
今回の「午前十時の映画祭」で、最も観たかった作品がこれだった。
「カプリコン・1」
何十年も前に観ていても、もう一度、しかも映画館で味わいたい映画だった。

1977年のアメリカとイギリスの合作映画。
当時のアメリカ映画はアメリカンニューシネマが終わり、ホラー映画やパニック映画、社会派サスペンス等が多数作られていた。
スピルバーグやルーカスが登場したのも、この頃。

陰謀に巻き込まれた宇宙飛行士3人の逃亡を描くサスペンス。
見せ場は何と言っても、3人が脱出して砂漠を逃げるシーンだ。
追い掛けるのは2機のヘリコプター。

この逃走、追跡劇が映画の見せ場であることは間違いない。
そしてこの映画をより魅力的にしているのは、エリオット・グールド演じる新聞記事の存在だ。
宇宙飛行士の事故に疑問を持った彼が、命を狙われるという同時進行の妙。

これによってサスペンスが加速するのである。
ラストシーンのスローモーションは今観ても色褪せず、ぐっとくる。
分かっているのに、涙腺を刺激するのだ。

ピーター・ハイアムズ監督は、「破壊!」や「カナディアン・エクスプレス」等、サスペンスを得意とする映画監督。
しかし、中でも「カプリコン・1」は最高傑作だろう。
とても半世紀前に撮られたとは思えない、優れた映画である。