エドワード・ヤンは何度も甦る | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


アジア映画にも偉大な映画監督は多い。
「童年往時」のホウ・シャオシェンや「紅いコーリャン」のチャン・イーモウ、「長江哀歌」のジャ・ジャンクー、「花様年華」のウォン・カーウァイ等、まだまだ。
そんな中でも、特別な存在として未だ語られるのは、台湾のエドワード・ヤン監督。


18年前に59歳で亡くなった。
僅か7本の映画を残して。
彼の映画は、繰り返し映画館で上映される。


「カップルズ」が現在、リバイバル公開中だ。 「恐怖分子」や「クーリンチェ少年殺人事件」で時代を切り取り、強烈な印象を残した。
今も若いファンの心を掴み、新たな信者を増やしている。


映画通はエドワード・ヤンを通り、人に知らせたくなる。
自分もかつてそうやってエドワード・ヤンの名を知ったのだ。
その時彼は、この世の人ではなかった。


台北で時代にもがく4人組の不良達。
彼らはフランスからやって来た女性と知り合う。
悪の道へと彼女を誘う彼らだが、少しずつ4人組の運命は狂い出す。


主演はヴィルジニー・ルドワイヤン。
この映画の後、ダニー・ボイルの「ザ・ビーチ」で レオナルド・ディカプリオの相手役を務め、世界に知られる。
代表作に、「8人の女たち」がある。 


ルドワイヤンの美しさを映画が際立たせる。
何故エドワード・ヤンは、こうも愛されるのか?
何故ファンは後を絶たないのか?


映画が我々に教えてくれる。
光と陰の鮮やかな映像があり、そこで懸命に生きる人がいて、美しく煌めく一瞬がある。
他の作品と比べると引きは弱いが、それでも観る価値のある一品である。