おはようございます。
今日も晴れ予報の札幌です。
気温は6℃まで上がり、土埃が舞う。
読書は吉田修一著、「橋を渡る」2019年文庫。
春・夏・秋・冬・エピローグからなる、長編小説。
舞台は2014年の東京。
主人公は春(飲料メーカ勤めの男)、夏(都議の妻)、秋(TVディレクター)。
冬の舞台は2085年(バラバラの人生が、未来で網の目のようにつながる)
作中の実際のニュースが、あたかもノンフィクションかのような錯覚になる。
過激なニュースが人の目を引くのは、自分には関係がない他人ごとだと思って
いるから。対岸の火事なのだ。
世の中、多くの事件や事故が起こるが、それを淡々と普通の事のように描写表現する
吉田修一の上手いところだ。
「あの時に変えれば良かったと誰でも思う。でも、いま変えようとはしない」
2085年はユートピアなのか、ディストピアなのか…。
「路ルウ」と同じくらい、とても面白かった。