「胸騒ぎ」の衝撃を超えたのか!? | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


今年最後に観た映画は、「スピーク・ノー・イーブル異常な家族」
デンマーク映画「胸騒ぎ」のハリウッドリメイク版。
ハリウッドリメイクがオリジナルを超えることは、そうはない。


フランス映画「エール!」をリメイクした「コーダあいのうた」は、数少ない成功例だ。
今年日本公開された衝撃作「胸騒ぎ」。
比べてしまうのは当然。


前半はほぼほぼオリジナルと一緒。
アメリカ人一家が、旅先で知り合った田舎で暮らすイギリス人一家に招待される。
訪れたイギリス人一家には、隠された秘密があった。


異常な家族に巻き込まれていくサスペンスだが、ハリウッド版は後半、がらりと変わる。
家族対家族の対決、逃れられない恐怖との対決、アクションとなる。
サム・ペキンパーの「わらの犬」や、ジャック・ニコルソンの狂気が忘れられない「シャイニング」が思い出される。


それはもう主演ジェームズ・マカヴォイの狂乱を是とするか非とするかだ。
オリジナルは普通の人が実は、という怖さだったが、マカヴォイは最初から異常さが日常からはみ出す。
その体躯といい、佇まいが既に怖いのだ。


仕舞いには暴走に次ぐ暴走。
自分には空回りに思えた。
今年観た中でも屈指の衝撃作であった「胸騒ぎ」には遠く及ばないのでは?


ハリウッドの過剰演出、悪いところが出たのではないか?
オリジナルの突き抜けた後味の悪さが、自分は好きだった。
この映画を観たら、恐らく嫌いな方も多いであろうオリジナルを一度味わうことをお勧めする。