石井隆監督リターンズ | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


「天使のはらわた 赤い閃光」
石井隆監督没後3年で、代表作4作品がシネマート新宿で上映されている。
「死んでもいい」「ヌードの夜」「夜がまた来る」


25歳だった自分を魅了した石井隆監督の「死んでもいい」は、痛くてどうしようもなくて、胸を締め付けられて。
今まで観たことのない日本映画だった。
しばらく何も言葉に出来なかった。


エロスとサスペンスとバイオレンス。
劇画家でもあり脚本家でもあり、優れた映画監督でもある石井隆監督。
1度観たら、何か魂までも吸い取られそうな凄まじい破壊力で。


いつも覚悟しながら、新作を見守った。
椎名桔平さんや北村一輝さん等、若手のギラギラした狂気を引き出した。
鶴見辰吾さんの眠っていた怪優振りを引き出したのも石井隆監督である。


石井隆監督の映画に登場する男達の色気に嫉妬した。
そこから自分は過去のポルノ映画や神代辰巳監督の作品と出会い、自分も男と女の切ない性に導かれていく。
「天使のはらわた 赤い閃光」は、当時のハリウッド映画「氷の微笑」や「危険な情事」の影響もあるだろうか?


サイコパスやトラウマ等、あの時代の記号が並ぶ。
男臭い男優だけでなく、もちろん女優の美しさも引き出した石井隆監督。
他作品では見せない女優の顔がそこにある。


人間が生きるために常識から外れるどうしようもなさ。
人間が危険を冒して転がり落ちていくどうしようもなさ。
人間をとことん追求した石井隆監督の映画は、今観ても色褪せず美しい。