2019年 中国 全48話
烈火士官学校~ステキ男子とイケメン女子
LaLaTVにて録画視聴しました
舞台は日清戦争後の中国
国防の意欲に燃える良家の精鋭の若者たちが集まる烈火士官学校の学生たちがこの物語の中心人物となる
その反目する相手は極悪な日本軍人や日本のヤクザさん達
・・・最後まで見れるかなぁと不安な気持で見始めましたが、どう見ても日本人に見えない日本人役の皆さんは国を超越した感じで架空の存在に見れたし(笑)、物語もとても面白かったです
あらすじと登場人物
当ドラマのヒロインの名は謝襄(シェ・シアン)
謝襄(シェ・シアン)/バイ・ルー
穏やかで優しい父親は教育者で人々からの信頼も篤い
右)謝襄の父
父は娘が親元を離れて女学校に入学したと思っているが、実はバッサリと髪の毛を切り、男装して兄の名を借り、烈火士官学校に入学していた
謝良辰(シェ・リアンチェン)こと、謝襄(シェ・シアン)
入学を前に事故でこの世を去った兄良辰(リァンチェン)の意志を継ぐために、こんな無謀な道を選んだ妹、謝襄
謝襄の計画を知っているのは女学校に通う親友、譚小侚ただ一人だ
左)謝襄の親友・譚小侚(タン・シャオジュン)
小侚はキャバレーでカウンターのバイトをしていて(女学生がこの時代に)親しい大スターが歌うからショーを見ようと謝襄を誘う
その大スター、曲曼婷(チュー・マンティ)が歌い出す
曲曼婷(チュー・マンティ)/ウー・ジアイー
客が皆聞きほれている中、一人の酔っぱらいがチャチャを入れて来て、曲曼婷のステージを台無しにして、警察沙汰に至る
その酔っぱらいこそ、本作のもう一人の主人公顧燕幀(グー・イェンジェン)
顧燕幀(グー・イェンジェン)/シュー・カイ
政府高官の御曹司で毎夜派手に飲み歩いては騒ぎを起こしている
毎度警察沙汰を起こしても父の名を出すと周りの態度は急変、即解放されるお気楽なお坊ちゃまである
その問題児の御曹司とあろうことか烈火士官学校の寮で同室になりムカつく謝襄
しかし、顧燕幀は態度はデカいし規律は守らないし、問題児には違いないが、そう悪い奴では無いことに謝襄は気づいて行く
急な荷物点検で見つかった女ものの下着を、自分が貰ったものだと庇って助けてくれたのが最初だった
その事で謝襄が気になり始めた顧燕幀は、何かと謝襄に絡んでくるようになる
そしてとうとう謝襄が女であることを確信した顧燕幀は、同級生たちが呆れるほどに謝襄を追い回すようになる
その様子を眉をひそめて見ている同級生たちの「見て見ぬフリ」な様子が笑える
しかし、屈強な男子生徒ばかりの中、俊敏さや体力に自信がある謝襄とは言え、軍隊の容赦ない訓練に女の子が付いて行くのはものすごく大変だ
でも仲良しの黄松(ホァン・ソン)がいつも謝襄の傍で励ましてくれる
黄松(ホァン・ソン)/シボ・リュウ
田舎出身の純朴な男黄松
良家の子息が大半の学生たちの中、貧乏な黄松は心無い学生たちから差別されることも
しかしいつも前向きな黄松はへこたれない
勉強は苦手だが、体力・武力では誰にも負けない
誰にでも優しく、謝襄にとって学校で一番頼りになる親友である
ほかの謝襄の友達のご紹介
射撃が得意な真面目な好青年、朱彦霖(ジュー・イェンリン)
朱彦霖(ジュー・イェンリン)/モン・エン
金顕栄をライフルで一撃で倒した時のかっこいいこと
品があって綺麗な俳優さん、これからが楽しみです
大スターにちょっと気がある、意外と真面目で心配りのできるクラスメート、紀瑾(ジー・ジン)
紀瑾(ジー・ジン)/ワン・イージョー
本ドラマのエンディング曲を歌ってます
先に「尚食」でクールな游一帆役を見ていたので
発見した時はとても嬉しかったです
そして顧燕幀が謝襄を巡って火花を散らす二番手さん、学年一優秀で頼りになるリーダー格、沈君山
沈君山(シェン・ジュンシャン)/トビー・ハー
商工会議所会長、沈聴白(シェン・ティンパイ)を兄に持つ、大富豪沈家の次男である
沈君山は本当に清々しい位に真っすぐな心の立派な男で、仲間として謝襄をとことん助けてくれる
謝襄が女とも知らず、魅かれて行く沈君山が「これではいかん!」と自分と葛藤する様子がカワイイ
一方謝襄を何かと目の敵にするクラスの嫌われ者が一人
李文忠(リー・ウェンジョン)だ
李文忠(リー・ウェンジョン)/リウ・ルンナン
2年間の烈火士官学校での学生たちの生活は、学生たちをすごく成長させてくれるが、最も成長が顕著だった一人がこの李文忠だろう
黄松により貰った命、以前だったら「ラッキー!」で終わったかもしれない
しかし李文忠は両親と共に去ることを拒んだ
一人日本人達に戦いを挑んだ
しかも素手でである
これまでならバカにしていた対象であったであろう、幼い頃のケガが原因で、何事もすぐに忘れてしまう花屋の女の子との初恋物語にも涙した
花屋の少女、出番は少なくてもインパクトの強い存在でした
親御さんの墓参りに行って、偶然李文忠のお墓を見つけ、
彼とも知らず何故か心魅かれると
お墓に花を手向けるシーンに泣けました
そして生徒たちを指導する教官たち
まずは大酒飲みだが、生徒思いの厳しくも優しい郭教官
郭書亭(グオ・シューティン)/シャオ・ビン
なぜ飲んだくれになったかと言うと、若い頃の失恋をずっと抱えたまま生きて来たからと言う、想定外のロマンチスト
学生たちのためなら命さえ厭わない、武侠ドラマの師匠のようなキャラ
こんな教官に出会えた学生たちは幸せだ
もう一人の教官、呂中忻は少々堅物であるが学生たちの強い味方には変わりない
郭書亭とは旧知の中、正義感の強い思いやりのある教官だ
呂中忻(リュー・ジョンシン)/リン・ヨウウェイ
「狼殿下」の時は最悪な兄役でしたが、今回は素敵でした
沈君山の兄で商工会議所会長、沈聴白(シェン・ティンパイ)の曲曼婷に対する一途な想いにも泣けました
沈聴白(シェン・ティンパイ)/ホン・ヤオ
「瓔珞」の時の和親王。今回とても良い役で素敵でした
眼鏡を外されると現れる美しい瞳が魅力的でした
沈兄弟、お金持ちだし性格良いし肝っ玉座ってるし最高
沈聴白から溺愛されている大スター、曲曼婷
曲曼婷(チュー・マンティ)/ウー・ジアイー
わがままでプライドが高い、扱いにくい性格ではあるが、正義感が強く相手が誰であっても言いたいことを言い放つ、表裏の無い大スター
そのキップの良さで業界で人気がある
沈聴白とは幼馴染で、いつの間にか親も認める婚約者になっていて、彼を嫌いでは無いがいつまでも結婚には同意せず
そんな曲曼婷をただただ大きな心で見守る沈聴白
曲曼婷が一方的に顧燕幀に恋をしても、ただ彼女が傷つかないように遠くから見守る沈聴白の最高の男気に胸キュン
曲曼婷、早く沈聴白の真心に気が付いておくれ
一方こちらは、滅亡した清王朝の栄親王の息子承瑞貝勒
密かに、失った清王朝の玉璽を探している
承瑞貝勒/イン・ジェン
王朝復活を目論んでいる承瑞貝勒と、未だに人望のある栄親王たちの動向を民国政府も日本軍も厳しく見張っていた
その玉璽を手に入れようと手段を選ばず行動しているのが、日本商工会議所織田会長の養女顕栄(シェンロン)だ
日本人孤児・顕栄(シェンロン)
幼少時栄親王に養女として引き取られていた時期があるが、その後世をさすらい、日本のヤクザの親分である織田会長に引き取られ、養女として育てられる
養女とは言っても役に立たなければ即切り捨てられる身であることは百も承知の顕栄だ
そんな悲惨な人生を歩んで来た顕栄には、留学先で友達になった
沈君山と会う時間が一番幸せな時だった
沈君山が友と信じるこの顕栄がまさか日本のヤクザを取り仕切る、全ての悪事の実行犯とは・・・
ネタバレ満載感想です
サブタイトルの「ステキ男子とイケメン女子」から想像すると、「成均館スキャンダル」のような男装の麗人が主人公の、軽いラブコメかと思われそうですが、確かにそう言った青春もの&ラブコメ要素もたくさん楽しく散りばめられてはいるのですが、なにせ学生と言ってもれっきとした軍人たちの集団だし、時代が時代なので危険と隣り合わせの毎日で、事あらば過酷な命令に従わなければならず、命掛けの戦いの日々が続くのです
敵は日本のヤクザたちや日本軍に限らず、上司にも悪徳上司が学生たちを保身の為に何度も陥れようとするし、立場の弱い学生たちは大変です
緊迫した銃撃戦の場面がたくさんで、当然仲間たちの死にも遭遇することになります
心優しい黄松が李文忠を庇って、最後には李文忠に笑顔で敬礼して死んで行くシーンと、李文忠が単身日本のヤクザたちの所に乗り込んで全員を倒して果てるシーンには涙でした
郭教官への思いがやっと報われて結婚できたマダム
その幸せがあまりに短くて涙
男前のマダム、かっこ良かったです
やはり結局戦争は絶対にやってはいけないという結論に達します
こういう時代背景に生まれてなくて良かったです
俳優さんについて
麗しのシュー・カイとパイ・ルーコンビ
「招瑶」でのお二人がとても素敵だったので、今回もお二人の共演を楽しみに見ました
「招瑶」ではシュー・カイが姉御を愛する年下男子で尽くして尽くしまくる役でしたが、今回もまたシュー・カイが一方的に尽くしまくりでした(笑)
どちらも最後には報われるけど
男装しているとは言えバイ・ルーさん男前過ぎる(笑)
めちゃくちゃ度胸満点で困難に立ち向かって行く謝襄、かっこ良過ぎる
こういう役をやれるのはバイ・ルーさんしかいません
訓練の場面とか銃撃戦とか、ずいぶん大変だったでしょうね
ほんと、あの華奢なお体で、すごいです
シュー・カイ演じる顧燕幀も良かった
あのドラ息子が愛する謝襄のためだけでなく、友達のため、学校のため、国の為に戦う戦士になろうとは
お金持ちで政府高官の息子という有難い立場も上手に使ってました
どこを切ってもひたすら麗しいシュー・カイ
危機に直面した謝襄を助けようとオートバイを走らせるが、途中でオートバイが動かなくなり、無念の思いの顧燕幀
そして謝襄の無事を知り駆け付けた病院でベッドで「大丈夫だから」と自分に笑顔を送る謝襄を見た時のシュー・カイの表情
見事でした
僕が助けてあげられなくてごめん。辛い思いをさせたね。よく助かってくれたね。良かった・・・・
伝えたい言葉はたくさんあったはずなのに、ただ謝襄の無事を確認するだけで、しばらく謝襄の顔を見届けただけで、抱きしめるでもなく病室にも入らず、黙って去って行ったあのシューカイの演技で、謝襄への溢れんばかりの思いの丈が伝わって来て、ウルウルしました
シュー・カイは見目麗しいだけでは無くて、演技力もほんと高いです
二番手さんの沈君山はひたすら良い男でした
本当に裏表が無く、その為顕栄が悪人というのもなかなか受け入れられて無かったけど
育ちの良さか身の程をわきまえていて、決して相手に無理強いもしない紳士、素敵でした
トビー・ハー、また別の作品で見てみたいです
本作品で一番印象に残った一人が、李文忠役のリウ・ルンナン
「斗羅大陸」ではそれこそ黄松のような純朴な役をしていたリウ・ルンナンが、最初意地悪な役で面食らったけど、段々と人格が変化し立派な軍人に成長していく姿を丁寧に演じていて心打たれました
中国の俳優さんたちは皆さんほんと演技力がおありです
ラブコメディ+若者の成長記録+アクション+時代背景、いろんな要素が絡み合って、中身の濃い青春ドラマになってます
イケメンがたくさん出ていて必見です
軽い気持ちでぜひご覧頂きたいです
とても面白かったです
おススメです