その嘘ほんと?リアル? | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


「かくしごと」
悪くはなかったが、だいぶ粗の目立つ映画。
流れに乗れない自分がいた。


主人公の行動線に疑問が残るのだよ。
関係者の行動も。
そうすると、うん?と自分の中で納得出来ないまま物語に寄り添えないのだ。


後半の主人公が追い込まれる展開も、まあ、そりゃあそうだろうとしか思えなかった。
あまりに安易だもの。
車で轢いた男の子を、自分の息子として育てる、そこに無理はないか?


もちろん感動的なシーンもあるのだよ。
疑似親子としての関係を築いていく二人。
実の親子ではない二人が距離を縮めていく。


だが、その選択に今一つリアリティーがないのである。
主人公が衝動に走るなら、もっと丁寧に描いてほしかった。
彼らがかくしごとを必死に貫いた時に、深い感動が生まれたのではなかろうか?


 「あんのこと 」にしても「ミッシング」にしても社会問題に深く切り込んだ作品を好み、観る。
重たいシーンが続くが、そこに人間の真実が表れる。
良い物語なだけに惜しい。