崔洋一監督の死 | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


崔洋一監督が亡くなった。
73歳だった。
好きな監督だった。


特に「血と骨」や「 Aサインデイズ」。
「血と骨」は在日、「Aサインデイズ」の主人公は沖縄のハーフだ。
大島渚監督イズムを受け継ぐ人であり、血や民族を表した作品に印象深いものが多かった。
「月はどっちに出ている」とか「十階のモスキート」とかね。


監督自身も在日で、そういう思いを強く持っていたのでしょう。
怖いイメージもあり、作品からはその熱気が伝わってきた。
ただならぬ空気、危険な臭い、映画でしか出来ない表現を見せてくれた。


なので、雇われた感じの映画はあんまりだった。
自分が本気で取り組める作品には、自身を投影しているようなところがあった。
「血と骨」の主人公は崔洋一監督自身だと、当時主演のビートたけしさんも語っていたから。


今年4月に松田優作さんのドキュメンタリーとトークイベントがテアトル新宿であった。
そのドキュメンタリーが崔洋一監督の遺作である。
晩年は、ちっとも新作を撮ってくれなかった。
撮れなかったのだろうか?


それが残念である。
死因は、松田優作さんと同じ膀胱癌であった。

もっと作品を観たかった!