
怪演と言えば、佐藤二朗さん。
これまでも「はるヲうるひと」、「さがす」、「あんのこと」、怪演に次ぐ怪演だ。
去年話題になった「爆弾」のスズキタゴサク役で、圧倒的な存在感を見せつけた。
「名無し」
右手で相手に触れると、相手が死んでしまうという危険な男。
しかも右手で握った凶器は、他の人には見えない。
漫画原作を手掛け、今回は脚本と主演も兼ねた。
佐藤二朗さんが演じる役には、社会の底辺や社会からはみ出した弱者が見える。
彼自身も、そういったものに心引かれるのではないか?
今回も社会から捨てられ、社会に抹殺された不遇の男だ。
爆発して、無差別大量殺人事件を起こす。
佐藤二朗さんを見ていると、映画の中で弱者の代弁者のような存在に思えてくる。
スズキタゴサクとは真逆で、今回は寡黙。
無言で人を切りつけ、バットで殴り殺す。
絶望的な状況が、彼を強行に走らせる。
やっと映画完成に漕ぎ着けた佐藤二朗さんの魂が、この映画から熱く伝わるのだ。





