五年前 | インスタントジョンソン じゃいオフィシャルブログ『マルいアタマをぐちゃぐちゃにする』powered by Ameba

五年前

真壁徹はとあるマンションの一室に空き巣に入る為、壁をよじ登りベランダに侵入した。


ピッキング技術なんてない、持っていた小型のハンマーでいつものように窓を割るつもりだった。


窓は鍵はかかっていなかった。


「ラッキー!」徹は小さくガッツポーズをした。窓を割ることは大した手間じゃないが、鍵が開いているときは空き巣が歓迎されているような気さえした。


ところが、部屋の中には盗むような物は何もなかった。


盗むような物というか、盗まない物すらない。


引っ越しの下見をしてる感じだった。


一応全ての調べたが、あったのは六畳くらいの部屋の床にファックスがあるだけだった。


徹にファックスなんて必要ないし、売ったところで、いくらになるわけでもない。


まあ、マンションだから他にも部屋はある。昼間に人がいるかいないかは一ヶ月前から調べている。別の部屋に移動しようと六畳の部屋から出ようとしたとき、玄関が開く音がした。やばいと思ったのもつかの間。

「誰だ!どうやって入った?」


逃げようとした徹にその男が道を塞いだ。


それでも相手を倒して逃げようとしたが、逆に倒されてしまった。


観念した徹に男は


「どうやって入った?」


「窓からですけど」


何でそこを気にするんだろう?と不思議に思った。


「お前、まさかライフフィールドの?」


「ライフフィールド?何それ!」


「やはりそうか。しかし何故入れた?」


「開いてたから。鍵閉めといた方がいいですよ」


徹の話も聞かず男は徹の手首に目をやった。


「それどうした?」


徹は自分の手首に巻いてあるブレスレットを指差し、「これ?盗んだんだよ!悪いか?」


「いや悪くない」そう言った男は自分の袖を捲り、左手首を見せた。そこには自分のと同じ形のブレスレットが。