フランスの男優で好きになった男優が、3人いる。
まずは世紀の2枚目アラン・ドロン。
「太陽がいっぱい」のリプリー役に衝撃を受けた。
もう一人は、「ベティ・ブルー」のジャン・ユーグ・アングラード。
2枚目から悪役、枠に収まらない変幻自在の演技、大好きな俳優である。
そしてもう一人が、アラン・ドロンのライバルとも言われたジャン・ポール・ベルモンドだ。
亡くなったのは、ちょうど1年前。
今回の新宿武蔵野館での特集上映は、3度目である。
映画ファンの自分は、アラン・ドロンの特集上映にはよく出掛けたが、何せベルモンドはかつてこういった大々的な特集上映が皆無だったので、とても嬉しいのである。
ジャン・リュック・ゴダールの「勝手にしやがれ」や「気狂いピエロ」は傑作として有名だ。
そこで出会ったベルモンドは鮮烈だった。
当時俳優を目指していた自分は、その躍動感溢れる演技に影響を受けた。
彼の真髄は、やはり自らスタントもこなしてのアクションである。
元々ボクサー志望だったこともあり、動きの俊敏さ、大胆さは、他の俳優には決して真似出来ないものだ。
「華麗なる大泥棒」は、ジャッキー・チェン映画やアニメ「ルパン三世」に影響を与えた、激しいアクションが売りだ。
特にオマー・シャリフに追われるベルモンドの、延々と続く派手なカー・アクションは途中で笑ってしまうくらい。
他にもベルモンドが走行中のバスからバスに飛び移るシーンや、砂利山からの300メートル落下等、危険を省みぬベルモンドに痺れてしまうのだ。
ベルモンドの映画は映画館では滅多に観られない。
まだまだ自分達ファンの知らないスーパースターが、そこにいるのだ。
フランスの偉大なるアクション俳優ジャン・ポール・ベルモンドをこの目に焼き付けよう。