
前回があまりに傑作だったので、これはもうスタッフもキャストも相当プレッシャーがきつかっただろう。
特に、評価されたトッド・フィリップ監督の心境たるや。

前回あった開放感やカタルシスがまるでなかった
内へ内へと向かう救いのない展開。

敗者のための、弱者のための逆転劇も何もなく。
我々の期待したジョーカーとは違った。
悪ではあってもジョーカーは代弁者であり、カリスマであり。

今回は、ほとんどが州立病院の中と裁判シーン。
これがいけない。
レディー・ガガ演じるリーとの歌い踊るシーンはあるものの、閉塞感は増すばかり。

途中、物語が一気に動く出来事がある。
そこからジョーカーは大爆発するのではなかったか?
あそこから展開が変わらず尻つぼみになるのが、今回の失敗の1つ。

我々はさんざん待たされた挙げ句、あの結末に到るのだ。
どうした?ジョーカー。

ジョーカーの狂気や絶望は健在で。
誤った正義を振りかざす成功者たちをバッタバッタとなぎ倒してほしかったが。
ジョーカーは枯れ果て、力尽きていたのである。
