展開 | インスタントジョンソン じゃいオフィシャルブログ『マルいアタマをぐちゃぐちゃにする』powered by Ameba

展開

展開・・・


「何この展開!?」


「物語はここで急展開を迎える」


起承転結の転の部分にあたる所だ。


じゃあ転回?


何故テンの字が違う?


映画でも実話でも、この展開というのは話を盛り上げるのにとても重要な役割を果たしている。


昔、シナリオ学校の先生が、


「優秀な脚本家は起承転結の承転が上手い」と言っていた。


起と結は一度ずつだが、承と転は何度も使える。


プリズンブレイク、24、LOSTなんかはふんだんに散りばめられている。


だから、何巻もあるのに一気に見てしまう。


展開という意味で、今まで強烈だったのはタランティーノの「フロムダスクティルドーン」かな。



今日アカデミー賞の「スラムドックミリオネア」を観たが、面白かった!


久しぶりにいい作品を観た。


展開もかなり良かった。


ってか、脚本、音楽、俳優、映像、展開、エンディング、全て良かった。


観てない方もいると思うのであまり詳しく言えませんが。



さて、展開というのはコントでも重要な役割を担う。


今やレッドカーペットなどの1分くらいのショートネタブームなので、展開となると厳しい。


コメントくれた方ありがとう!


今度、レッドシアターのゲストに呼ばれることになった。


レッドシアターは3分なので、ちょっと長めだが、やる予定のネタは展開という点では大してないか。



では具体的に展開のあるストーリーってどんなだろう?


チャレンジしてみよう!



僕は今日休みで、一日中家でDVDを観る予定だった。


まだベッドで横になっていた午前10時、携帯の音で初めてベッドから起き上がった。


誰だろう?とディスプレイを見ると非通知。


普段なら出ないが思わず出てしまった。


聞き覚えのない原田芳雄のような渋い声の男性だった。


「どちら様ですか?」


「私が誰かはどうでもいい、君が誰かも関係ない。用件だけ言おう」


男は僕の話す間を与えぬように話しを続けた。


「今日の12時までに帝国ホテルの1111号室に来い!」


「えっー?行きませんよ」


「来なければ人が一人死ぬ」


「えっ?もしもし?」


電話は切れていた。


どうせイタズラだろう。と思い、行く気もなかったが、最後の言葉が頭から離れない。


もしも本当に人が死んだとしたら僕のせい?


えっ?今日の12時って昼?夜?


僕は行く気になっていた。


とりあえず服を着替えようとしたが、僕の家に服が一つもない!




さあ、これが1巻ならあなたは2巻を借りますか?


今日はここまで!


次回予告!じゃい最大の危機!俺じゃない!あいつだ!


です!




文章を付け足す方式は初めてです。


気が付く人はいるのでしょうか?


ここで2巻を書いたら止められなくなりそうで怖い。




ズキン!ガンガン!キューッ!何だか音を表現しようとどれも微妙に違うのだが、頭が痛いことは確かだ。


理由は二日酔い。


とりあえず俺は顔も頭もサッパリするために顔を洗った。


居間には缶ビールの円柱から形を崩した空き缶が数本床に転がっている。


テーブルにはピザ屋のロゴが入った薄いの箱が若干残ったピザを乗せていて、フタは全開になり空中でテーブルからはみ出している。

この状態を見るのが、昨日の記憶を蘇らせるスイッチとなった。


昨日は嫁も子供も実家に帰っていたので、後輩の芸人が四人、僕の家に来ていて、飲んでいたんだ。


「あっ!」


服がない理由が何となく分かった。


昨日、後輩に服をあげたんだ!


酔ったせいで太っ腹になり全部あげたんだ。


中には、先週買った夏物や、ファンの子から貰ったものもあった。

格好悪いが後で返して貰おう。


そんなことより、今日着る服がない!


僕は帝国ホテルに行く気になっていた。


押し入れを開けると今まで使ったコントの小道具がある。


その中に魔法使いの衣装があった。


急いでシャワーを浴び、魔法使いの衣装に着替えて部屋を出た。


8階でボタンを押すと1階にいたエレベーターが上がってくる。


何故か4階で約1分ほど停まっていた。


その間に階段から一人の男が駆け上がってきて、反対側にあるの階段から降りていった。


ようやく8階に到着したエレベーターが開いた瞬間、僕は乗っていた男に銃を突き付けられた。


「篠原はお前か?」


「僕じゃないです!多分あのあの人です!」


僕は反対側の階段を指差した。


つづく?



銃を持っていた男は僕の全身を一瞬でなめ回すように見て、首をわずかに傾け、僕が指差した方向に走っていった。


1階でエレベーターを降り、自転車の鍵を歩きながらポケットから取り出し自転車置き場へ行ったのだが、自転車がない。


盗まれた?


何故かショックはなかった。


まあいいかと思いながら仕方なく駅まで歩くことに。


途中踏切を渡るのだが、遮断機は閉まっており、上下車線ともに電車が不自然な場所で停まっている。


踏切の中央には水商売風のケバめの女性が大の字で寝ていて、
「ごめんなさいー!」と叫んでいた。


まるで神様に言っているかのように見えた。


次の瞬間、タイヤがパンクしたときの音に似た音が二度鳴った。



つづくの?



どうしよう?


この話、展開しすぎて終わりが見えない!


ってか、思いつきで書いてるから後のこと一切考えてない!


どうやってつじつま合わせる?



4巻


周りからジロジロ見られていたことで、自分が魔法使いの格好をしてること思い出した。


僕は周りの視線から逃れるように用もない携帯をいじった。


なんだか今日はおかしな日だ。


自分が現実じゃない場所にいるように思えた。


魔法使いの格好をしている自分が魔法にかかったようだった。


なんとか昼の12時には着けそうだ。


夜かもしれないが。


帝国ホテルに着き、1111号室の前に立つと大きく深呼吸をした。


恐怖心、冒険心、緊張感なんかが入り混じった味わったことのない感情が込み上げる。


僕はドアをノックした。




静かにドアは開いた。


ドアを開けたのは身長が130センチほどの男性。


無言のまま僕を部屋の中へと誘った。



部屋の中はやや薄暗いちょっとムーディーな居酒屋くらいの照明で、なんだか自分の格好にマッチしていた。


部屋の中央にあるテーブルのわきの入口側に向いているソファーに男は座っていた。


やはり見覚えはない。



ビシッとしたスーツと首からかかったお洒落な人が身につける布、白いシルクハット。


どっから見ても貧乏には見えない。


僕は勝手に、60歳には見えない若い60歳という予想をした。


「お掛け下さい」


その声は確かに電話の人の声だった。


僕は彼と向かい合うようにテーブルを挟んだソファーに腰を下ろした。


「脅したみたいになって申し訳なかった。君にどうしても来て欲しかった」


「ちょっと状況が読めないのですか゛。」


「それを今から話そう」


電話がかかってきたのは偶然なのか、必然だったのか?


これから何を聞かされるのか?



「実は君に協力してもらいたいことがある」


男は静かな口調で話しを始めた。

「実は篠原という男を探している」


篠原?確かエレベーターから出て来た男も言っていた。同一人物なのか?


「篠原・・誰なんですか?」


「分からない」


訳が分からなかった。


「えっ?」


「二週間ほど前にその男から私宛てに手紙がきた」



そう言うと男はテーブルの上に封の開いた手紙を投げるように置いた。


「あなたのいのちあと30にちです しのはら」とボールペンで、角ばった文字書かれていた


「こんなのただのいたずらじゃないですか?」


「私も最初はそう思って相手にしてなかったんだが・・」


男は卓上にあったタバコをくわえ火を付け、自分を落ち着かせるように煙を吐きだしてから話しを続けた。


「先週、友人の葬儀があってな、まあその友人も70近いしそんなに驚きもなかったのだが、実はその友人に一ヶ月前に手紙が来たというのだ。」


「まさか?」


「そうしのはらという男からだ。」


僕は息を呑んだ。


「その手紙の予告通り友人は死んだ。だから私もこの手紙を悪戯で片付けられない」


そう言うと男はため息をついた。

「で、それと僕とどういう関係が?」


「いろいろと調べた結果、そのしのはらは君の部屋の隣に住んでいるんじゃないかってことになってね」


「何で分かったんですか?」


「手紙やらなんやらでね。こう見えて私もわりと権力があるんでね。」


こう見えてっていうか、権力があるようにしか見えないが。


「だったら僕じゃなくて隣の人に」


「それが、君の隣の部屋がここ一週間出入りがないのだよ。」


「僕にどうしろと?」


「隣の部屋を調べて欲しい」


「どうやって?」


「ベランダを飛び越えて701号室の中を覗いてもらいたい。」


「で?」


「部屋の中の様子を教えて欲しい」


僕が戸惑っていると、男は小人に目配せをした。


小人は奥の部屋に行き、数秒で戻ってきた。


薄暗くて何か分からなかったが、手には部屋に入るときには持ってなかった物を持っている。


それを取りに行ったというのは分かった。


そしてテーブルに置いた。


目の前にしてようやく分かった。

ピン札の百万円の束が二つ縦に置かれた。


「これは前金だ。残りは後で払う」


金に少なからずとも目が眩んだが、それ以上にこのことに興味津々だった。


恐怖心と好奇心が混ざりあって、心がいい感じの色になっていた。

小説の主人公になったような感じがしてワクワクした。


「時間があまりない。今日の夜に実行して欲しい」


急だなとも思わなかった。むしろ早く実行したかった。


僕はその二百万円を受け取り、そのことを承諾した。


帰りはリムジンで送ってもらった。


家に着いたのは夕方5時前。テーブルの上に束になった札を投げるように置きソファーに背中から倒れるように身を投げた。


疲れた・・・わりと大きな声で呟いた。


魔法使いの格好から寝ていた時の服に着替えて横になると、すぐに落ちた。


魔法使いの格好をした自分が何百匹もの蝙蝠に紐で吊られ、下界を見下ろしながら飛んでいて、自分が誰かを見るとその人がその場で倒れた。次々と倒れた。


変な夢だった。


現実に戻り、テレビの横に置いてある時計を見ると、帰宅してからほんの二時間しか経過してなかった。


深い眠りだった感覚はあるが、夢を見るのは浅い眠りのときだ。どっちなんだろう?と思いながら、僕は約束の行動をする心の準備を始めた。


見つかったときの言い訳も考えた。


ベランダに出て隣のベランダに行くのだが、ベランダを仕切る非常の際に突き破る壁を突き破る気にはなれず、ベランダから体を乗り出して反対側のベランダへと乗り移った。


下に落ちる恐怖はなく、割とすんなり行けた。


殺風景なベランダには、何の花が植えてあったのかわからないほど枯れ果てた植物が乗っかっている植木鉢が一つあるだけだった。


カーテンの奥にある部屋の中は暗く、人の気配はしない。


窓に手をやると鍵が開いていた。

僕はその窓をゆっくりスライドさせた。


風でカーテンがなびいた。


ベランダを乗り越える時以上の緊張が走った。


月の明かりがうっすら差し込んでいたのと、徐々に暗さに目が慣れてきたので、部屋の様子は把握できた。


きちんと整頓されているのと、部屋に荷物がほとんどなく、生活感が感じられなかった。


おそらくこの部屋には誰もいない居間から玄関方面にある部屋へと移動することにした。