2020年 韓国 SBS 全16話
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ストーブリーグとは、プロ野球のシーズンが終わった後に、各球団がチームを補強するための期間を指します。主に選手のトレード、ドラフト、外国人選手の獲得、トライアウトなどが行われます
今年もまた四年連続最下位に沈んだ地方球団ドリームス
その責任を負って辞めた前GMに代わって、新GMとしてペク・スンスがドリームスに赴任して来る
新GM ペク・スンス/ナムグン・ミン
彼はハンドボールや韓国相撲やアイスホッケー等の世界でGMの経験があり、いずれのチームも優勝に導いている有能なGMだ
それなのに優勝した後すべてのチームが廃部になったと言う特殊な経験の持ち主でもある
面接で野球経験の無いペク・スンスをドリームスの新GMに採用したのは、親会社の常務、クォン・ギョンミンだ
クォン・ギョンミン/オ・ジョンセ
親会社の会長である伯父から、万年最下位で金ばかりかかるドリームスの運営を今年限りで辞めるよう釘を刺されている常務は、ペク・スンスがチームを優勝させかつ廃部になった経験を繰り返している所が気に入り採用したのだ
新GMとして赴任して早々親会社がこうでは前途多難と思えるが、ところがどっこいペク・スンスは、その飛びぬけたマネージメント力でスタッフの協力を得ながらドリームスを着々と変革して行くのだ
ペク・スンスGMの下でフロントのスタッフ達を纏めるのが、ドリームスをこよなく愛する熱い心の持ち主、若き運営チーム長、イ・セヨン
イ・セヨン/パク・ウンビン
セヨンと共に働く運営チームの明るく楽しい頑張り屋、ハン・ジュヒ
ハン・ジュヒ/チョ・ビョンギュ
まずスンスは、クビの予想されていたユン監督に大方の予想に反してその責任を追及することなく、来年も契約の継続を伝える
当のユン監督を始め皆が意外に思っている所にいきなりスンスの大ナタが振り下ろされる
ドリームス一の人気を誇る四番打者イム・ドンキュのトレード話だ
びっくり仰天の展開に、ドリームスのフロントの中はひっくり返る
イム・ドンギュ/チョ・ハンソン
イ・セヨンを始め、スカウトチーム、マーケティングチーム、戦略分析チーム全てのフロントの面々は、野球を知らない新GMが何をふざけたことを・・・と、一番のスターを手放してファンが納得するはずが無いと憤慨し反対する
しかし、スンスはバイキングのキムGMと直談判し、元ドリームスのエースでバイキングでも勝ち頭のカン・トゥギとのトレードを成功させる
バイキングス・キムGM/イ・デヨン
イム・ドンギュとの因縁によりドリームスを去ったカン・トゥギが、こよなく愛するドリームスに復帰することになり、ファンたちも大喜び
トレードは大成功を収める
大エースカン・トゥギ/ハ・ドグォン
そればかりかペク・スンスに人を雇って暴力で報復しようとするイム・ドンギュの人品の低さも露呈し、イ・セヨンとハン・ジェヒはペク・スンスの深い洞察力に信頼を寄せ始める
次にスンスが取り掛かったのはドラフトの人選の不自然さだ
ドリームスは最下位の常連なのでドラフトは一番優位に人選できるはずなのに、ここ数年まったく新人王が出ていない
過去のドラフト会議の様子まで調べたスンスは、自分の足で気になるスカウトチームの活動を調べる内に、スカウトチーム長があろうことか陰で金をもらってスカウトを操作していることを知り、スカウトチーム長をバッサリと辞職させる
コ・セヒョクスカウトチーム長/イ・ジュニョク
ユン監督はスンスに伝える
またしても根本を見抜いていると
コーチ陣の仲の悪さも気になる所
悪気は無いのだが持ち場を超えてつい口や手を出して選手を指導してしまう熱血コーチばかりのドリームス
多忙な日々の合間をぬって、3Aの投手を50万ドルで交渉するためアメリカまで出向いたスンス、セヨン、ジュヒの一行だったが、競争相手が現れて契約金が100万ドルに引き上げられ、ペリカンズに横取りされてしまう
しかし、思わぬ収穫が・・
三人に通訳として付いてくれていたのが実は元メジャーリーガーで韓国でも野球経験のあるロバート・キル投手だった
ロバート・キル/イ・ヨンウ
彼は今でもメジャーに戻ることを目指し日々投球練習を欠かさない
三人が見てもとても良い球を投げていた
スンスは一緒に韓国に帰りましょうとロバート・キルをスカウトする
キルは身重の妻と共に母国に帰れる嬉しさに涙を流す
しかしキルにはずっと心に引っかかっていることがある
妻がかつて大病を患ってしまい、韓国に帰る機会を逃したキルはアメリカ国籍を持っているので、義務があるわけではないのだが、母国で兵役を済ませていないことを罪悪のように感じて今まで生きて来ていた
帰国したキルをマスコミが早速兵役の話題で襲撃する
インタビューでも勝手に都合よく編集して、まるで違う内容にしてキルを追い込む女子アナの腹黒さ
結局は一年間ドリームスで野球をやった後、兵役に行く決心をするキル
生まれて来た息子の為に父として責任を果たしたいと言う言葉に嘘偽りは無いだろう
これまでもオリンピックでメダルを取って兵役免除の恩恵を受けていた選手たちもいるのに、韓国において兵役を逃れることは、いかなる理由があってもここまで厳しく責められてしまうのか
スンスの思いとは違ったが、真っ正直なキルには最善の道なのかもしれない
キルがスンスに自分の赤ちゃんを抱いてくれと差し出した時、スンスは涙を流しながら赤ちゃんを愛おしそうに抱くシーンがある
僕が抱いて良いんですか・・
過去の辛い記憶がスンスの心を締め付ける
さて戦略分析チームに一人職員を増やすことにしたドリームス
早速幾人かの応募者があり、スンス、セヨン、戦略分析チーム長らがその面接をすると、最後に車椅子の青年が入って来た
ネットにロビンソンの名前で有名な野球の情報サイトを主催している、ペク・ヨンスである
ペク・ヨンス/ユン・ソヌ
彼を見るなりスンスの顔色が変わる
青年は高校時代に野球の試合中のケガで車椅子生活を送るようになった、スンスの実の弟だったからだ
ロビンソンの名前は有名でその情報や数字の確かさは専門家も納得するもので戦略分析チーム長ですら舌を巻くほどだった
スンスの弟と知らずヨンスを採用したいと言う二人に、スンスは自分の弟であることを告げて自分は採用に反対だと言ってその場を去る
兄スンスは弟は会計士の勉強をしているものとばかり思っていたが、いつの間にこんなに野球に詳しくなっていたのか
野球が好きだから・・・
帰宅した兄にヨンスは自分のケガの事でいつまでも自分を責めないで欲しいと頼む
こうして兄弟は和解し、弟もドリームスに勤めることになる
このヨンスの分析力は素晴らしく、その後ドリームスの大きな戦力となって行く
スカウトチーム長に昇進した熱血派ヤンチーム長を始め、セヨン、ジュヒたちもスンスと共に足を使って、チームに必要な人材を集めて行く
こうしてフロント一丸となったドリームスは、その年のドラフトで最高の新人選手たちを獲得し、大成功を収める
常務から予算を何度も何度も削られながらも、スンスはあらゆる手を使って選手たちにも痛みを伴うがなんとか納得してもらって盤石なチームに作り上げる
それなのにまた予算を削られたドリームスは、暖かい外国でキャンプをすることも出来なくて、済州島にさえも行けなくて、バスで移動という苛酷さでとあるキャンプ地に向かう
めげそうになるも大エースのカン・トゥギが率先して選手の皆を纏めてくれる
そして練習試合では、バイキングに勝ってしまうのだ
おまけにイップスで悩んでいたルーキーのユ・ミノ投手も監督コーチの助力とナインの励ましで無事イップスを克服する
イケル!と思ったらまた難題が勃発
野球界の薬物疑惑問題だ
実はカン・トゥギとイム・ドンギュは同期で仲も良かったのだが、その事での誤解から二人は仲違いしていたのだ
他のチームではたくさんの薬物経験者が摘発され、チーム力がダウンするが、違反者ゼロのドリームスは戦力で優位に立つ
そして噂されていた薬物には手を出してはいなかったものの、マカオでの賭博違反を自ら届け出たイム・ドンギュは、7ケ月間の出場停止を言い渡される
そんなドンギュをまたドリームスに戻そうとバイキングGMに若い選手二人との交換トレードを申し込むスンス
血の気の多いドンギュにはスンスはひどい目に合ったけれど、心からドリームスファンを愛する気持が誰よりも強い事をスンスは知っていた
カン・トゥギとの誤解も溶けて、チームに帰って来たドンギュはみんなに温かく迎えられてとても嬉しそうだ
秋口からの出場になるがスンスは優勝争いの頃には出場可能となりその真価を発揮してくれるはずだ
最高の状態で次のシーズンを迎えられるようになったと思ったのも束の間、常務から球団社長に移行していたクオン・ギョンミンは会長からの命を受けて、ドリームスの解散を一方的にマスコミに発表する
寝耳に水の話に皆は愕然とする
スンスは200億で買手を見つけるからドリームスの解散は1週間待ってほしいと会長に掛け合うが会長は聞く耳を持たない
そこで社長のクオン・ギョンミンにその仲裁を頼み1週間の猶予を約束させる
そしてスンスはポータルサイトを運営している「RF」のイ・ジェフンCEOと直談判し、紆余曲折あるが彼を納得させドリームスの存続が決まる
これまで伯父である会長に盲目的に従って来たギョンミンだったが、出来の悪い自分の息子を大事にして自分はこき使われるだけの生活に嫌気が差していたギョンミンは、会長と決別し自分の道を歩くことにする
ギョンミンも野球が好きだったのだ
父がドリームスの社長時代には共に何度も球場に通っていた
父親が愛したドリームスを守りたいと言う思いもきっとどこかにあったに違いない
ドリームスの存続が決定し、成功に導いたスンスを全スタッフが拍手で迎える
選手、スタッフ一堂に会してのお祝いの中、スンスは荷物を纏めてドリームスを去る用意をしていた
その姿を見て驚くセヨン
だが株主たちの反対を押し切るために、スンスには残念ながら辞めてもらうことになると「RF」のイCEOからの条件が出ていたのだ
確かにスンスはいろいろ物議を醸すGMなので、何も知らない「RF」の株主たちにとっては大きな不安材料ではあろう
スンスは去る前に言う
春が来たらGMの出番は無い。次は選手の出番です。
僕は多くの選手をクビにして来ました。私も同じです。
でもドリームスは僕にとっては初めて守り抜いた球団です。
誇りに満ちた顔でスンスはセヨンにそう話すと、セヨンは深くお辞儀をして去って行くのだった
春になり、ドリームスの新しいシーズンが始まった
セヨンがGMを引き継いだようだ
元気な掛け声で選手たちを励ましている
そして相変わらずジュヒが金魚のフンのようにセヨンの傍らにいる
選手たちの2020年の成績が画面に流れる
チャン・ジヌ 5勝3敗25ホールド
カン・トゥギ 20勝3敗奪三振201個
ロバート・キル 17勝6敗
ユ・ミンホ 11勝7敗 奪三振98個
投手たちの成績が素晴らしい
打者も好調、負けていない
これだけ勝ち星の多い投手が多いということは、打者もよく点を取っているという証でもある
出場停止期間が過ぎて72試合出場のイム・ドンギュは、打率3割5分4厘本塁打17本を稼いでいた
皆が緊張して試合に臨んでいるところを見ると、終盤の優勝争いの試合の前に違いない
今日はカン・トゥギで、明日はロバート・キルで勝ちに行き、優勝に王手を掛けようと言ったところだろうか
車の中でラジオで野球中継を流しながら、その様子を笑顔で聞いているスンスに、イム・ドンギュのホームランの報が入る
湧きたつドリームス球場
そんなスンスが向かっている先は、新しい仕事先との面談のようだ
最初はいがみ合う仲だったけれど今ではお互いを信頼する仲になったクォン・ギョンミンからの紹介だ
また未経験のスポーツだなと電話口でギョンミンが言う
やってみないとわかりませんが頑張りますとスンスは新しい扉を開ける
強くなくてもいい
みんなで支え合うから
いや~ぁ面白いドラマでしたぁ~
野球大好き人間なので、その分余計に楽しんで見せてもらえたかなと思います
こういう裏方さんのドラマは珍しいですよね
なんか普段見られない世界が覗けたようで得した感じです
ラブ事情が全く無いのも清々しくて良かったです
時々ランクの合わないトレードとか、期限ギリギリのトレードとかあったりしますが、素人にはわからない深い事情があるんだろうなぁとこのドラマ見ながら思いました
またこういうお話は球界だけでは無く、あらゆる組織でも該当するのではと思いました
ナムグン・ミンはこのドラマでSBS演技大賞の大賞を受賞していますが、納得の演技でした
「キム課長」もこちらはコメディタッチながらも組織を改革するお話でしたが、ナムグン・ミンにはこういった先見の明あるカリスマ溢れる役がよく似合います
声がまた独特の低音で素敵です
セヨン役のパク・ウンビンも大好きな女優さんです
ナムグン・ミンも出ていた「ホジュン」での心優しく健気なホジュンの奥さん役が、とても記憶に残っています
ご出演作たくさん見ていますが、いつ見ても感じの良い女優さん
今回も正義感と責任感強いセヨン役を爽やかに演じ切られました
新ドラマはロウンと共演の時代劇とか
きゃー楽しみです
実は「悪霊狩猟団カウンターズ」で見たチョ・ビョンギュ君繋がりでこのドラマに飛びました(笑)
やっぱり演技が上手いビョンギュ君
密かに想いを寄せるセヨンにいつかジュヒの思いが届きますように
あと野球選手役の皆さんが体格と言い、運動センスと言い、まるで本物のプロ野球選手に見えました
素晴らしいです
久しぶりにお元気そうなチョ・ハンソンの顔が見れて懐かしく思いました
ちっとも変ってなくてカッコイイ
毎回そうですが、オ・ジョンセさんはどんな役でもほんと上手に演じられますね
最初は対立するしか無い間柄に見えたスンスとクォン・ギョンミンがまさか最後にはあんなにフレンドリーになれるとは
これも裏表の一切ないスンスの正直さ、正義感の強さ、優しさ、懐の深さ故だと思いました
普通ならひどい目に合った相手にまた近づこうとはしませんよね
イム・ドンギュに対してもクォン・ギョンミンに対しても
スカウト部のヤンに対しても、やってることは明らかにやりすぎです
でもそれは野球少年たちに対する愛情の深さから出ていることをスンスは理解しているので、彼を叱りながらもチーム長に抜擢します
こんな上司なかなかいません
素晴らしい上司です
さぁ、メジャーでも日本でも、いよいよプロ野球が開幕します
各チームのストーブリーグの結果がどう反映して来るのでしょうか
そこもチェックしながら野球を見れたらまた楽しいかもしれません