
昔々、今から40年前の話。
音楽の専門学校に通っていて、渋谷陽一さんの講義を聞いた。
クソ生意気な自分は、絶対売れるから、ロッキングオンに載せてほしいと言った。
そんな小僧の言葉に、全然嫌がりもせず、上手に応対してくれた。
人間力を感じた。
売れない役者だった自分が唯一毎月買う雑誌。
ゲイリー・オールドマンやジョニー・デップ、ブラッド・ピット、ショーン・ペン等憧れの俳優のインタビューが毎度掲載されていた。
これを手掛けていたのも、渋谷陽一さんだった。
渋谷陽一さんの認めるもの、音楽でも俳優でも、そこに信頼している自分がいた。
音楽も映画も、彼が良質のものを教えてくれたのだ。
18歳の愚かなアピールを流しもせず、会話してくれた渋谷陽一さんに、ありがとうと言いたい。