2018年 中国 113分 2020年 日本公開 ハートハートハートハート

岩井俊二 原作・脚本・編集・音楽・監督作品

 

 

チィファの姉チィナンが亡くなった

 

姉に来ていた30年ぶりの同窓会の案内状を見たチィファは、姉のことを知らすべく同窓会に駆け付けるが、いきなり生徒会長だった姉と間違われ、開会の挨拶をさせられる羽目になる

 

ユエン・チィファ/ ジョウ・シュン

 

会場は大賑わいで、姉の件を言い出す機会を失ったチィファは、そそくさと会場を後にする

 

そんなチィファを追いかけて来た男の名は、イン・チャン

 

イン・チャン/ チン・ハオ

 

帰りを急ぐチィファに連絡先を教えてというイン・チャン

 

二人は連絡先を取り合って帰途に就く

イン・チャンがくれた名刺には作家の肩書が記されていた

 

そして帰宅したチィファが居間に置いていたスマホからメールの着信音が鳴る

 

気付いた夫のウォンタオがスマホを覗くと、「あなたに30年間恋しています」と書かれたメールの文面がその目に飛び込んで来た

 

と、普段は大人しいウォンタオが烈火のごとく怒りだす

 

ジョウ・ウォンタオ/ ドゥー・ジアン

 

この人は姉と間違っているだけといくら説明しても聞く耳を持たないウォンタオは、チィファのスマホを叩き壊す

 

大人げなかったと反省したのか、紙コップで糸電話を作ったり、大きな犬のペアを連れて来たり、その後のウォンタオの行動が不審(笑)

 

 

大人のチィファは怒ることも無く普段と変わらなく接している

おおらかな女性だ

 

姉の葬儀の時から家に連れて来た姉の息子のチェンチェンは静観の体

犬たちをとても気に入って可愛がるチェンチェン

 

スマホが無くなったチィファは、送り先の住所を伏せて、姉の名前でイン・チャンに手紙を送る

 

最初はスマホが壊れて連絡が取れなくなったことを知らせるだけのつもりだったチィファだったが、チィファは手紙を書き続ける

 

 

イン・チャンはチィファにとって特別な人だった

 

 

それは中学生の時のこと

転校生のイン・チャンの妹と友達になったチィファは、イン・チャンの家に出入りするようになり、イン・チャンと知り合いになる

 

そのイン・チャンがチィファの姉のチィナンに恋をする

 

右、中学生のチィナン/ ダン・アンジー

 

それでも勇気を出して気持を伝えたチィファだったが、イン・チャンからつれなく断られて涙する

 

左、中学生のイン・チャン

 

中学生のチィファ/ チャン・ツィフォン

 

その初恋の人イン・チャンと30年ぶりで出会ったチィファは、姉の名前で手紙を書き続ける

 

チィファの義母の英語の先生宅に出入りするようになったチィファが先生宅の住所を借りて、イン・チャンへの手紙を書くと、住所を頼りにイン・チャンが早速先生宅に尋ねて来た

 

 

イン・チャンは同窓会に来た時から、妹のチィファであることに気付いていたと言った

皆がどうしてチィナンと間違うのかわからなかったとも続けた

 

そしてチィファからチィナンの死を聞いて言葉を失うイン・チャン

 

しかも表向きは病死になっているが、実はずっとうつ病で何度も自殺未遂を繰り返した果てに、自ら命を絶った死であった

 

チィファは初耳だったが、イン・チャンとチィナンは偶然同じ大学で再会し、付き合っていたとイン・チャンは言った

 

だが、ある男が現れてチィナンはその男の元に行ってしまい、イン・チャンとチィナンは別れてしまったと言う

 

その男の名はジャン・チャオ

ムームーとチェンチェンの父である

ジャン・チャオ/ フー・ゴー

 

気に入らないとチィナンを殴る男で、ある日チィナンはとうとう隙を見てジャン・チャオの元を去り両親の元に身を寄せる

 

今では新しい妻ジーホンと暮らすジャン・チャオ

身重の妻は訪ねて来たイン・チャンにジャン・チャオを怒らせないでと頼んだ

 

ジーホン/ タン・ジュオ

 

恵まれない自分の身を悔しく思い、誰よりも輝いていたチィナンに手を出した、それが悪いか

お前なんて小説1冊出しただけじゃないか

チィナンが死んだ原因が俺にあると言うのか

 

ジャン・ジャオはイン・チャンに痛烈な言葉を浴びせる

 

しかし、そのイン・チャンが出したたった1冊の小説「チィナン」がジャン・ジャオのアパートにもあって、ジーホンがイン・チャンを一目見てその小説の作者だと気付いたところからも、ジャン・ジャオのイン・チャンとチィナンに対する複雑な屈折した思いが伝わってくる

 

彼も彼なりに十分苦しんだのではないだろうか

 

 

イン・チャンはかつて通った懐かしい中学校にカメラ片手に寄ってみる

 

そこでイン・チャンは昔のチィナンとチィファにそっくりな少女たちを見て声を掛ける

思った通り、チィナンの娘ムームーとチィファの娘サーランだった

 

チィナンの家に行きたいというイン・チャンを二人は快く案内してくれた

 

チィナンに線香を上げるイン・チャン

 

チィナンの娘ムームーは、母の宝物ですと言って紙製の箱をひとつイン・チャンに手渡す

 

開けてみると見覚えのある手紙が入っていた

 

イン・チャンは「チィナン」の小説を書いた時に、少しずつ書き終える度にその原稿をチィナンに送っていた

 

 

母は何度も何度も繰り返しあなたの手紙を読んでいました

 

あなたがお父さんだったら良かったのに

 

チィナンに生き写しのムームーは笑顔でそうイン・チャンに言った

 

 

チィファが務める図書館にイン・チャンが訪ねて来て、自分のカメラに収めた写真をプレゼントしてくれた

 

その中に娘たちの写真を見つけて驚くチィファ

 

また何だか小説が書けるような気になって来たよ

 

イン・チャンは笑顔でチィファの街を去って行く

 

母の死に向き合えず落ち込んでいたチェンチェンも、チィファ夫婦の優しい励ましに立ち直り、大好きな犬を連れて自宅へと元気に帰って行った

 

チィナンの死を乗り越えて、そしてチィナンの想いに心を馳せながら、皆それぞれにまた一歩歩き始める・・・

 

 

 

 

 

 

中国映画の現代劇は久しく見ていなくて、現代劇のジョウ・シュンさんにも興味があって、岩井監督作品だし・・と映画館まで見に行って来ました

 

映像が本当に美しく、中国が舞台なのに懐かしい匂いがしました

特に廃校の決まった中学校を見ていると、遠い昔の我が母校に帰って来たような気持になりました

 

私にもこういう時期があったなぁと中学生の頃のチィファたちの映像を見ながら、心はウン十年前に飛んだりしました

 

岩井作品は「Love Letter」と「四月物語」くらいしか見ていませんが

その世界観は本作でも変わらず、瑞々しい初恋の物語へといざなってくれました

 

なんと美しい映画でしょうか

 

なんと優しい物語でしょうか

 

見に行って良かったと本当に思いました

 

ストーリーや映像も良かったですが、俳優さんたちがまた皆さん本当に素晴らしくて

 

チィファ役のジョウ・シュンさんは映画やドラマで良く拝見していますが、現代劇もとても素敵でした

普段のお写真見ますとキリッとしたいかにもできる女性な感じですが、チィファ役では大らかでしっかりした優しい女性をしなやかに演じられてて現代劇でもとても素敵な女優さんだなぁと思いました

 

あとこの映画では子役の皆さんの素晴らしい演技に驚きました

中国の俳優さんたちのレベルの高さにはいつも感心させられますが、子役の皆さんのレベルもものすごく高いです

 

彼らが大人になってどんな俳優さんになって行くのかとても楽しみです

 

チン・ハオさんは福山雅治に似ていると思いました(笑)

すごく役に合っていらしたと思います

奥さんが伊能静さんですよね

「山田太郎ものがたり」のお母さん役、懐かしいですラブ

 

実は大好きなフー・ゴーさんラブラブ

やさぐれた役どころでしたが、さすがの存在感でした

 

その奥さん役の女優さんは「瓔珞」で高貴妃役された方とか

びっくり気が付きませんでした

やはり演技がとてもお上手な女優さんです

 

同じ原作で作られた日本映画の「ラストレター」は未見です

いつか機会があればぜひ見て、本作との違いや同じところなど確かめてみたいです

 

 

 

 

 

この美しい横顔は、チィナンの中学生時代を演じた、ダン・アンシーちゃんですラブ