『なぁ、あの頃のオレ』青春編 第57話「現場慣れた気になった瞬間、終わったオレ」 | 夢見てズレて転び続けたオレの黒歴史ノート

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【連載】

なぁ、あの頃のオレ。
ちゃんとできへん人生の話

青春編 (77話完結済)
社会人編 現在執筆中

第1話はこちら
https://note.com/regal_wren4369/n/n802c36a0d555



昼は現場、週1でイタリア

なぁ、あの頃のオレ。

あの頃のお前、
平日は普通に土木。

汗。
泥。
親方。

「来い」
「ちゃう」
「遅い」

の無限ループ。

でも週に1回だけ、
空気違った。

イタリア語教室の日や。

作業着脱いで、
電車乗って、
ボンジョルノ言う世界へ行く。

なぁオレ。

人生、
振り幅エグい。

少し前まで👇

「そこ掘れ」
「土運べ」

やったのに、

今👇

「グラッツィエ」
「アリヴェデルチ」

言うてる。

ジャンル変わりすぎや。

相変わらず、イタリア語は難しい

なぁ、あの頃のオレ。

イタリア語教室な。

相変わらず、
しんどかった。

教室向かう電車の中なんか、

毎回頭ん中👇

「今日こそ心折れるかもしれん……」
「いや、たぶん折れる」
「もう折れてる可能性ある」

ずっとこれ。

なぁオレ。

メンタル、
雨の日の段ボールぐらい頼りない。

でもな。

不思議と行く。

行ったところで、
先生の話半分も分からん。

発音も怪しい。

それでもまた来週行く。

なぁオレ。

逃げ癖あるくせに、
たまに変なとこでしつこい。

ほんで昼は、相変わらず現場

でも現実は、
普通に土木。

その日も、 親方と現場。

なぁオレ。

この頃のお前、
ちょっと勘違いし始めてる。

現場に慣れてきた。

道具の名前も少し覚えた。

親方にも前ほど怒られへん。

つまり👇

完全に調子乗ってる。

まだ半人前やのに、
気持ちだけベテランや。

ショベルカー運転しながら、

親方👇

「この辺掘ったらええんか?」

って聞いてくる。

オレ👇

「たぶんその辺っす!」

なぁオレ。

分かってへんやつほど、 返事だけ早い。

親方👇

「ここ大丈夫か?」

オレ👇

「大丈夫っす!」

なぁオレ。

大丈夫ちゃう。

お前が一番危ない。

事件、静かに始まる

ショベルカー👇

ガコン。

ガコン。

ほんで次の瞬間。

バキッ。

……シーン。

オレ👇

「えっ?」

親方👇

「ん?」

次の瞬間。

地面から👇

ブシャァァァァ!!!

なぁオレ。

3秒前まで、
現場できる男みたいな顔してた。

全部飛んでった。

オレ👇

「えっ?」

「えっ?」

「えっ?」

なぁオレ。

語彙、
完全終了。

親方👇

「うわ、水道管やんけ!」

なぁオレ。

さっきまでベテラン気取りやったん、

全部なかったことになった。

とりあえず止めにいくオレ

ほんでお前、
反射的に両手で止めにいく。

なぁオレ。

まず謝れ。

なんで戦おうとしてんねん。

いや、
止まるわけない。

でも必死。

顔ビシャビシャ。

服ビシャビシャ。

靴の中、
終了。

なぁオレ。

その姿、

水道管壊した犯人というより、

雨の日に迷子なった犬や。

ほんで親方👇

「止まるかそれぇ!!」

なぁオレ。

そら止まらん。

お前の信用と一緒で、
もう噴き出してる。

親方、普通に止める

ほんで親方、
工具箱からなんか取り出す。

オレ、
まだ必死に押さえてる。

親方👇

「どけどけ」

ほんで割れた塩ビパイプに、
工具つけてギュッと締める。

すると👇

ブシャァァ…… ↓ チョロチョロ……

止まった。

なぁオレ。

止め方、
めちゃプロや。

オレ、
全身ビショビショなってたん、
何やってん。

しかも親方👇

「こうやって止めんねん」

って普通に言うてる。

なぁオレ。

現場の知識、
全部あと出しや。

おっさん、めっちゃ笑ってる

ほんで後ろ見たら、
60代のおっさん。

「アハハハハ!!」

腹抱えて笑ってる。

親方より先に、
おっさんが楽しんでる。

なぁオレ。

被害者、
オレやぞ。

「オレくん、 ビチャビチャやんけぇ!!」

しかも笑いながら👇

「風呂入ったあとみたいやな〜」

なぁオレ。

確かにそうや。

でも今欲しいんは、
タオルや。

それでも、ちょっと楽しかった

でもな。

不思議やけど、
あの頃ちょっと楽しかった。

失敗して。

怒られて。

ビショ濡れなって。

ほんで週1、
イタリア語行って。

人生めちゃくちゃ。

でも退屈ではなかった。

なぁオレ。

あの頃のお前、
ちゃんと前進んでたな。

方向フラフラやったけど。

結論

なぁ、あの頃のオレ。

イタリア語覚える前に、
まず日本の水道管勉強しろ。

ほんで“たぶん”で インフラ触るな。

でもな。

現場で失敗して。

教室で分からへん顔して。

それでもまた来週行って。

その繰り返しで、

お前ちょっとずつ
前向けるようになってた。

なぁオレ。

あの頃のお前、

だいたい失敗してた。

でも止まってはなかった。

一言まとめ

 “たぶん”で掘った結果、水道管とオレが終了した。


次回】 

話が急にデカなって焦るオレ。