デミ・ムーア、怪優への道 | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン

話題になってるし、観た方も多いでしょう。
強烈なインパクトの怪作「サブスタンス」。
にしても、これは凄いな。


デミ・ムーアの自虐的な怪演も話題だ。
インパクトもあるし、よくぞここまでとも思う。
相当振り切ってないと、これはやらないわな。


オファーを受けたデミ・ムーアも凄いが、オファーしたコラリー・ファルジャ監督も凄い。
ここまで徹底して、自分の世界を映像化したのはアッパレ。
その心意気は買う。


デヴィッド・クローネンバーグの影響は大きいだろう。
自分は彼の変異や異形なるものへの追求にどハマりし、今も大ファンである。
フランスの女性監督ジュリア・デュクルノーもクローネンバーグの影響下にあり、「TITANE チタン」でカンヌを制している。


コラリー・ファルジャ監督も女性、しかも同じフランス人だ。
彼女達にクローネンバーグの濃い遺伝子が受け継がれている。
「サブスタンス」もどこまでもバイオレンスで、グロテスク、過激でしつこい。


やり過ぎは是か否か、という問題もある。
反対に、突き抜けてこそ、と思う方もいるだろう。
自分は途中で、もういい、お腹いっぱいと思ったのだが。


クローネンバーグファンの自分がである。
最後エスカレートして、これでもかと暴走していく様は気持ち悪いとかより、もう笑うしかなかった。
早く終わってくれと思わせたのは、向こうの勝利か?


往年の女優グロリア・スワンソンやベティ・デイビスが晩年、スターから転落して怪優として復活したように、デミ・ムーアの今後が楽しみになった。
もっともっと老いと醜態を見せてくれ。
それもまた、女優の生き様である。