入り、要求がエスカレートしていくのだが、そのエスカレートの仕方、スピードが凄く計算されているように思えた。要求する内容も順番も1つ間違うと流れがおかしくなる可能性があるが、どれも良かった。『肩揉んでくれぇ』のタイミングなんか、ここしかないっていうくらい。で、言い方も頭に残るような、真似したくなるような言い回しも素晴らしい。オチだけでいったら、1本目のオチは15本のネタの中で断トツに1番いいオチでした。


総評
今回感じたのは、割と絡みがなかったり、会話がなかったり、1人があまりセリフがなかったりのコントが多かったような。それはそれで面白いと思いますが、やっぱり掛け合いみたいなのは欲しいかな。その点、しずる、ライス、ジャングルポケット辺りは人と人がぶつかり合って、会話がある中に笑いが生まれて、コントの中にドラマがあって良かったです。

偉そうに書きましたが、本当は他人のネタにとやかく言う立場ではありません。

そして、皆さん僕らより面白かったから決勝に行ってるわけで、全員もれなく面白かったです。

今月の22日、23日に単独ライブをやりますが、決勝に出ていた芸人の皆さんに刺激をいただきました。

そして僕らはだーりんずよりおじさんです。