
深田晃司監督は、濱口竜介監督や是枝裕和監督と並び、今、世界が注目する監督である。
もともと映画を学び、劇団青年団に所属するという異色の映画監督だ。
以前彼のワークショップオーディションを受けたことがあり、その後別のところで少しだけ話をしたことがある。
彼は終始穏やかで、映画作りも昔の映画監督とは違う、独自の路線を築いている。
「ナギダイアリー」

青年団の平田オリザさんの「東京ノート」から着想を得た作品。
正直、内容を一言で語るのは難しい。
中心になるのは、松たか子さん演じる彫刻家。
そこを訪れるのは、石橋静河さん演じる彫刻のモデル。
彼女は主人公の弟の元妻である。
他作品のように大きく物語が動くわけではないが、彼女の登場により彼らにうねりが起こる。
彼女は都会の人間であり、ナギのことを知らない人間である。
暮らせば慣れると言うが、都会とは異なる光景に驚きを隠せない。
そこで暮らす彼らにも日常があり、平和なばかりでもない。
皆それぞれ価値観は違えど、逞しく生きている。
悩みを抱え、過去を抱え、それでも前を向いて。
映画では、問題は何も解決しない。
田舎でこれからも暮らす彼らの未来に、答えは用意されてない。
田舎が恋しくてナギも素敵だなと思った自分は、もう東京で40年以上暮らしている。






