医療現場、遅番の8時間 | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


スイス・ドイツ合作映画「ナースコール」が絶賛されている。
オープニングからエンディングまでの92分、釘付けになる。
何故この作品がこれ程愛されるのだろう?


ダルデンヌ兄弟を思わせるドキュメンタリー・タッチ。
主人公はプロ意識の高い看護師。
人手の足りない医療現場に、彼女と共に我々も一気に放り込まれる。


患者のために薬を準備し、巡回し、ナースコールにも対応する。
電話は引っ切りなしに掛かって来る。
もちろん急ぎの用もあるが、些細な電話も向こうはお構いなし。


主人公を追うカメラに緊迫感が増す。
演じているレオニー・ベネシュにも隙がない。
「ありふれた教室」や「セプテンバー5」で彼女の演技は世界的に知られたが、今回はプロの看護師を完璧に演じる。


人が足りないから当然、対応も遅れる。
クレームも発生し、彼女の心は疲弊していく。
厄介なクレーマー、世界中どこにでもいるが、彼らには彼女の心は分からない。


遅れを取り戻そうと彼女は苛立ち、余計に空回りする。
そこは命を預かる現場。
切迫した状況に彼女はどんどん追い込まれていく。


世界のどこにでもありそうな話。
現実に今もどこかでこのような問題が繰り返されている。
医療関係者への愛がたっぷり詰め込まれた傑作だ。