絵のない絵本 | インスタントジョンソン じゃいオフィシャルブログ『マルいアタマをぐちゃぐちゃにする』powered by Ameba

絵のない絵本

ファニは森に住む野ウサギ

ファニはみんなの人気者です。

森に住む動物達はみんなファニのことが大好き。

『ねぇファニさん、今日も面白いお話してよー!』

子リス達が言うとファニは面白いお話をしてくれます。

いつも笑顔で優しいファニ。

キツツキが木を叩く音に合わせて楽しいダンスを踊ってくれます。

みんな一緒に踊ります。

ファニがいるとみんな嫌なことを忘れます。

失敗したってファニは笑って許してくれます。

アグは森に住むイタチ。

アグはみんなに嫌われています。

みんなアグの笑った顔を見たことがありません。

楽しい話も、ダンスも踊りません。

失敗したらアグは怒ってくるのです。

森の動物達はアグに近づこうともしません。

ファニもアグのことが嫌いです。

『なんでアグはあんなに恐いの?』

子リスがファニに質問すると

『もっと人生楽しんだらいいのにね。さあ!そんなことより今日もいっぱい楽しいことをしよう!』

今日もファニはみんなを楽しませます。


そんなある日動物達の森に恐ろしいモンスターがやって来て、動物達を襲いました。

とても大きな大きなモンスター。

怖くなったファニは一目散に逃げました。

子リス達もキツツキも他の動物達も大ピンチです。

そこにアグが現れました。

アグは1人モンスターと戦いました。

大きな大きなモンスターはとても強くてアグはボロボロです。

それでもアグは諦めずに戦いました。

傷だらけになりながら戦いました。

しかし、モンスターはビクともしません。

それでも戦っていると、モンスターは疲れたのか、シラけたのか、アグの気迫に負けたのか、
森から去って行きました。

傷だらけのアグに森の動物達が近づいてきました。

『アグさん、大丈夫?』

『うん、みんな無事で良かった』

みんなはアグの笑った顔を初めて見ました。

ファニも戻ってきて、アグにお礼を言いました。

『アグさん、ありがとう』

『うん』

アグは一瞬だけ笑顔を見せて、傷だらけのまま家に帰っていきました。

森の動物達は無事だったことを喜び、その夜はパーティーをしました。