この前はトラウマ映画を、いわゆる怪物や動物の怖さで選んだ。
じゃあ人間の怖さは?
人間の方がよっぽど怖い。
ラース・フォン・トリアーやミヒャエル・ハネケの映画は突き抜けて怖い。
この二人の映画は、明らかに枠からはみ出している。
批判覚悟で振り切っているところが凄い。
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は、あのエンディングで良かったのか?
救いのない容赦のなさが、トリアーらしさ。
あれで歴史に残る作品になったのは事実。
「ニンフォマニアック」や「アンチクライスト」も強烈だったが、極め付けはやはり「ハウス・ジャック・ビルト」。
マット・ディロンがシリアルキラーを怪演。
殺し方もえげつなく、後味の悪さも一級品。
ミヒャエル・ハネケは「ファニーゲーム」で決まりでしょう。
暴力描写に次ぐ暴力描写、タランティーノがかわいく思える程。
救いもなさ過ぎて、何が楽しくてこんな映画にしたのかと。
それでも、ハネケやトリアーは映画祭での評価が高い。
面白いもの、感動するものを撮るというより、自分を信じて撮りたいものを撮る。
反感を恐れずに徹底して、それは常人には出来ない。
日本で一本挙げるなら、園子温監督の「冷たい熱帯魚」か。
いわゆるバラバラ殺人をとことん描いた作品。
どこにでもいる人間の深い闇を掘り下げ、作品のクオリティも高い。
まあでも、トラウマ映画はたまにでいいかな。
思い出しただけでも疲弊してしまいそう。