日本は必ず敗北する | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


2025年夏に放送されたNHKスペシャル「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦」。
ドラマはほとんど観ないので、存在すら知らなかった。
ドラマパートの完全版こそが、この「開戦前夜」である。


戦争前に多くの若いエリートを集めて、模擬内閣が作られたことをどれだけの人が知っているのだろう?
彼らは開戦すべきか否かを机上でシミュレーションし、議論をしたのである。
その名は「総力戦研究所」。


1983年に猪瀬直樹さんがかつての所員に取材し、「昭和16年夏の敗戦」が発表された。
その本を元に、「茜色に焼かれる」や「舟を編む」の石井裕也監督が脚本、監督。
これだけの豪華なキャストが集結した。


この事実を知っただけでも驚きなのに、彼らが日本敗北という答えを出すことに引き付けられていった。
議論を重ね、まるで本物の内閣のように意見を交わすサスペンス。
キャストの力量にも唸らされる。


池松壮亮さん演じるエリートが、模擬内閣総理大臣を任される。
それに対し、海軍少佐や陸軍少佐が意見をぶつけ、やり合うのである。
導かれた答えは、完全なる敗北である。


世界は戦争を繰り返し、自分達の利益のために敵国の破壊をやめない。
同じ過ちは何度も何度も繰り返されるのだ。
映画でも、人間がそれでも戦争に向かっていく愚かさを描く。


開戦前夜、彼らは敗戦を予想し、実際その通りになった。
我々日本人が今後も戦争に向かわないなんて、誰も言えない。
過ちを繰り返さないためにも、今観るべき執念の映画である。